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校舎からのお知らせ

2022年 1月 15日 ★☆★【倫理】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

出題形式・分量ともに昨年とほぼ同様。

 

大問は4題、マーク数は33で、昨年と同じであった。設問数は1問増加した。昨年と同じく、2018年の試行調査にみられた「二つ選べ」「過不足なく選べ」といったタイプの設問もなかった。従来のセンター倫理では、各大問の冒頭に1ページ分のリード文があり、その趣旨を読解させる設問があったが、昨年はリード文が大問1題だけに配置され(趣旨読解問題はなし)、今回はついにリード文を配置した大問は一切なくなった。その他、センター試験型の短文正誤問題が昨年よりやや多くなった。出題内容としては、過去に一度だけ出題された明恵の宗派が問われたほか、安部磯雄についての知識の必要な設問が出題された。その他、ゴルギアスやレオポルドといった比較的扱われることの少ない人物も登場した。西洋の現代思想で目新しい人物が問われることはなかった。昨年と同様に易しかったので平均点は高いことが見込まれる。

 

【設問別分析】

【第1問】源流思想

生徒の会話文と資料をもとにした大問。最初の5題は伝統的なセンター試験に近い形式で、残る3題はいずれも知識がなくても読解力で解答できる形式であった。問8でゴルギアスが登場したが、とくにその知識は必要ない。目新しい思想家もなく、受験生は対応しやすかったであろう。

 

【第2問】日本思想

昨年と同様に3パートに分割され、古代・中世、近世、近代について会話文をもとに設問が設けられていた。問3では明恵の宗派についての知識が求められた。過去に一度出題されたことがあるとはいえ、受験生には厳しかったであろう。また問6では安部磯雄の知識が必要とされ、消去法も使い難い設問なので、やや難しい。その他は古代日本人の意識、聖徳太子、本居宣長、安藤昌益、西田幾多郎、親鸞と定番の思想家ばかりなので難しくなかった。

 

【第3問】西洋近現代思想

昨年は冒頭にリード文が配置されていたが、今回は他の大問と同様の会話文をもとにした形式であった。問2と問8は、共通テスト全体で重視されている知識不要の思考力を求める設問であるが、受験生の多くは難なく正答を見つけられるであろう。問7は、デューイについての知識と根気強く文章を読解することが求められる良問である。時間をかけなければ正答できないであろう。

 

【第4問】青年期・現代社会分野

問4では環境倫理でレオポルドの名前が問われた。かなり細かい人名なので受験生の多くは知らないと思われるが、すでに何度も出題されているメルロ=ポンティさえ判断できれば、選択肢の組合せから消去法的に解答できるだろう。その他、目新しい思想家の知識を問う設問はなかったが、問8でコールバーグの理論をもとにした思考力問題は判断に時間がかかる。なおコールバーグについては2018年の共通テスト試行調査で似た趣旨の設問が出題されているので、これを学習している受験生は解きやすかったであろう。

 

【新高3生へ】

◆倫理を甘く見ないこと

倫理に限らず、公民科目の選択者には、世界史や日本史は負担が大きいからという消極的理由で科目選択する者が少なくありません。たしかに教科書の厚さからもわかるとおり、世界史B・日本史Bと比べれば、押さえるべき事項は少ないです。しかし倫理で学ぶ内容は、普段はあまり考えることもない思想や哲学が中心となっています。きわめて難解な現代思想分野からの出題もあります。それに、学習期間の短い人が多いという現実もあります。きちんと学習すれば確実に点をとることができますが、安易な気持ちで選択し、まじめに取り組まないのであれば、到底高得点は望めないでしょう。

 

◆倫理で必要なのは深い内容理解

倫理はけっして暗記科目ではありません。過去問を眺めてもらえればすぐにわかるはずですが、そこでは人名とキーワードの結びつきなどの断片的な知識だけで解ける単純な設問は少ししかありません。それぞれの思想家がどんな問題意識でどんな課題に取り組み、どんな分析や方向性を提案したのかが深く問われているのです。思想家の名前を暗記できないなどとこぼしているようでは、倫理攻略の入り口にも立っていないと言わざるを得ません。まずは学校の教科書を腰をすえてじっくり読みましょう。それから用語集をこまめに引きながら、一つ一つの概念について深く理解してください。

 

◆問題演習で実戦を重ねる

自分ではいちおう理解したつもりなのに、いざ問題を解く段階になると、選択肢の正誤がうまく判定できないという受験生の声を毎年聞きます。そうした受験生は過去問演習が不足しているはずです。倫理では、思想の理解においてありがちな誤解をしていないかという点を確認する形の誤文が多いです。したがって、そうした「誤解」をつぶすために、実際の過去問にあたって、誤文の誤文たるゆえんをひとつひとつ理解していく作業が大切になります。過去問の少ない共通テスト対策として、年間6回実施される「東進の共通テスト本番レベル模試」は、年間を通して共通テストと同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。

 

【新高2生へ】

◆思考力重視の共通テスト倫理

共通テスト倫理の問題は決して易しくありません。思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会の知識が問われる問題、文章や図表の読解問題と、出題形式もバラエティに富んでいます。難解な現代思想分野からも多く出題されますので、単なる暗記科目のつもりでいると、高得点は望めません。ただし、重箱の隅をつつくような悪問が出題されることはありませんから、基本事項をきちんと理解していれば確実に得点を重ねることができるでしょう。共通テストになって以降、センター試験のときから出題形式に変化はありましたが、思想の本質理解および思考力重視という基本は変わっていません。2年生のうちから教科書をじっくりと読んで、思想の大きな流れをつかんでおきましょう。

 

◆倫理は私たちの生き方や社会について考える科目です

倫理という科目は、古今東西の哲学や宗教などの様々な思想を扱うほか、青年期の問題や心理学、現代社会の課題と特質といった広範な主題について学ぶ科目です。これらに共通するのは、私たちの生きている社会がどのようなものなのか、そして私たちはどのように生きるべきなのかという大きなテーマです。したがって、倫理という科目は受験科目であると同時に、大人になる前に誰もが深く考えておくべきテーマについて検討する機会を与えてくれる科目でもあります。

2年生のうちには、倫理をあまり受験科目として意識する必要はないでしょう。自分でいろいろと考える習慣を身につけることが大切な時期です。したがって、いきなり参考書や問題集などに取り組むのではなく、鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』(講談社現代新書)・池田晶子『14歳からの哲学』(トランスビュー)といった、若者向けに書かれた本を読むことをお勧めします。そうした本を読んでおけば、思考の「核」のようなものができ、受験勉強にも必ず生きてくることでしょう。

合わせて、東進の共通テスト本番レベル模試は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返しますので、これを定期的に受験することにより、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。

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