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校舎からのお知らせ

2022年 1月 16日 ★☆★【生物基礎】大学入学共通テスト 解答速報

【全体概観】

昨年に引き続き、「思考力」を問う問題が多く出題!写真を用いた実験考察問題が出題された!

 大問数は3問、設問数は16問と、初めての実施であった2021年度の共通テストから変化はなかったが、マーク数は17個と昨年より1個増加している。出題形式は空所補充、用語の組合せ、正誤判断が主体ではあるが、図や資料・実験結果を解析する力や仮説を検証する力といった、いわゆる「思考力」を問う問題が、昨年に引き続いて多く出題された。また、昨年度の第1日程では出題されなかった会話文形式の問題が出題された。昨年度と同様、知識を直接的に問う問題の数は非常に少ない。「写真を用いた実験考察問題」など、真新しい問題も出題されている。他に、計算問題も昨年に引き続いて出題された。なお、昨年度の特筆点として、「合理的な推論」を選ぶ問題や分野を跨ぐ問題が出題されたことがあげられるが、今年は出題されなかった。

  例年同様、特定の分野に偏ることなく、幅広い内容が出題されている。出題内容は、第1問が『生物と遺伝子』から生物の特徴・代謝・遺伝情報とDNA、第2問が『生物の体内環境の維持』から体液と物質の輸送・免疫、第3問が『生物の多様性と生態系』からバイオーム・植生と遷移・生態系の成り立ち・生態系内の物質循環・人間活動による生態系への影響である。今年度が2回目の共通テストであるが、昨年度に引き続いて思考力を問う問題が多く出題されており、出題形式がある程度固まってきたと言える。模試などを活用し、共通テスト型の出題形式に慣れていたかどうかで、得点に差がついたであろう。昨年よりも実験考察問題の分量が多く、処理に時間がかかり、昨年度よりやや難化すると予想される。

 

【設問別分析】

【第1問】生物と遺伝子(生物の特徴・代謝・遺伝情報とDNA)

 設問数は6問、マーク数は6個でいずれも昨年と変化なし。Aでは、生物の特徴・代謝に関する知識を問う問題のほか、それらの知識をもとにした考察問題が出題された。問1は酵素に関する知識問題であり、きちんとした基礎知識がないと、解答に時間を要する。問2は生物の特徴に関する知識問題であり、平易。問3は生物の特徴・代謝に関する基礎知識をもとにした標準レベルの考察問題であるが、慌てて誤った解答をした受験生もいるだろう。Bでは、DNAの抽出実験をもとに、総合的な考察力を問う問題が出題された。特に問4の「写真を用いた実験考察問題」は、真新しい問題である。会話文をもとに、会話の流れに即した内容を選択する必要があり、解答に時間を要する。問5はDNA濃度と黄色光の強さが比例関係であることを、問題文および図から即座に読み取る必要がある。また、「4mL」のDNA溶液に含まれているDNA量が求められていることを見落とした受験生が多いと思われる。問6は文章を丁寧に読めば十分に解答できる。

 【第2問】生物の体内環境の維持(体液と物質の輸送・免疫)

 設問数は5問と昨年と変わらないが、マーク数は6個で昨年より1個増加した。Aでは、体液と物質輸送に関する基礎知識をもとにした考察問題の他、酸素解離曲線に関する計算問題が出題された。問1は体液と物質の輸送に関する基礎知識をもとにした考察問題であり、解答に時間がかかる。問2は酸素解離曲線を利用した考察問題と計算問題であるが、問題自体は典型問題であり、同様の問題を数多く解いてきた受験生は、正答できたであろう。Bでは、免疫に関する基礎知識をもとにした実験考察問題が出題された。問3は免疫に関わるそれぞれの白血球の働きをきちんと覚えていれば解答できる。問4は拒絶反応に関する考察問題であるが、平易。問5は予防接種と血清療法の原理をきちんと理解している必要がある。標準レベルの問題であるが、慌てて誤った解答をした受験生もいるだろう。

 【第3問】生物の多様性と生態系(バイオーム・植生と遷移・生態系の成り立ち・生態系内の物質循環・人間活動による生態系への影響)

 設問数は5問、マーク数は5個でいずれも昨年と変化なし。Aでは、バイオーム・植生に関する基礎知識をもとにした考察問題のほか、生態系の成り立ちに関する知識問題が出題された。問1はバイオームに関する知識問題であり、平易。問2は光環境と光合成に関する基礎知識をもとにした考察問題であり、解答に時間を要する。問3は生態系の成り立ちに関する基礎知識をもとにした考察問題であるが、落ち着いて文章を読み、3種の生物の関係をきちんと読み取ることができれば問題なく解答できる。Bでは、生態系内の物質循環・人間活動による生態系への影響に関する基礎知識をもとにした考察問題が出題された。問4は生態系内の物質(窒素)循環に関する基礎知識をもとにした考察問題であるが、知識を正確に覚えていれば難なく解答できる。問5は人間活動による生態系への影響に関する基礎知識をもとにした考察問題であるが、きちんとした知識がないと解答に時間を要する。

 

【新高3生へ】

【大学入学共通テストについて】

 大学入学共通テストでは、教科書内容の知識を活用しながら図や表を解析する力、いわゆる“思考力”が求められています。また、センター試験と比べて分量が多いのが特徴です。

・問題構成

 大問3題で構成され、各大問はA・Bの2つに分かれています。全問マーク式で、総マーク数は16個〜18個程度になると思われます。

・問題内容

すべて教科書の内容からの出題となります。「生物と遺伝子」・「生物の体内環境」・「生物の多様性と生態系」の3分野で構成されており、それぞれの分野から各大問が出題されます。このため、全ての分野を満遍なく学習する必要があります。

・学習の指針

 大学入学共通テストは、単に生物用語を問う知識問題ではなく、“思考力”が必要な考察問題が出題されます。だからと言って、基礎知識をおざなりにしてはいけません。英語の長文をスラスラ読むためには、英単語を覚えておくことが必要ですよね。同じように、考察問題をスラスラ解くためには、教科書に出てくる基礎知識をきちんと覚えておくことが必要です。このとき、教科書の記述を“丸暗記”してはいけません。例えば、「ミトコンドリアはDNAをもつ」という文章を丸暗記しても、その先の発展性はありませんよね。一方で,「なぜミトコンドリアはDNAをもつのか」と一歩踏み込んで考えると、「ミトコンドリアは元々独立した生物が細胞の内部に入り込んで生じたものである」という内容まで合わせて覚えることができます。このように、教科書に記述されている内容に対し、常に“なぜ”を意識した学習をすることで、知識の詰め込みを回避し、暗記の負担を軽くすることができます。その上で、共通テスト型の問題を利用して“思考力”を養いましょう。センター試験と比べると、対策には十分な時間が必要となります。できる限り早い段階から学習を始めてください。

【積極的に模試を受験しよう】

みなさんは共通テスト3期生となります。したがって、先輩たちと比べて、より具体的な対策を講じることが可能です。しかし、依然として手に入る共通テスト型の問題はあまり多くないでしょうから、実践的な演習のために、共通テスト本番レベル模試を受験することを強くお勧めします。その際、生物基礎全分野の学習が終わってから受験しようとするのではなく、日々の学習と並行して受験するようにしてください。自分の成績状況を模試の結果から客観的に把握することはとても大切ですし、模試を通して各分野の習熟度を測ることができます。また、共通テスト独特の出題形式・問題内容・時間配分に慣れることも重要です。模試を受験し、実践的な演習を繰り返しましょう。

 

【新高2生へ】

【大学入学共通テストについて】

 大学入学共通テストの問題構成・問題内容・学習の指針については、『新高3生へのアドバイス』を読んでください。共通テスト4期生となるみなさんは、先輩たちと比べて、より具体的な対策を講じることが可能です。共通テストの特徴をよく知り、十分に対策した上で、本番に臨みましょう。

【生き物に興味を持とう!】

ある種のカマキリは、交尾の際,雌が交尾相手の雄を食べてしまうのだそうです。とても不思議ですね。この不思議を単に“不思議”のままで終わらせず、「雌が雄を食べたときと食べなかったときとで、産卵数はどの程度違うのか」、「雄が雌に食べられることのメリットは何なのか」、「雌がもつ遺伝子のうち、この行動を支配している遺伝子はどれなのか」などを科学的に探求するのが生物という学問です。このとき、科学的な探求の過程で得られたデータを考察する能力が、大学入学共通テストで求められている知識を活用しながら図や表を解析する力、いわゆる“思考力”なのです。日頃から生物に興味を持ち、身近にある“不思議”を探求して考察することは、大学入学共通テストの解答力に直結します。常にアンテナを張り、生き物の不思議に興味を抱いてください。

【高2の段階ですべきこと】

まずは教科書に出てくる生物用語を正確に暗記しましょう。その際、「用語を覚えているかどうか」ではなく、「用語を説明できるかどうか」を習熟度の指標としてください。また、大学入学共通テストでは、「ある仮説に対して、仮説を実証するためには何が検証されるべきか」を問うような実験計画に関する問題が出題されます。この問題を解答する能力は、一朝一夕で得られるものではなく、日々の地道な学習を積み重ねることで初めて得られます。高校2年生のうちから、教科書に出てくる生物用語を正確に暗記するとともに、実験から得られた図や表を解析する力を養い、来たる受験学年へ向けて十分な準備をしましょう。

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