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校舎からのお知らせ

2023年 1月 14日 ★☆★【現代社会】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】


【全体概観】

文字数は従来ほど多くなく、会話文も見られるなど、読み易い設問が多い。身近な具体的例示も多く、普段からの問題意識が大切である。

大問5、小問30は昨年と同じ。図表・グラフは昨年昨年より減少した。身近な例示も多く、基本的な問題が多いが、やや深く考えさせる問題も散見される。全体として、基本的知識を確実に身につけ、常識的判断も働かせれば解答できる問題が多かった。会話文やカード形式で、文の中にヒントや思考の方向が示されている場合があり、しっかりとポイントをつかむことも求められている。また、理論的事項はあまり多くはないが、国際経済の取り引きを比較生産費説で解釈する設問も出題された。教科書の理論的内容も含めた事項をしっかり身につけ理解していないと、正答が難しい問題もあった。 また、設問方式が多様であり、慣れておく必要がある。さらに、総合的判断力が必要で、単なる知識のみでは対処できない問いも多い。要求されている解答を早く察知する能力も必要とされるため、時間切れに終わる危険性がある。したがって、類題の演習を多く経験したものが有利な状況となったと言える。


【設問別分析】

【第1問】海外研修
2週間の海外研修という設定で、国際経済を中心として出題された。問1は海外取引を身近な例で理解させる出題であった。問2~4はオーソドックスな4択問題。問5は誘導に乗って思考すれば難しくはない。問6・7も平易な読解問題だが、やや硬く、長い文章を読みこなす必要がある。

【第2問】将来の目標
演劇を見て、将来の目標について考えるという場面設定から、青年期を中心に出題された。問1は青年期についてのオーソドックスな4択問題。問2は知識を必要としない資料読解問題だが、解答は平易。問3は企業に関する穴埋め問題だが、これも難しくない。問4は戦後日本経済の歴史的展開が問われた。問5は今回唯一の思想史問題であった。問6は財政に関するオーソドックスな4択問題である。問7はマズローに関して、単純な知識ではなく本質的理解が問われている。

【第3問】体験講義
大学の経済学部の体験講義という設定から、経済分野を中心に出題された。問1は名目GDPと実質GDPについて問われており、ややひねった問われ方なので、落ち着いて考えないと逆に見えてしまう。問2は込み入った導入だが、問題自体はオーソドックスな4択問題である。問3も国際経済に関する4択問題。問4はサービスの定義と具体例を問う珍しい問題。多くの受験生にとっては予想外の問題だっただろう。問5はプラットフォームという現代的な内容だが、問題自体は市場機構についての理解を問う基本問題である。問6は国家と経済について幅広く問うオーソドックスな4択問題である。

【第4問】裁判の傍聴
裁判の傍聴とその感想文という場面設定から、司法制度を中心に問われた。問1は司法制度についてのオーソドックスな4択問題。問2は刑罰についての理論を資料から判断する問題で、読解がやや難しい。問3は会話文の穴埋めであり、文脈を論理的に追わなければ正解できない問題となっている。問4~6は政治分野についてのオーソドックスな4択問題。問7も会話文の穴埋めで、論理的思考が求められる。

【第5問】子どもの貧困
「子どもの貧困」をテーマとした探究学習という設定から出題された。設問数は3問だが、それぞれの設問の文字数が多く、ボリュームのある出題となっている。問1はメモと二つの資料を読解し、数的処理を行う問題。問2は図を穴埋めする問題であり、難しくはないが、設問文が長文であり、当てはまる取組みをすべて選ぶという9択問題なので、見逃しがないか注意が必要である。問3は会話文の穴埋めであり、経済についての知識も必要とされる。8択問題なので、一つ一つしっかり吟味する必要がある。最後の大問に時間のかかる問題がそろっており、時間切れになった受験生もいただろう。


【新高3生へ】

 主体的に考え、社会参加の意識を持とう
 選挙権年齢が18歳以上になり、国の方向を決める選挙が皆さんにとっても身近なものになっています。一方、年齢構成がますます高齢者中心になっているため、若者の意思が政治に反映されにくくなっています。現代では情報化・グローバル化の進展で、海外のニュースがリアルタイムに飛び込んできます。それを理解するためには、それぞれの社会の政治・経済の制度と、その時代的背景や地理的要件の理解が必要になってきます。したがって、歴史・地理・倫理の総合的理解があって初めて現在の社会事象を把握できると言えます。

時事問題に注意し、問題意識をもつこと
 日常のニュースと教科書との関連性を絶えず注視し、総合的に社会事象を考え、問題意識を持つことが求められます。それには教科を学び・知ることが問題意識の入り口です。また、文章の読解に加えて様々な図表・統計などの現実の資料を手早く把握し、処理する能力を普段から意識的に養成する必要があります。国語力を基礎として、時事問題等に興味を持ち、自己の考えを養うことが肝心です。現代はマスメディアや情報機器などを通じて大量の情報が入手できる時代。これからの社会では、主体的に調べて判断することが求められるため、情報の処理能力が必須でもあります。

新形式の出題形式に慣れる必要がある
 まず、「大学入学共通テスト」になって導入された、新形式の出題形式の設問に慣れることから始めましょう。それには過去問(センター試験も含む)に数多く当たり、様々な設問形式を経験しておくことが必要です。そうすれば、本番でも展開を予測することができ、設問の意図を早く察知できて時間短縮を図ることができます。

長文や諸資料の内容から、設問の要求を読み取る
 教科書の基礎知識を前提に、長文や諸資料の内容を概観し、設問の要求する解答の方向をすばやく予測して、総合的に判断する訓練を普段から身につけるように心がけてください。東進の「共通テスト本番レベル模試」は2か月に一度、共通テスト本番と同じ形式、レベルで実施されます。定期的に受験して、問題形式や時間配分などの実践的訓練を通じて、自分の学習進度を確認しましょう。