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校舎からのお知らせ 

2023年 1月 15日 ★☆★【数学ⅡB】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

 


【全体概観】

昨年度に比べ、問題文の分量が増加した。必答問題はやや取り組みやすいものの、選択問題の随所に取り組みにくい設問がある。

必答問題が2題、選択問題3題から2題の選択、合計4題を解答する形式は、前年度と同様である。センター試験から共通テストに切り替わり問題文の量が増加したが、昨年度と比較してもページ数は更に増加している。ただし、必答問題を中心に取り組みやすい設問が増えている。会話形式の問題文は随所に見られるものの、会話の中に空欄、設問が設定された問題はなかった。

第1問[1]は「三角関数」からの出題、三角比の不等式に関する問題である。2倍角の公式や和積の公式といった、加法定理に関する定理を適切に用いることができるかが試される。[2]は「指数関数・対数関数」からの出題であり、主に対数の定義に関する理解が問われる。第2問[1]は「微分法」からの出題。円錐の内側に作られる円柱の体積の最大値を求める問題であり、図形、関数ともにごく基本的である。グラフを選択する形式の問題は出題されなかった。[2]は「積分法」からの出題である。ソメイヨシノの開花時期を定積分により推定するという真新しい設定である。ただし、基本的な定積分の計算と性質を利用すれば無理なく結論に至る。第3問は「確率分布と統計的な推測」からの出題である。ピーマン1個の重さに関するデータを分析する内容である。正規分布表を利用することも前年度と同様である。また、後半には、重さの分散を小さくするための手法を定めて考察を行う。設定を適切に理解することが求められる。第4問は「数列」からの出題である。預金の複利計算に関する出題であり、漸化式を利用する方法、和を直接計算する方法の2つの方針で考えるよう誘導されている。第5問は「ベクトル」からの出題である。三角錐の頂点を含む空間上の点の関係を考察する問題である。計算すべきことは多くないが、与えられた条件からベクトルに関する等式条件を導き選択する形式の問題が多く、不慣れな受験生もいたことと考えられる。

【設問別分析】

【第1問】三角関数、指数・対数関数
[1](三角関数) 2倍角の公式や和積の公式を利用して、三角比の不等式を満たすxの値の範囲を考察する問題である。誘導が丁寧につけられており、加法定理を適切に用いることができるかが試される。

[2](指数関数・対数関数) 様々な対数の値が有理数か否かを判断することが問題のテーマとなっている。対数の定義を正しく理解しているかが問われる。細かな設問に分けられており、結論までの道筋が追いやすい問題構成である。

【第2問】微分法・積分法
[1](微分法) 円錐の内側に作られる円柱の体積の最大値を求める問題である。先に基本的な関数の極値に関する考察を行っており、後半ではこれを利用することで円柱の体積の最大値を調べる。

[2](積分法) ソメイヨシノの開花時期を定積分により推定するという真新しい設定である。問題文がやや長く、設定を正しく理解することに時間がかかる受験生もいたかと思われる。ただし、ごく基本的な定積分の計算や性質を理解していれば、無理なく結論を得られる内容である。

【第3問】確率分布と統計的な推測(選択問題)
 ピーマン1個の重さに関するデータを分析する問題であり、信頼区間などの計算を行う。必要あれば正規分布表が利用できる。後半は、重さの分散を小さくするために、軽いものと重いものをペアにする手法を考え、それを利用した際の確率分布を考察する問題となっている。

【第4問】数列(選択問題)
 お金を毎年一定額の積立てを行うことを考え、ある利率で運用した場合の複利計算を行う問題である。2つの解法で考えるように誘導されており、方針1は漸化式を作る方法で、方針2は等比数列の和を利用する方法である。ともに内容的には易しく、類題の経験があれば容易であろう。

【第5問】ベクトル(選択問題)
 三角錐を題材としたベクトルの問題である。内積計算が主体となっており、成立するベクトル方程式を解答群から選択する問題が多い。ベクトル方程式から情報を読み取る力が必要になる。

【新高3生へ】

大学入学共通テストの数学II・Bでは、数学I・Aの学習を土台とした発展的な出題が多いため、数学I・Aが未完成な状態では高得点は望めません。まずは、できるだけ早く数学I・Aを完璧なものにしましょう。その上で、数学II・Bの基礎・基本を固めていくことが、効率的な学習となり、総合的な数学の力を自分のものにしていくことにつながります。
数学II・Bのそれぞれの分野において、基礎・基本を身につける上で重要なポイントは以下の通りです。

◆方程式・式と証明
3次式の展開・因数分解、二項定理、整式の除法について、しっかりと理解しておく必要があります。特に整式の除法は、剰余の定理、因数定理の導出の基となるものなので、原理からしっかりと理解を深めておきましょう。

◆三角関数
加法定理から派生する倍角公式などは丸暗記でなく、導出過程も含めて理解し、さらに実際に使いこなせるレベルにまで達する必要があります。求めるものによって、適切な式変形が素早く出来るように、まず加法定理を完全に理解し、使えるようにしましょう。

◆指数・対数関数
指数法則、およびそこから導かれる対数計算、底の変換の計算などがいかに正確に素早くできるかがポイントです。指数や対数の底の大きさによる大小の場合分けや、対数の真数条件などの基本事項を理解した上で、計算のスピードを上げる練習をしましょう。

◆図形と方程式
座標平面上における2直線の平行条件・垂直条件や、点と直線の距離、円の方程式は必ず理解しておきましょう。また、領域における最大・最小問題は、文字のとり得る値や不等号の向きに注意して正しく図を描くことが重要になります。図から大小が容易に判断できない場合には、計算で比較を行うなど臨機応変な解法が取れるようにしておきましょう。

◆微分法・積分法
関数とその導関数の対応について、グラフによる視覚的な理解をしておくことが重要です。また、面積を求める際の積分計算も確実にできるようにしておく必要があります。面積を求める領域の把握が第一歩となるので、日ごろから面倒がらずに図を描く習慣を身につけましょう。

◆数列
等差数列、等比数列の決定とその和、漸化式、群数列など出題テーマが多岐にわたる分野ですが、いずれにおいても項の対応(規則性)を考えることが重要です。日ごろから具体的に項を書き並べて考える習慣を身につけましょう。

◆ベクトル
内積計算、2直線の交点の位置ベクトル、ベクトルの垂直・平行条件、共線条件、共面条件などを押さえておく必要があります。一つ一つ整理して、確実に理解しましょう。

これらの分野を効率よく学習するには、いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜く」ことや「図やグラフを描いて考える」ことを積み重ね、早期に基礎を確固たるものにするために、問題演習を繰り返しましょう。

解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理を理解してから先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力をつけることができます。
数学II・Bの問題は、数学I・A以上に抽象的な問題が多く、また計算量も多いため、時間が足りないと感じることが多いと思います。大学入学共通テスト対策としては、限られた時間で正確に解けるように演習を繰り返すことが欠かせません。

東進では「全国統一高校生テスト」を含めて年6回実施される「共通テスト本番レベル模試」があります。大学入学共通テストの傾向や自分の現在の力を知り、さらに不得意分野・弱点を明確にして大学入学共通テスト対策を進めていきましょう。

【新高2生へ】

大学入学共通テストの数学II・B・Cでは、授業風景や日常生活に関する対話形式の問題、および1つの問題に対して複数の方針で考える問題が出題されます。長い問題文から必要な情報を読み取って解き進める力、問題を深く考え考察する力が要求されます。よって、与えられた情報をより速く正確に読み取って解き進める力を身につけていく必要があります。そのためにも、まずはその土台となる数学I・Aと数学II・B・Cの基礎・基本を確実に理解することが重要です。
数学I・Aの基礎・基本を確実にした後、数学II・B・Cのそれぞれの分野において、新高2生の今から身につけておくべきことは以下のとおりです。

◆方程式・式と証明
3次式の展開・因数分解、二項定理、整式の除法について、しっかりと理解しておく必要があります。特に整式の除法は、剰余の定理、因数定理の導出の基となるものなので、まずはその原理をしっかりと理解しましょう。

◆三角関数
加法定理から派生する倍角公式などを丸暗記でなく、導出過程も含めて理解することが重要です。まずは加法定理を正確に覚え、他の公式が自由に導出できるように式変形する練習を積みましょう。

◆指数・対数関数
指数法則、およびそこから導かれる対数の性質、底の変換などをまず理解しましょう。さらに、底の大きさによる増減、対数の真数条件なども押さえながら素早く正確に計算する習慣を身につけましょう。

◆図形と方程式
座標平面上における2直線の平行条件・垂直条件や、点と直線の距離、円の方程式の求め方をまず理解しましょう。そして、図を視覚的に捉える方法、数式で表現する方法の双方をしっかりと鍛えましょう。

◆微分法・積分法
関数とその導関数の対応について、グラフによる視覚的な理解をしておくことが重要です。また、面積の積分計算も確実にできるようにしておく必要があります。まずは、面積を求める際の領域を正確に把握できるように、グラフを正確に描く習慣を身につけましょう。

◆数列
項の対応(規則性)を考えることが最も重要です。公式を丸暗記するのではなく、書き並べて考えるなどの習慣を身につけましょう。

◆統計的な推測
確率変数の期待値、分散、標準偏差の計算方法、および確率変数の変換の考え方をまず理解しましょう。また、正規分布や正規分布に従う確率変数を標準正規分布に従う確率変数に変換する方法や、母平均・母比率の推定、さらに仮説検定の考え方についても一つずつ身につけていきましょう。

◆ベクトル
ベクトルも図形問題なので、図を描いて考えることが基本です。点がその図の中のどのような位置にあるのかを常に意識しながら解き進めるようにしましょう。

◆平面上の曲線と複素数平面
放物線・楕円・双曲線といった2次曲線の基本性質、および曲線の媒介変数表示、極座標と極方程式の考え方を整理して理解しておきましょう。

◆複素数平面
極形式とド・モアブルの定理、および複素数の方程式で表された図形の見方をまずは理解しましょう。

入試レベルの問題に取り組むために、まず今すべきことは数学I・Aを完璧にすること数学II・B・Cの基本を確実に身につけることです。教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップして学習することが、実力を高める一番の近道です。
同時に「計算を最後までやり抜く」、「図やグラフを描いて考える」といった基本的なことを一つ一つ確実に積み重ねることによって、しっかりとした基礎力を高2の時点から養成しましょう。
共通テストの数学では、現実の事象を数学に引き寄せて課題解決をしたり、友人との議論を通して結論を得て行ったりする探究的要素が多くなってきています。普段の学習から疑問を放置せず、深い理解をするようにしましょう。

東進では「全国統一高校生テスト」をはじめ、「高校レベル記述模試」「大学合格基礎力判定テスト」などを用意しています。自分の現在の力を知り、さらに不得意分野、弱点を明確にして本格的な大学受験対策に向けて大いに役立ててください。そのためにも、模試は毎回欠かさず受験するようにしましょう。
さらに高2の8月からは「全国統一高校生テスト」に加えて、受験学年と同じ「共通テスト本番レベル模試」も受験しましょう。真剣に問題に取り組む時間は、学力を伸ばす絶好の機会です。

2023年 1月 15日 ★☆★【数学ⅠA】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

 


【全体概観】

問題の分量は昨年度と同程度であるものの、計算量、考察する量は昨年度と比べやや減少。正誤を判定する問題は出題されなかった。

必答問題が2題と、選択問題3題から2題の選択、合計4題を解答する形は、昨年度までの形式と同様である。問題文の文章量はページ数が昨年度と同程度であるものの、具体的に計算する量、考察する部分は昨年度比では減少している。それでも試験時間に対して分量が多いことに変わりはない。会話形式の問題が一部に含まれていることも昨年度と同様である。また、今年度は必要条件・十分条件といった集合と論理についての出題がなかった。
第1問〔1〕1次不等式の問題であり、ごく基本的な内容である。〔2〕「図形と計量」は三角比の基本的な理解を問う図形問題である。一部に図形的な考察を必要とする。
第2問〔1〕「データの分析」は基本的な代表値に関する理解を問い、後半で2つのデータに関し共分散,標準偏差から相関係数を求める問題が出題された。ヒストグラムや散布図を選択する問題が出題されなかった。〔2〕「2次関数」はボールの軌道を考察する問題である。仮定が複雑であり、読み取りには苦労する受験生も多かったものと考えられる。
第3問「場合の数と確率」は、区別できる球をひもでつなぎ、色を塗り分ける問題である。異なる2つの図での塗り方の差異を考察する問題が出題されている。
第4問「整数の性質」は、長方形を敷き詰めてできる長方形や正方形に関する問題であり、約数や倍数に関する内容であった。問題文の中で数式が全く与えられていないことが特徴的である。
第5問「図形の性質」は円と直線を絡めた幾何の証明の手順を穴埋めする問題である。作図をテーマとしており、参考図に頼らずに「手順」を元にして自力で図示する能力が試される。

【設問別分析】

【第1問】 1次不等式・図形と計量
[1](1次不等式)
絶対値を含む1次不等式に関する問題である。内容は平易であるが、前後の式の関係、不等号の向きなどに注意して解き進めたい問題である。

[2](図形と計量)
円に内接する三角形、および球面上の4点を頂点とする錐体の体積に関する問題である。余弦定理などを適切に用いれば解答に至る。一部に図形的な考察が必要な問題があるものの、図形問題においてはよく問われる内容である。

【第2問】 データの分析・2次関数
[1](データの分析)
1世帯当たりの調理食品の年間支出金額の分析に関する問題である。前半ではうなぎのかば焼きのデータを分析、後半はやきとりとかば焼きの2つのデータの比較を行っている。四分位数、四分位範囲などに関する基本的な理解、および標準偏差、共分散、相関係数の関係を正しく理解しているかを問う問題である。適切なヒストグラムや散布図を選択する問題は出題されなかった。

[2](2次関数) 
バスケットボールのシュートの軌道を考察する問題である。実際に計算する量は多くはないものの、問題文や「仮定」の文章が非常に長く、また、数式がやや複雑である、問題の読み取りや設定の理解に苦労した受験生は多いと推測される。

【第3問】 場合の数と確率 (選択問題)
区別できる球をひもでつなぎ、色を塗る問題である。色々な形で塗り方を数えるが、構想として少し異なる2つの図での塗り方の差を考察するのは共通テストらしい出題といえる。隣り合う球の色が異なることに注意して数える必要ある。場合の数のみでの出題はセンター試験の2015年度以来であった。

【第4問】 整数の性質 (選択問題)
縦、横の長さが整数である長方形を敷き詰めてできる長方形や正方形を考察する問題であり、約数や倍数を考える問題である。設定された長さを素因数分解することで最大公約数や最小公倍数が見えることから、単純な計算により処理できるであろう。後半は会話文にヒントがあり、解きやすかったと思われる。

【第5問】 図形の性質 (選択問題)
円と直線を絡めた幾何の証明の手順を穴埋めする問題である。同一円周上にある4点を捉え、等しい角を見つける。後半は似た設定で、少し異なる位置関係の図を利用して角や長さを考える。図をある程度正確に描かなければ、正確な情報が見えなくなるので注意が必要である。

【新高3生へ】

 大学入学共通テストの数学I・Aでは、その年の問題の難易度変化に関わらず高得点をとることを考えて準備しておく必要があります。数学I・Aは、高校数学の土台ともいうべき分野なので、大学入学共通テストにおいても基本の理解を問う出題が多く含まれます。大切なのは、基本を早期に確実に理解し、問題演習を繰り返し、限られた時間内で正答を確実に導く力を養うことです。
 各分野毎に学習していく上で重要なポイントは以下の通りです。

◆数と式、集合と命題
 中の符号で場合分けをして絶対値記号を外す、代入計算を式変形によって行う、複数の不等式をすべて満たす範囲を数直線を用いて考える、などといった基本動作を確実にできるようにしましょう。また、必要条件か十分条件かの判定は、集合の包含関係や数直線を用いて視覚的に捉えることが有効です。覚えるのではなく理解に努めることが大切で、一度理解してしまえば、確実に得点できる分野です。勘に頼ることなく、命題の真偽から考える習慣を普段からしっかりと身につけましょう。

◆図形と計量
 正弦定理や余弦定理など、三角比の基本公式を身につけることが最も重要です。それに加えて、常に図形問題では自分で図を描いて考えることが基本です。なるべく大きく図を描き、解き進めていく中で分かった長さなどの情報を書き込んでいく習慣を身につけましょう。

◆2次関数
 グラフを描きイメージしながら解き進められるかどうかがポイントです。2次関数のグラフが軸を中心として線対称であることを利用した最大・最小問題、2次関数のグラフと2次方程式・不等式の解の相互間の言い換えなどをグラフを描いて考える習慣を身につけましょう。

◆データの分析
 多くの用語が出てくるので、まずはそれぞれの用語の定義を正しく覚えることが重要です。用語の定義を正確に覚えた上で、代表値などの値の計算、そして度数分布表や箱ひげ図、散布図などからデータの特徴を読み取る練習を重ねましょう。

◆場合の数と確率
 公式に頼るのではなく、樹形図などから数え上げの原理を理解することが極めて重要です。併せて他分野以上に状況を言い換える力も求められます。考え方を理解しながら学習しましょう。

◆整数の性質
 約数・倍数の考え方、ユークリッドの互除法、不定方程式の解、n進法の考え方を理解したうえで、論理的に解き進めていく力が必要になります。日頃の学習では、一つ一つの式変形の意味を明確にしながら解き進めることを繰り返しましょう。

◆図形の性質
 三角形や円の性質を図と合わせてきちんと理解しているかが重要です。図形と計量と同様、図を描いて等しい角や長さ、相似などを見抜くことができるように練習を重ねましょう。

 各分野を効率よく学習するには、いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。大学入学共通テストでは、対話形式で問題解決を行う問題、PC画面上で関数のグラフや図形を動かすときの考察を行う問題、日常生活(学校生活)での数学の活用の場面を切り取った問題、など従来のセンター試験よりも出題の幅が大きく拡がりますが、まずは「計算を最後までやり抜く」「図やグラフを描いて考える」といった基本的なことを地道に積み重ねることによって、確固たる基礎を身につけましょう。また、解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理をきちんと理解してから先に進むような勉強を心がけましょう。理解して先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出てからも役立つ本当の力をつけることができます。

 東進では「全国統一高校生テスト」を含めて年6回実施される「共通テスト本番レベル模試」があります。大学入学共通テストの傾向や自分の現在の力を知り、さらに不得意分野、弱点を明確にして大学入学共通テスト対策を早期に進めましょう。

【新高2生へ】

 大学入学共通テストの数学I・Aでは、誘導に従って問題を解き進める力だけではなく、授業風景や日常生活に関する対話などの長い問題文から、必要な情報を読み取って解き進める力も要求されます。よって、与えられた情報をより速く正確に読み取って解き進める力を身につけていく必要があります。そのためにも、まずはその土台となる数学I・Aの基礎・基本を確実に理解することが重要です。
 数学I・Aのそれぞれの分野において、新高2生が今から身につけておくべきことは以下のとおりです。

◆数と式
 絶対値記号を中の符号で場合分けをして外す、代入計算を式変形によって行う、複数の不等式をすべて満たす範囲を数直線を用いて考える、などといった基本動作をまず身につけましょう。

◆集合と命題
 必要条件か十分条件かの判定は、集合の包含関係や数直線を用いて視覚的に捉えることが有効です。覚えるのではなく理解に努めることが大切で、一度理解してしまえば、確実に得点できる分野です。勘に頼ることなく、命題の真偽から考える習慣を普段からしっかりと身につけていきましょう。

◆図形と計量
 図形問題は図を描いて考えることが基本です。なるべく大きく図を描き、解き進めていく中で判明した長さなどの情報を書き込んでいく習慣を身につけましょう。

◆2次関数
 この分野はグラフを描いて、イメージして解き進められるかどうかがポイントです。グラフを描いて考える習慣を身につけましょう。

◆データの分析
 まずは用語の定義を正確に覚えることが重要です。用語を覚えた上で、代表値などの値の計算、度数分布表や箱ひげ図、散布図などからデータの特徴を読み取る練習を重ねましょう。また、外れ値や仮説検定の基本的な考え方についても理解しておきましょう。

◆図形の性質
 三角形や円の性質を図と合わせて理解しましょう。図形と計量と同様、図を描いて解き進めていく中で等しい角や長さ、あるいは相似などを見抜く練習を重ねることが重要です。

◆場合の数と確率
 公式に頼るのではなく、樹形図などから数え上げの原理を理解することが極めて重要です。全てを書き上げようとする姿勢の中で、順列や組み合わせの考え方を身につけましょう。

 入試レベルの問題に取り組むためにまず今すべきことは、基本を確実に身につけることです。教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップして学習していくことが、実力を高める一番の近道です。「計算を最後までやり抜く」「図やグラフを描いて考える」といった基本的なことを地道に積み重ねることによって、確固たる基礎を養成しましょう。また、解法の暗記に頼るのではなく、公式や解法の原理をきちんと理解してから先に進むような勉強を心がけましょう。共通テストの数学では、現実の事象を数学に引き寄せて課題解決をしたり、友人との議論を通して結論を得て行ったりする探究的要素が多くなってきています。普段の学習から疑問を放置せず、深い理解をするようにしましょう。

 東進では「全国統一高校生テスト」をはじめ、「高校レベル記述模試」「大学合格基礎力判定テスト」などを用意しています。自分の現在の力を知り、さらに不得意分野、弱点を明確にして本格的な大学受験対策に向けて大いに役立ててください。そのためにも、模試は毎回欠かさず受験するようにしましょう。 さらに、高2の8月からは「全国統一高校生テスト」に加えて、「共通テスト本番レベル模試」も受験しましょう。

2023年 1月 15日 ★☆★【地学基礎】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

 


【全体概観】

大問数・設問数・マーク数に変更はなかった。日本列島の自然の恵みに関する問題が出題された。

第1問(地球) Aでは、地球の大きさに関する計算問題が出題された。日頃から図を描くくせがついていれば難しくはない。
Bでは、地層の対比が図と共に問われた。Cでは、鉱物と火山について問われた。
Bは考察、Cは知識を問う問題で、いずれも典型的だった。

第2問(大気と海洋) Aは天気図と高気圧に関する問題で、中学理科がベースとなっている。Bは黒潮の流路についての考察問題で、目新しい。

第3問(宇宙) 会話文を読みながら解答する問題。銀河系のさまざまな天体や太陽について幅広く問うている。
問4では銀河系の立体的な構造が問われた。日頃から多様な天体とその運動に興味を持っていなければ難しく感じただろう。

第4問(日本列島の自然の恵み) 日本列島の資源や環境について幅広く問われた。古生物や岩石に関する知識を持っていれば平易である。
問3では選択肢の下線部について問われたが、昨年度の最終問題と同じ形式である。

【設問別分析】

第1問 地球

問1 地球の大きさについての計算問題である。2点を通る円を描いて考えればよい。
問2 プレート境界の種類についての知識問題である。3種類の境界の違いが分かれば解ける。

問3 鍵層とは何かを問うている。平易な知識問題である。
問4 読図問題である。地層の対比とは何かが分かっていないと難しい。

問5 鉱物の晶出順序についての典型的な知識問題である。
問6 与えられた図の修正を行う問題である。要求される知識は典型的である。

第2問 大気と海洋

問1 高気圧の性質と移動についての問題である。計算を必要とするが、図の下に必要な数値が与えられており、難しくはない。

問2 黒潮の流路に関する問題である。図において周囲よりも高温である部分をきっちりと見分ければよい。

第3問 宇宙
問1 天体の種類と年齢についての問題である。恒星進化に関する内容も含まれており、多角的な知識が必要である。
問2 星間雲がどのような天体であるかを理解していなければ解けない。
問3 黒点とは何かを問う典型問題である。
問4 銀河系の特徴および天の川とは何かが問われている問題である。天体に対する知識が曖昧であると難しい。

第4問 日本列島の自然の恵み
問1 化石燃料と火成活動についての問題である。典型問題であるが、地下深くで起きる現象を混同していると解けない。
問2 身近な鉱物資源である石灰岩について問われている。変成作用についての理解を要する。
問3 気候についての問題である。日本列島の気候を季節別に理解していれば平易である。

【新高3生へ】

◆大学入学共通テスト地学基礎の特徴
 皆さんが受験する2024年1月の共通テストは、4回目の共通テストです。共通テスト地学基礎は、地学基礎の教科書からまんべんなく出題されます。
 共通テストはマーク形式ですが、私大入試とは違い、本文を読まずに選択肢だけから答えが出たり、きちんと計算をせずに答えが分かったりすることはありません。
 試験時間が約30分という限られた時間で15問前後を解答することになります。地学基礎とはいえ、単純な知識問題は少なく、様々な分野の知識や自然現象・実験に対する考察力が必要です。
 また、煩雑な計算問題はありませんが、基本的な計算力も必要です。とりわけ、単位の計算や比・比例の考え方には習熟する必要があります。
 図やグラフは、教科書や資料集に載っているような典型的なものがほとんどですが、内容をしっかりと理解しておきましょう。
 暗記した知識に頼りすぎず、しっかり目の前の問題を見ることが高得点をとる秘訣です。

◆これからの学習について
 まずは教科書を繰り返し読み、内容を理解しましょう。共通テストの問題は設問が複数の分野にまたがるため、教科書を数ページ読んだだけでいきなり問題を解くことは大変難しいです。
 教科書の実験・考察にもじっくり目を通しましょう。基本的な知識を頭の中で理解して「モデル化」した後に過去問を解いてみましょう。
 必要があれば、中学校の教科書や参考書も利用しましょう。問題を大量に解くのではなく、「自然現象の理解」「モデル化」が大切です。

◆模試の活用
 地学基礎の共通テストの過去問は今年度を含めても多くはありません。
 演習不足にならないよう、センター試験の過去問や、全国統一高校生テストを含め年間6回実施される東進の「共通テスト本番レベル模試」を活用しましょう。
 旧課程の過去問を解くときは、地学基礎に該当する問題を分野別に選び、解いてみましょう。

【新高2生へ】

◆大学入学共通テスト地学基礎の特徴
 皆さんが受験する2025年1月の共通テストは、5回目の共通テストとなります。そして、新しい課程での出題になります。これまでの共通テスト地学基礎では、地学基礎の教科書からまんべんなく出題されています。その点は第5回共通テストでも変わらないでしょう。
 マーク式の試験と言えば独特な解法を想像する人もいると思いますが、本文を読まずに選択肢だけから答えが出たり、きちんと計算をせずに答えが分かったりすることはありません。
 単純な知識問題は少なく、様々な分野の知識や考察力が必要になります。
 さらに、試験時間が約30分という限られた時間で15問前後を解答するという、時間的にも厳しい試験です。以上のような内容・形式は、今後も大きくは変わらないと思われます。

◆これからの学習について
 地学基礎だけではなく理科の学習では、問題演習よりも重要なことがあります。それは自然現象を知り、理解することです。
 まずは、興味をもった分野から教科書を読んでみましょう。教科書をくり返し読みながら、頭の中に自分なりの「モデル」をつくります。
 これを意識して、勉強を続けましょう。こういったことは、大学入学共通テストや国公立大学二次試験など、どのような試験であれ変わりません。
 もし、チャンスがあれば、実際に天文台や地層、火山の見学などにも行ってみましょう。気象庁やNASAのホームページを眺めることも良いかもしれません。
 百聞は一見にしかず、です。

◆模試の活用
 地学基礎の共通テストの過去問は今年度を含めても多くはありません。
 演習不足にならないよう、センター試験の過去問や、全国統一高校生テストを含め年間6回実施される東進の「共通テスト本番レベル模試」を積極的に受験しましょう。
 旧課程の過去問を解くときは、地学基礎に該当する問題を分野別に選び、解いてみましょう。

2023年 1月 15日 ★☆★【生物基礎】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】



【全体概観】

「思考力」を問う出題が多い。大問ごとの配点が変化!

 大問数は3問と昨年から変化はなかったが、設問数は15問と昨年より1個減少し、マーク数は18個と昨年より1個増加した。出題形式は空所補充、用語の組合せ、正誤判断が主体ではあるが、図や資料・実験結果を解析する力や仮説を検証する力、いわゆる「思考力」を問う問題が、昨年に引き続き多く出された。また、2年連続で会話文形式の問いが出題されたほか、計算問題も昨年に引き続き出題された。一方で、過去2回の共通テストでは第1問の配点が最も高かったが、今年度は第2問・第3問の配点が17点と高く、第1問の配点が16点と最も低かった。第2問Aでどれだけ得点できたかどうかが高得点へのカギとなる。なお、昨年度の特筆点として、「写真を用いた実験考察問題」が出題されたことがあげられるが、今年は出題されなかった。
 例年同様、特定の分野に偏ることなく、幅広い内容が出題されている。出題内容は、第1問が『生物と遺伝子』から生物の特徴・代謝・遺伝情報の複製・細胞周期、第2問が『生物の体内環境の維持』から胆汁に関する実験考察問題・免疫、第3問が『生物の多様性と生態系』から生態系の保全・生態系内の物質循環とエネルギーの流れ・バイオームである。今年度が3回目の共通テストであるが、昨年に引き続き思考力を問う問題が多く出題されており、出題形式がある程度固まってきたと言える。模試などを活用し、共通テスト型の出題形式・傾向に慣れていたかどうかで、得点に差がついたであろう。

【設問別分析】

【第1問】生物と遺伝子(生物の特徴・代謝・遺伝情報の複製・細胞周期)
設問数は5問、マーク数は5個でいずれも昨年より1個減少した。Aは、生物の特徴・代謝に関する問題だが、知識問題だけではなく、生物の特徴・代謝に関する基礎知識をもとにした考察問題も出題された。問1は原核細胞と真核細胞の比較に関する知識問題であり、確実に正解したい。問2は代謝の基礎知識をもとにした考察問題であるが、文章を素直に読めば難なく正答できる。Bは、細胞周期に関する総合問題だった。問3は複製開始点の数を求める計算問題である。設問文に書かれている情報は「精子」の核に含まれるDNAの塩基対数であるが、問われているのは「体細胞」についてであることに注意したい。問4は問題文のみから解答を導く考察問題であるが、問題文に書かれている情報を落ち着いて処理できれば、十分に正答できる。問5は細胞周期における細胞当たりのDNA量変化に関する基礎知識をもとに、問題文と図の両方を正確に理解する必要があり、解答に時間がかかる。

【第2問】生物の体内環境の維持(胆汁に関する実験考察問題・免疫)
設問数は5問と昨年と変わらないが、マーク数は7個で昨年より1個増加した。Aは、胆汁に関する実験考察問題だった。問1・問2ともに実験考察問題に十分慣れていないと解答に時間がかかる。高得点が取れたかどうかは、これらの問題をいかに素早く正確に解けたかがカギとなったであろう。Bは、免疫に関する知識問題と、基礎知識をもとにした実験考察問題だった。問3・問4は自然免疫のしくみについてきちんと理解していれば十分に解答できる。問5は実験が多く、処理しなければならない情報量は多いが、免疫のしくみに関する基礎知識が十分に習得できていれば、問題なく正答できたであろう。

【第3問】生物の多様性と生態系(生態系の保全・生態系内の物質循環とエネルギーの流れ・バイオーム)
設問数は5問と昨年と変わらないが、マーク数は6個で昨年より1個増加した。Aは、生態系の保全・生態系内の物質循環とエネルギーの流れに関する知識問題と、基礎知識をもとにした考察問題だった。問1は生態系内のエネルギーの流れについて、代謝の単元である光合成に関する基礎的な知識問題であった。問題自体は平易であるが、このような分野を跨いだ出題は生物基礎では珍しい。問2は生態系内の物質循環に関する知識問題であり、平易。問3は生態系に関する基礎知識をもとに水槽生態系の保全を思考させる良問であるが、理解するのに時間がかかる。また、適当なものを「過不足なく」選択する問題形式であることも、受験生にとっては正解までのハードルを高くした要因であるだろう。Bは、バイオームに関する知識問題と、基礎知識をもとにした考察問題だった。問4はバイオームに関する知識問題であり、各バイオームの特徴を正確に理解していれば難なく解答できる。問5はバイオームの基礎知識をもとにした考察問題であるが、問題文の内容と図が理解しやすく、十分に正答できたと思われる。

【新高3生へ】

【大学入学共通テストについて】
 大学入学共通テストでは、教科書内容の知識を活用しながら図や表を解析する力、いわゆる“思考力”が求められています。また、センター試験と比べて問題文や設問文の量が多いのが特徴です。

・問題構成
 大問3題で構成され、各大問はA・Bの2つに分かれています。全問マーク式で、総マーク数は16個〜18個になると思われます。

・問題内容
すべて教科書内容からの出題となります。「生物と遺伝子」・「生物の体内環境」・「生物の多様性と生態系」の3分野で構成されており、それぞれの分野から各大問が出題されます。このため、全ての分野を満遍なく学習する必要があります。

・学習の指針
 大学入学共通テストは、単に生物用語を問う知識問題ではなく、“思考力”を必要とする考察問題が出題されます。だからと言って、基礎知識をおざなりにしてはいけません。英語の長文をスラスラ読むためには、英単語や英熟語を覚えておくことが必要ですよね。同じように、考察問題をスラスラ解くためには、教科書に出てくる基礎知識をきちんと覚えておくことが必要です。このとき、教科書の記述を“丸暗記”してはいけません。例えば、「ミトコンドリアはDNAをもつ」という文章を丸暗記しても、その先の発展性はありません。一方で「なぜミトコンドリアはDNAをもつのか」と一歩踏み込んで考えると、「ミトコンドリアは元々独立した生物が細胞の内部に入り込んで生じたものである」という内容まで合わせて覚えることができます。このように、教科書に記述されている内容に対し、常に“なぜ”を意識した学習をすることで、知識の詰め込みを回避し、暗記の負担を軽くすることができます。その上で、共通テスト型の問題を利用して“思考力”を養いましょう。センター試験と比べると、対策には十分な時間が必要となります。できる限り早い段階から学習を始めてください。

【積極的に模試を受験しよう】
 みなさんは共通テスト4期生となります。したがって、先輩たちと比べて、より具体的な対策を講じることが可能です。しかし、依然として手に入る共通テスト型の問題はあまり多くないでしょうから、実践的な演習のために、共通テスト本番レベル模試を受験することを強くお勧めします。その際、生物基礎全分野の学習が終わってから受験しようとするのではなく、日々の学習と並行して受験するようにしてください。自分の成績状況を模試の結果から客観的に把握することはとても大切ですし、模試を通して各分野の習熟度を測ることができます。また、共通テスト独特の出題形式・問題内容・時間配分に慣れることも重要です。早い段階からできるだけ多くの模試を受験し、実践的な演習を繰り返しましょう。

 

【新高2生へ】

【大学入学共通テストについて】
 大学入学共通テストの問題構成・問題内容・学習の指針については、『新高3生へのアドバイス』を読んでください。共通テスト5期生となるみなさんは、先輩たちと比べて、より具体的な対策を講じることが可能です。共通テストの特徴をよく知り、十分に対策した上で、本番に臨みましょう。

【生き物に興味を持とう!】
 ある種のカマキリは、交尾の際、雌が交尾相手の雄を食べてしまうのだそうです。とても不思議ですね。この不思議を単に“不思議”のままで終わらせず、「雌が雄を食べたときと食べなかったときとで、産卵数はどの程度違うのか」、「雄が雌に食べられることのメリットは何なのか」、「雌がもつ遺伝子のうち、この行動を支配している遺伝子はどれなのか」などを科学的に探究するのが生物という学問です。このとき、科学的な探究の過程で得られたデータを考察する能力が、大学入学共通テストで求められている知識を活用しながら図や表を解析する力、いわゆる“思考力”なのです。日頃から生物に興味を持ち、身近にある“不思議”を探究して考察することは、大学入学共通テストの解答力に直結します。常にアンテナを張り、生き物の不思議に興味を抱いてください。

【高2の段階ですべきこと】
 まずは教科書に出てくる生物用語を正確に理解しましょう。その際、「用語を覚えているかどうか」ではなく、「用語を説明できるかどうか」を習熟度の指標としてください。また、大学入学共通テストでは、「ある仮説に対して、仮説を実証するためには何が検証されるべきか」を問うような実験計画に関する問題が出題されます。この問題を解答する能力は、一朝一夕で得られるものではなく、日々の地道な学習を積み重ねることで初めて得られます。高校2年生のうちから、教科書に出てくる生物用語を正確に理解するとともに、実験から得られた図や表を解析する力を養い、来たる受験学年へ向けて十分な準備をしましょう。

2023年 1月 15日 ★☆★【化学基礎】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】


【全体概観】

設問数、マーク数は共に増加した。実験操作の読み取りの問題が出題された。

大問数は2題で変化がなかったが、設問数が13から14に増加。マーク数は15から20に増加した。化学基礎の教科書の内容が偏りなく出題された。第2問では「塩化物イオンの濃度測定実験」を題材とし、リード文を読んで設問に答える考察問題が出題された。化学反応式の係数を解答する問いもあり、マーク数が増加している。


【設問別分析】

 

第1問
問1 ナトリウム原子に含まれる中性子の数を求める問題であった。元素記号にナトリウムの原子番号が表記されていたため、すぐに解答できる。

問2 分子の極性に関する問題であった。エタノール分子の形は覚えていなかった受験者もいたと思われるが、正解は無理なく選べたのではないだろうか。

問3 ハロゲンに関する正誤問題であり、共通テスト化学基礎としては珍しく、正しい記述を選ぶ形式であった。原子の構造および電子配置、化学結合、酸化還元といった多岐にわたる分野の知識が必要であった。

問4 加熱による物質の温度変化のグラフに関する正誤問題であった。物質の三態とその状態変化について正しく理解できていれば、無理なく解答できる。

問5 二酸化炭素とメタンに関する正誤問題であった。常温・常圧における気体の密度の考え方は、盲点になっていた受験者も多かったのではないだろうか。

問6 ヘリウムと窒素からなる混合気体に関する問題であった。化学基礎の受験者にとって混合気体は扱いなれておらず、難しく感じた受験者も多かったのではないだろうか。混合気体の平均分子量の求め方が分かればすぐに解答できる。

問7 アルミニウムに関する正誤問題であった。どれも基本的な知識を基に判断できるものであり、難しくない。

問8 金属の酸化還元反応に関する問題であった。金属のイオン化傾向の大小関係を覚えていれば、無理なく解答できる。

問9 中和反応の量的関係に関する問題であった。操作の過程で加えた「水30mL」に惑わされずに解答できたかがポイントであった。


第2問
問1 
a 反応式の係数を求める問題であった。左辺と右辺の原子数を合わせればよく、難しくない。
b 多原子イオンに含まれるクロム原子の酸化数を求める問題であった。酸化数の決め方を覚えていれば、難しくない。

問2 滴定に用いる器具を選ぶ問題であった。実験器具に関する基本的な知識があれば解答できる。

問3 実験操作および実験結果に関する正誤問題であった。実験の内容を把握し、仕組みが正しく理解できていないと難しい問題であった。

問4 実験の内容に関するグラフを選ぶ問題であった。反応液中で「どの陽イオンとどの陰イオンが結びつき沈殿を生じるのか」を正しく理解した上で解答する必要がある。

問5 
a しょうゆに含まれる塩化物イオンの濃度を求める問題であった。第1問問9と同様に、操作Ⅱの「水を加えて全量を50mLにした」の部分に惑わされずに解答できたかがポイントであった。
b aで求めた濃度を基に、15mLのしょうゆに含まれるNaClの質量を求める問題であった。基本的な濃度計算に関する問題であり、aが解答できていれば難しくない。


【新高3生へ】

◆はじめに
 いよいよ皆さんにとって大切な一年が幕を開けました。受験勉強に不安を感じている人も多いと思いますが、共通テスト化学基礎では、教科書の内容をきちんと理解することができていれば十分に対応できる問題が出題されており、何か特別な対策をする必要はありません。教科書の内容を理解することを中心に、計画的に学習を進めていきましょう。

◆共通テスト化学基礎で求められる力
 共通テスト化学基礎では、単に知識を問うだけの問題だけでなく、「実験内容を正しく理解した上で解答を導く設問」や「グラフや表などから必要な情報を読み取って解答を導く設問」の出題もみられます。この傾向は今後も続くと思われるので、普段の学習からグラフ・表を読み取って解答を導くような設問に慣れておくようにしましょう。また、やや長めのリード文が与えられ、その文章の内容を基に解答を導く設問も出題されるため、普段から化学基礎の内容に関係のある文章を「読むこと」も意識して学習を進めましょう。

◆1学期のうちに化学基礎を一通り復習しよう!
 2年生のうちに「化学基礎」の学習は一通り終えている人も多いと思います。しかし、教科書のはじめの方の内容は忘れてしまっている部分もあるのではないでしょうか。過去問や模試などの実践的な問題演習を積むことも大切ですが、その一方で、教科書の内容を一通り復習し直すことも重要です。まずは教科書の内容を復習し、基礎的な問題集などを使って演習も行いながら学習を進めて下さい。そして、高3の1学期のうちに教科書の復習を終え、夏からは実践的な問題をどんどん解いていきましょう。

◆模試を活用しよう!
 
東進の「共通テスト本番レベル模試」は、共通テストの問題を分析して出題内容や問題のレベルが本番と同様に作られており、「全国統一高校生テスト」を含めて年間で計6回実施されます。これらの模試を活用することで、問題の傾向を把握し、現状で自分に足りていない部分を知ることができます。上手く活用し、来年の本番に向けて十分な学力を身に付けていきましょう。


【新高2生へ】

◆はじめに
 皆さんの学年からは新課程対応の試験を受けることになるため、不安を抱えている人も多いのではないのでしょうか。しかし、「化学基礎」では、細かな定義や用語の変更は見られるものの、旧課程と比べて特に大きな変化はないためそれほど心配する必要はありません。また、「化学基礎」の教科書の内容はそれほど多いわけではなく、2年生までに一通り学習を終える高校もあると思います。そのため、低学年のうちから受験を意識して計画的に学習を進めていけば、3年生になる前にある程度の学力を身に付けることが可能です。3年生になってからでは、他の教科の学習に追われ、十分に時間がとれないことも考えられるので、2年生のうちに一通りの学習を終えてしまいましょう。

◆共通テスト化学基礎で求められる力
 共通テスト化学基礎では、単に知識を問う問題だけでなく、「実験内容を正しく理解した上で解答を導く設問」や「グラフや表などから必要な情報を読み取って解答を導く設問」も出題されます。このような設問の場合、問題の文章がやや長くなる傾向があるため、普段から化学基礎の内容に関係のある文章を「読むこと」も意識して勉強するようにしましょう。

◆化学物質と物質量に慣れよう!
 化学基礎の学習を進めていく上で、頻繁に出てくる物質の名称や化学式はある程度覚えておく必要があります。さらに、物質を構成する原子や分子の構造などを常に頭の中でイメージすることも大切です。また、化学基礎の内容は一度の学習だけではなかなか習得することはできないため、日頃から基礎的な問題を解くなどして、少しずつ慣れていくことが大切です。特に、化学基礎では物質量(モル)を用いた計算問題が出題されます。決して複雑な問題ではありませんので、まずは物質量(モル)の意味を正しく理解し、易しい問題の練習からはじめて下さい。

◆常に最新の情報に耳を傾けよう!
 東進では、共通テストの問題を徹底的に分析し、皆さんにとって有益な情報を随時発信していきます。年間で計6回行われる「共通テスト本番レベル模試」・「全国統一高校生テスト」を積極的に受験し、万全の態勢で2年後の本番を迎えられるようにしましょう!