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校舎からのお知らせ

2023年 1月 14日 ★☆★【倫理/政治・経済】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

設問数、マーク数は昨年と同じ32。大問数も昨年と同じ7。

大問数は昨年同様、7題構成となった。第1~4問が「倫理」の第1~4問からそれぞれ抜粋、第5~7問が「政治・経済」の第2・3・4問からそれぞれ抜粋されている。昨年同様に会話文や資料文を読ませる設問が多く、読解に時間がかかる。リード文が置かれた出題はなく、ほぼすべての大問で会話文ベースで出題が行われた。
 第2問や第3問は、与えられた資料文の内容を十分に理解しないと答えられない問題が出るなど、解答に時間がかかる大問になっている。一方第6問や第7問は、資料などが多く出ているものの、オーソドックスな知識があれば極端に時間がかからない出題になっている。全体を通して見ると、問題のテーマは基本的なものが多いが、単に知識を使うだけでは解答を出すのは難しい出題だった。知識と知識を組み合わせて解答したり、論理的に思考して粘り強く解答にたどり着くことが求められている設問も存在しており、時間内に解答するためには、時間がかかる問題なのか、時間をかけなくてすむ問題なのかを見極める力が重要となっている。
 


【設問別分析】

【第1問】源流思想
生徒の会話文を基として、資料文や先生との会話から出題された。内容自体はオーソドックスなもので、小問4問中1問はセンター試験型の4択問題であった。問3・4は資料読解をベースとした出題だが、一定の知識が要求される設問であった。

【第2問】日本思想
3部に分割され、それぞれ生徒および先生との会話、および資料文という形がとられた。オーソドックスな4択問題は4問中2問であった。問4は三木清『読書と人生』を資料文に用いた出題が特徴的だが、この設問については求められているのは読解力であり、知識は必要とされない。それ以外の問題は繰り返し問われてきたものばかりである。

【第3問】西洋近現代思想
昨年と同様、リード文がない形式になっている。会話文などの空欄補充を求める設問が4問中3問であった。資料の読解問題が1問置かれていたが、他の設問は倫理分野の知識がないと正答にたどりつきにくい出題であった。

【第4問】青年期・現代社会分野
問3はリベラリズムと社会契約について思索したアメリカの哲学者ロールズの作品が資料文として使われており、読解力による対応が必要な斬新な素材であった。他の設問は青年期・現代社会分野の出題として頻出の事項であった。難易度が高い出題ではなかったが、会話文・資料文の量が多かったため、受験生は時間が圧迫された可能性が高い。

【第5問】「政治・経済」の学習
地方・産業構造・金融政策と国民経済の3側面から現在の日本が直面する問題について問うており、文字量が多く、読み取りのスピードが求められる出題となっている。その中で問3は地方公共団体、NPO法人、中小企業に関する知識が要求されるなど、時事的内容よりも基本的事項の理解が問われる内容であった。また問4は扱っている事項を知らなくても解答できるが、数的処理についての理解を問う内容となっている。

【第6問】法学部の模擬授業
昨年に続き、基本的な知識を問う問題の比率が高い。その中で問5は成年年齢引き下げに関連した少年法改正に関して出題された。身近なテーマなので、落ち着いて思考すれば正解にたどり着ける内容になっている。同様に問6も判例文と設問文を落ち着いて読んでいけば正解にたどり着ける。難解な写真・イラスト・グラフなどがなく、出題内容としては頻出の事項を押さえておくことで時間をかけずに解答できる。

【第7問】SDGsの意義と課題
問1~3がSDGsについて、経緯、条約、国際機関の仕組みに関する問題である。問4は各国の対外債務について、メモと表から正答を選ぶ問題。とりたてて専門知識がなくても正解にたどり着けるが、組み合わせで正答1つを選ぶため、落ち着いて読み取る必要がある。


【新高3生へ】

思考力重視の共通テスト
 3回目を迎えた「大学入学共通テスト」は、「思考力」「判断力」を測る「考えさせる問題」が中心となり、設問形式や構成、資料の使われ方などもセンター試験とは大きく変わりました。知識により解くタイプの設問も含まれていますが、この基本的傾向は変わっていません。
 その特徴として、第一に、各設問中に長・短の文章を設け、文章内容の把握力・要約力を問う設問や、関連性・因果関係を判断させる設問が見られます。従って、文章を多く読み、内容をいかに早く掴めるかが勝負となります。これは普段から文章を読みこなし、内容を理解することが求められているとも言えます。
 第二に、空欄問題において、空欄に当てはめるものが、語句だけでなく文章など多岐にわたっています。しかも複数の空欄すべてを適切に埋めることで正解になるので、断片的理解では得点できない仕組みになっています。
 以上の特徴を持つ「大学入学共通テスト」の対策としては、基本的概念を理解すると同時に、現在に至る歴史(主に戦後史)的つながりと、グローバル化の結果としての地理的広がりとを理解する必要があります。さらに、それらに加えて現代における諸課題の文化的・宗教的あるいは倫理的な側面の理解も欠かせません。つまり、現在の社会問題を広い視野で総合的に考える習慣を身につけることが必要です。また、文章を読んでその趣旨を把握する訓練をしなければなりません。

問題演習で実戦を重ねる
 自分では一応理解したつもりなのに、いざ問題を解く段階になると、選択肢の正誤がうまく判定できないという受験生の声を毎年聞きます。そうした受験生は過去問演習が不足しているはずです。「倫理、政治・経済」では、思想や制度の理解におけるありがちな誤解が中心になって誤文がつくられています。したがって、そうした「誤解」をつぶすために、実際の過去問にあたって、どこに誤りがあるから誤文なのかをひとつひとつ分析し、理解していく作業が大切になります。過去問の少ない共通テスト対策として、年間6回実施される東進の「共通テスト本番レベル模試」は、年間を通して共通テストと同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な模試受験により、自らの学習到達度および思考力の深まりを測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。