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校舎からのお知らせ

2022年 1月 15日 ★☆★【国語】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

昨年から設問数は変化なし、マーク数は2つ減った。 第1問の評論は二つの文章を読ませる複数テクスト型の出題であった。 第2問の小説は問1の語彙の問題がなくなった。問5(ⅰ)は生徒のノートに基づく空欄問題。共通テストの特徴的な問題といえる。 第3問の古文は本文が二つ。歴史物語『増鏡』と日記「とはずがたり」が出題された。歴史物語の出題は2年続けてであった。 第4問の漢文は七言律詩とその序文が出題された。

大問数4題、各大問の配点50点。大問数、設問数は変化なかったがマーク数は2つ減った。

第1問の評論では、「食べる」ことと生命の関係について論じた二種類の文章が【文章I】【文章Ⅱ】というかたちで出題された。問1の漢字問題では、新傾向の出題が見られた。問2、問3は【文章I】からの出題(傍線部問題)、問4、問5は【文章Ⅱ】からの出題(問4が傍線部問題、問5は表現に関する問題)であった。問6は【文章I】と【文章Ⅱ】の関係理解を問う新傾向の問題であった。

 

第2問の小説は、出典は戦後の内向の世代を代表する作家黒井千次の作品。引用箇所の字数は昨年よりやや少ない。設問数・マーク数ともに一つ減り、例年出題されていた語彙の設問が無くなり、その代わり内容に関する読解問題が増えている。問5の(ⅰ)は生徒の調べたノートをもとにした共通テストの特徴的な問題。この設問形式に不慣れな受験生にとっては解答するまでに時間がかかったかもしれない。難易度としては主人公の微妙な心理や言葉の用い方が問われており、やや難化した印象を受ける。

 

第3問の古文は、本文が二つ。二つの文の合計字数は昨年度より250字ほど多い1150字程度。同じ事柄を描く二つの文章の相違点を考えさせる問4は新傾向。マーク数は昨年度と変わらないが、設問数は四つで、問4が小問三つに分かれているのは新形式。本文が二つあることや、問4の教師や生徒の発言に関する問題の出題は、試行調査には見られたが、昨年度は出題がなかったもので、新形式と言える。読解は先に読むことになる『増鏡』のほうがやや難しく感じられるが、注や『とはずがたり』を参考にして読むと理解できるだろう。問1~問3では、基本的な古語や古典文法の知識が解答を導くポイントとなる。

 

第4問の漢文は七言律詩(2020年度センター試験、2021年度共通テスト初年に、ともに古詩が出題されており、詩は三年連続)とその序文との組み合わせの問題であった。語の意味、返り点の付け方と書き下し文の組み合わせなど、例年の定番の出題とともに、今年度も詩の押韻の問題があり、形式名の問題も久々に出題された。設問数としては7になったが、マーク数は昨年と同じ7であった。

 

国語全体としては、やや難化。

【設問別分析】

【第1問】現代文(評論):檜垣立哉『食べることの哲学』(文章内に宮沢賢治「よだかの星」)藤原辰史『食べるとはどういうことか』→やや難化

問1の漢字問題は、昨年と同型式の漢字問題が5題から3題に減り、新たに漢字(「襲」・「与」)の意味の理解を問う問題が2題出題された。問2は【文章Ⅰ】で引用された宮沢賢治「よだかの星」の内容を、筆者がどのように捉えたか、その理解を問う問題であった。問3は、傍線部Bの直前にある指示語(「それ」)を踏まえた上で、【文章Ⅰ】全体の内容理解を問う問題であった。選択肢4がやや紛らわしい。問4は、【文章Ⅱ】の筆者が提示した二つの意見の相似点を問う問題。問5は【文章Ⅱ】の表現に関する問題。選択肢がかなり紛らわしい。問6では、【文章Ⅰ】【文章Ⅱ】を読んだ生徒が作成した、両者の共通点と相違点をまとめた【メモ】が提示され、二箇所の空欄に当てはまるものを選ばせる問題であった。

 

【第2問】現代文(小説):黒井千次「庭の男」(問5に飯田蛇笏、高浜年尾、夏目漱石の俳句)→やや難化

問1は、主人公の心情を問う設問で、二つの視点から二つの解答が用意されている。問2は、比喩表現の内容説明に関する設問で、オーソドックスなもの。問3は、主人公の心情を問う設問で、問題文全体をふまえて答えることが求められる良問である。問4(i)は、話し相手の少年に対する呼称の変化の背景にある主人公の心理を問う設問で、やや難。選択肢3と迷うかもしれない。問4(ii)は、看板の絵に対する表現の変化の背景にある主人公の心理を問う設問で、やや難。選択肢3や選択肢5と迷うかもしれない。問5では【ノート】が提示された。また、初めて俳句が出題された。問5(i)は、設問の趣旨を理解するまでに少し時間を要するが、Xはアとイの二択、Yはウとエの二択なので解答は容易だろう。問5(ii)は、主人公の心情の推移を問う設問で、本文の二重傍線部以降まで踏まえて【ノート】と突き合わせて考える作業がやや難しい。

 

【第3問】『増鏡』『とはずがたり』→昨年並み

問1は本年も解釈の問題。(ア)の「まどろむ」(ウ)の「おほかた」は現代でも使う語。(イ)の「ねぶ」は重要単語。問2の傍線部に関する語句や表現の問題は昨年度の問題や試行調査にもあった問題。本年は文法についても問われた。問3は「院」の言動を問う問題だが、傍線部にある「せちなり・まめだつ」の意味が分かるかがポイント。問4は二つの文章の描き方の相違点を考えさせる新傾向の問題。教師や生徒の発言に関する問題の出題は、試行調査には見られたが、昨年度は出題がなかったもので、新形式と言える。設問が問4までしかなく、小問三つに分かれているのも新形式。(i)から(iii)とも、該当箇所に関わる表現の有無の確認や、解釈の問題となっている。

 

【第4問】漢文:阮元『揅経室集』→昨年並み

複数の素材とはいえ、【詩】とその【序文】との組み合わせ問題であった。詩の出題は2020年度センター試験、2021年度大学入学共通テストの第一日程(いずれも古詩)に続いて3年連続で、問4の詩の押韻がらみの設問も三年連続である。さらに「七言律詩」を判断する形式名も出題された。問1は「復(また)」「審(つまびらか)」「得(う)」の語の意味の問題。問2は返り点の付け方と書き下し文の組み合わせの問題。問3は解釈。問5は「~をいかんせん」の読み方の問題。問7は心情説明の問題であった。

 

【新高3生へ】

みなさんが来年受験する大学入学共通テストでは、複数素材(文章・条文・グラフ・表・図・写真・会話など)の出題が想定されています。複数の素材を読解して設問を解くわけですから、時間制約の厳しい試験になるかもしれません。今年度は、大学入学共通テスト2年目となりました。共通テスト3期生のみなさんが解くのは、今までとは異なる素材が組み合わされた問題の可能性もあります。素材の組み合わせが変われば、印象は違ったものになるかもしれません。試験本番でどのようなタイプの問題にも対応できるよう、できるだけ多くの問題演習に取り組みましょう。ただし手に入る「共通テスト型」の問題は試行調査の問題を含めてもあまり多くないかもしれませんから、東進で2カ月に1度実施される共通テスト型の模試や、市販の共通テスト型問題集などを利用するとよいでしょう。いろいろなパターンに数多く触れることが大切なので、力がついてから模試を受験しようという考えではなく、可能な限り、受験するようにしましょう。

そして、複数素材の問題に慣れることよりも、もっと重要なことがあります。それは、「国語学習の基本は読解力をつけること」であるということです。

どんな出題であっても、「書かれている内容を理解し、設問要求に合致する選択肢を選ぶ」という国語の読解の基本姿勢は変わりません。また、特に古文・漢文においては、身につけなければ読むことすらできない知識(古文単語・文法力、漢文重要漢字・句法力)があります。これらをきちんと身につけ、読解に生かせるようにし、演習を積み重ねていくことが重要となります。

また、みなさんの先輩が受験していた、センター試験の問題は良質なものが多く、最良の演習素材です。基本的な読解力を身につけたら、センター試験の過去問で読解力を鍛えることも良い訓練になるでしょう。現代文2題・古文1題・漢文1題の4題を80分で解く練習に加えて、模擬試験で複数素材の問題への対応力を付けていけば、どんなタイプの出題となったとしても、あわてることはありません。大学入学共通テストまであと1年、次のアドバイスを参考にして、計画的に勉強を進めていきましょう。

 

■現代文

 第1問では「論理的な文章」「実用的な文章」、またはこれらの文章を組み合わせた複数素材で出題される見込みです。抽象度が高く、論理力思考力が問われたセンター試験の過去問も利用しながら読解力・論理的思考力を鍛え、共通テスト型問題の模擬試験を活用して複数素材の問題への対応力を高めましょう。また、漢字・語彙といった知識事項に自信が無い人はこれらを固めることが先決です。漢字力・語彙力は、単に漢字問題や語彙問題で点を取ることにとどまらず、読解力を根本から支えるものになります。早い段階で漢字と語句の問題集を1冊ずつ仕上げ、それを文章読解の中で活用していきましょう。

 また、速く読み解く力を身に付けるためには、設問に先に目を通して問われることを予め理解しておき、本文を読みつつ問題がきたら解くという読解法(「読みつつ解く」)を日頃からトレーニングしておくのも一つの方法です。また、複数素材がある場合、それらをどの程度読み込む必要があるかなど(例えば、長い法律の条文があるが、設問からすると一部のポイントだけを理解すればよいなど)の判断も重要になってきます。そして、本文を読み進めるときはただ目で文字を追うのではなく、キーワードや筆者の主張に線を引く、関連資料のポイントに印をつけておくなど手を動かすことで解答の根拠をすばやく見つけられるように学習を進めていきましょう。

 第2問は、「文学的な文章」からの出題となります。試行調査の第1回では、小説とそれを元にした小説の組み合わせの問題、第2回では、詩とエッセイの組み合わせ問題が出題され、昨年の共通テストでは、小説と、その小説に関する批評文(設問中)を含んだ問題が出題されました。そして今回の共通テストでは小説中の語句を歳時記や関連する俳句などと結び付け、より深い理解へと誘導する問題が出題されました。このように、「文学的な文章」においても複数素材の組み合わせでの出題が想定されますが、文学的な文章でも、本文を「客観的」に読むという読解法は同じです。感情移入をして主観的に読んでしまうと得点は安定しませんから、本文を客観的かつ正確に読み、事実関係と登場人物の心情をとらえ、選択肢を要素ごとに分けて丁寧に吟味する読解法を身につけていきましょう。

 また語句問題は「辞書的な意味」を答える必要があります。日頃から辞書を引く習慣をつけて語彙力を強化するとともに、詩・短歌・俳句の出題に備えて「国語便覧」などを読む習慣をつけましょう。なお、第2問では、文学評論が出題される可能性もあります。その場合は、論理的な文章の読解の仕方をベースに解きましょう。

■古文・漢文

 大学入学共通テストの古文(第3問)・漢文(第4問)の問題は、現代文に比べると旧来のセンター試験との違いは少ないようです。問題演習にセンター試験の過去問を積極的に利用しましょう。古文や漢文は知識・基本事項の比重が大きく、身につけた知識が点数に結び付きやすい科目です。古文であれば、古典文法・古文単語・古典常識・敬語法を、漢文であれば、返り点・重要句法・漢字の用法や読み・重要語など、土台となる知識の完成度が大きなカギを握ります。これらをできるだけ早い時期にマスターすることが大切です。繰り返し確認をしながら、遅くとも夏休みが終わるまでに知識を定着させましょう。知識を身につけた後は、それを駆使してできるだけたくさんの問題を解き、解法の訓練を重ねること、そして、複数素材が問題文や設問文に入ってくる共通テスト型の問題演習を模試などを利用して行うことが必要です。安定した土台の上に、正解を判断するスピードや要領の訓練を重ねることで、常に高得点をとる力を身に付けることができるようになります。

 夏以降は、解法と時間配分の訓練を繰り返して下さい。複数素材を扱った共通テスト対応型の模試は実戦演習に最適です。模試は、学習の進捗度・定着度を測定・認識するという意味で大変重要です。自分の学習進捗度合いが計画通りに進んでいるかを客観的に判断するためにも、「全国統一高校生テスト」を含めて隔月で年6回行われる「共通テスト本番レベル模試」を連続して受験していくことで、着実に実力をのばしていきましょう。

【新高2生へ】

大学入学共通テストの問題を解いてみた感想は、いかがでしたか?「国語はなんとかなる」と思っていた人は、ボリュームの多さに圧倒されたかもしれません。大学入学共通テストは1種類の文章だけではなく、問題文および設問文に含まれる複数の素材(文章や写真・図・表・会話など)を読み解く問題の出題が想定されています。

 ただし、大学入学共通テストのボリュームや難しさ、いままでイメージしていた国語の問題との違いに圧倒されたとしても、問題文を読み、内容を理解して設問に答えることには変わりがありません。どのような問題が出題されてもベースとなるのは国語力(読解力と語彙力)です。読解力の定着にはある程度の時間が必要なので、他教科との学習バランスを考えてベースとなる国語力は高2生のうちに身につけてしまいましょう。

大学入学共通テストで高得点を取ることは志望校合格の必要条件です。次のアドバイスを参考にして、今から学力大幅アップに向けて、計画的に勉強をすすめていきましょう。

■現代文

 現代文で高得点をとるための大前提は、本文の正確な「読み」です。漢字や語句などの知識の習得は、高2の段階での大切な学習の一つです。単に表面的な知識を増やすのではなく、文章を読解していく中で、生きた形で語彙力をつけることを心がけてください。

 次に、速く読む訓練を積んでください。解答時間に余裕のない大学入学共通テストに対応するためには、一定以上の読解速度が必要です。これは一朝一夕には身につきません。早いうちから意識して速読する習慣をつけておいてください。また、「論理的な文章」と「文学的な文章」に得意不得意のある人は、安定した成績を取るためにも、早い時期に苦手な分野を集中して学習し、克服しておくようにしましょう。なお、大学入学共通テストは「実用的な文章」からも出題されますので、国語の勉強だけでなく、新聞やいろいろなジャンルの文章を読むことが結果的に試験対策にもつながります。積極的に読書の習慣を身につけましょう。

 また、模試や過去問などを解いた後は必ず復習する習慣をつけましょう。現代文を解きっぱなしにしていては実力はつきません。間違えた箇所の原因を知り、次に同じミスを繰り返さないようにしていくことで、次第に実力がアップしていきます。

 いずれにせよ、今まで現代文に対して正面から取り組んでいなかった人は、現代文に対する意識を改革してください。大学入試の現代文は、適当な勉強では高得点を取ることができないという事実を知り、きちんと対策を立てていく必要があるという認識を持つこと、そしてそのための基礎力をこの一年間で養成しましょう。

■古文・漢文

 まだまだ十分に時間はあるのですが、新高2生の諸君には、できるだけ早く「受験勉強としての古文・漢文」をスタートしてほしいと思います。学校の授業でやっているからOKではなく、「受験勉強としての古文・漢文」の意識を持つことが大切です。

 古文・漢文は、現代文に比べると、土台となる知識の比重が大きい科目です。

 古文であれば、用言の活用と助動詞・助詞を中心にした解釈のための古典文法、500語ほどの重要な古文単語、古典常識、敬語法などです。漢文であれば、返り点をたどりながら本文を読むスピードと書き下し文にできる訓読の力、使役・受身・反語・疑問・否定といった句法の力、漢字の読みや用法の知識などです。もちろん、これらの知識を蓄えることが最終目標ではなく、知識などを駆使して問題を解く力をつけることが最終的な目標です。知識の土台固めは反復して勉強する時間が必要ですので、早く始めた者が勝ちなのです。特に漢文は、「短期間で高得点が取れるようになる」科目ではありますが、それゆえ後回しにしておいて、結局最後まで点数が伸びないという受験生が少なからずいます。高2のうちに、早めに知識をマスターしてしまうつもりで始めましょう。問題演習はまだ焦る必要はありませんから、とにかくこの1年間は、受験勉強本格的始動のための土台固めと位置づけて下さい。

 大学入学共通テストに対する実戦的な対策としては、6月と10月に実施される「全国統一高校生テスト」があります。これによって、大学入学共通テストではどのような出題がされ、どのような力が求められるのかを実際に知ることができます。自信のある人は「全国統一高校生テスト」に加えて、偶数月に実施される、「共通テスト本番レベル模試」も受験しましょう。真剣に問題に取り組む模試の時間は、学力を伸ばす絶好の機会です。自分の現時点の力を知るためにも、学力を伸ばすためにも模擬試験は毎回欠かさず受験するようにしましょう。

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