校舎からのお知らせ | 東進ハイスクール 柏校 大学受験の予備校・塾|千葉県 - Part 7

校舎からのお知らせ 2023年01月の記事一覧

2023年 1月 14日 ★☆★【政治・経済】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

マーク数は30。図表を使用した問題は11問で、論理的思考力を問う姿勢が顕著。

第1問は知識を問う問題がやや多めの中、資料と知識を組み合わせて時間をかけて解答する問題が含まれていた。第2問は当てはまるものをすべて選ぶ問題の2題がともに解答に時間がかかる形式になっており、足踏みをさせられやすい。第3問は、少年法に関する知識を問う問題が難しいことを除き、知識を素直に問う問題が多い。第4問はそれぞれの問題の文章が長いが、問われていることは基本的である。全体を通して見ると、昨年と同様に問題で問われている内容は基本的ではあるが、単に知識を使うだけでは解答に至るのは難しく、知識と知識を組み合わせて解答したり、論理的に思考したりして粘り強く解答にたどり着くことが強く求められている。なお、センター試験で多く見られた文章型の4択問題が前年は2問であったのに対し、今年は6問になっており、この点では受験生はやや取り組みやすかったと思われる。


【設問別分析】

【第1問】地域の広報誌
 全体的に問題の文章が長く、解答に時間がかかる問題が多い。問2や問3はあまり学習の機会のない国の経済データが含まれているため、悩んだ受験生も少なくないと思われる。「高所得国」や「モノカルチャー経済」などのヒントとなる語句を見逃さないようにしたい。問4は近年世界で急速に進む脱炭素の流れに関する問題で、再生可能エネルギーについて問われた。

【第2問】「政治・経済」の学習
 問3から短時間で解答することが難しい問題が続いている。問3は「財産区」という語句があり、これを気にしすぎると先に進めなくなる。問5は「風に逆らう介入」という言葉に惑わされず、問題文をよく読んで解答したい。問6は選択肢に「国全体」があることで、受験生を困惑させたと思われる。問8は一見文章問題だが、増加率の比較が必要なため、即座には解答しにくい。

【第3問】法学部の模擬授業
 ロシアのウクライナ侵攻に着想を得たのか、全体的に安全保障に関する問題が多い。少年法に関する問6と、共通テストで典型的な長文資料の読み取り問題である問7以外は知識を素直に問う問題が多く、できるだけ素早く解答を終えたい大問である。

【第4問】SDGsの意義と課題
 SDGsや新興国の債務問題(アメリカの利上げにより新興国や発展途上国のドル建て債務の悪化が懸念された)、サプライチェーンなど、2022年の新聞に頻繁に登場した話題が多く見られる大問である。大問全体として長文が多く、しかも正誤の判断ポイントが細かい。また、3か国の債務負担の度合いが高まったかを問う問5や、問題文も選択肢も長文の問6は、解答に時間がかかる問題であった。


【新高3生へ】

「大学入学共通テスト」は、「思考力」や「判断力」を測る「考えさせる問題」が中心です。

その特徴として、第一に、各設問中に長・短の文章を設け、文章内容の把握力・要約力を問う設問や、関連性・因果関係を判断させる設問が見られます。従って、文章を多く読み、その内容をどれだけ早く掴めるかが勝負となります。これは普段から文章を読みこなし、早く内容を理解する国語力を測定しているとも言えます。
第二に、空欄問題において、空欄に当てはめるものが、語句だけでなく文章の場合もあるなど多岐にわたっています。しかも複数の空欄すべてを適切に埋めることで正解になるので、断片的・部分的理解では得点できない仕組みになっています。

以上の特徴を持つ「共通テスト」の対策としては、教科書を読むことに加えて、現在に至る歴史(主に戦後史)的つながりと、グローバル化の結果としての地理的広がりとを理解する必要があります。さらに、それらに加えて人間社会の現象(文化的・宗教的あるいは倫理的な側面)の理解も欠かせません。つまり、現在の社会問題を広い視野で総合的に考える習慣を身につけることが必要です。また、文章を読んでその趣旨を把握する訓練をしなければなりません。難度は高いですが、今このような力が求められているため「共通テスト」が生まれたと言えます。
 そのような力を身につけるためには、まず、類題や演習問題を多数経験するとともに、模擬試験などを受けて、実践力を養うことです。また、新聞などを読むことで時事ニュースにも関心を持ち、そのニュースが教科書のどの分野に関連する事項かを意識をすることも大切です。さらに、多数の資料を駆使した設問が必ず出るので、資料集やネット検索などで資料の見方・利用の仕方に慣れておくとよいでしょう。
 「共通テスト」は、設問が複雑に構成されていて、文章量や資料がたいへん多く、相当に訓練していないと解答に時間がかかる内容になっています。このため、中途半端で断片的な知識では太刀打ちできない恐れがあります。早く準備をスタートし、まずはこの傾向の問題に早く慣れることが大切です。東進の「共通テスト本番レベル模試」は2か月に一度、共通テスト本番と同じ形式、レベルで実施されます。定期的に受験して、自分の学習進度を確認しましょう。


【新高2生へ】

この記事を見ている皆さんは、『公共、政治・経済』を受験することを考えているのでしょう。『公共、政治・経済』は、「公共」と「政治・経済」の内容を出題範囲とします。「公共」は、知識を身に付けるだけではなく身に付けた知識を様々に活用することや、必要な情報を集めて読み取り、まとめ上げる力の養成を目標の一つとしています。皆さんも「公共」の授業で、様々な課題について考えたり、情報を集めて分析したりしたことがあるのではないでしょうか。
2021年に発表された「公共」のサンプル問題を見ると、試作段階であることを強調してはいますが、知識を活用して空欄に当てはまる語句または文章を選択する問題や、グラフから解答に必要な情報を読み取る問題が多くあります。
「政治・経済」は、概念や理論などを理解する力や、適切・効果的に資料をまとめる技能を身に付けることを目標の一つとしています。この科目は「公共」で軽く触れるだけだった概念や理論などをさらに深く学習します。

実際に『公共、政治・経済』がどのような形になるのかは現時点では不明瞭ですが、この2つの科目の特性を考えると、思考力や判断力を測る、考えさせる問題が中心となると思われます。考えさせる問題は構成が複雑なため、設問の意図や全体構成を把握するのに手間取りやすいのです。さらに、文章量も多いため、腰をすえて内容把握をしていかなければなりません。普段から長文を辛抱強く読みこなすことに慣れておきましょう。
それに加えて、普段から、ニュースや新聞などのメディアを通じて社会問題に関心を持つことが重要です。とくに新聞の記事を読みこなすことは「共通テスト」対策としては必須になります。また、用語集などをそばに置いて必要に応じて語句の理解に努めれば、自然に全体像が見えてきます。文章量が多く、変則的な問題構成に慣れるためには、模擬試験にトライしておきましょう。おのずと方策や必要事項が理解できるでしょう。また、早いうちにスタートすれば先が見えて心の安定にもなるでしょう。東進の「共通テスト本番レベル模試」は2か月に一度、共通テスト本番と同じ形式、レベルで実施されます。定期的に受験して、自分の学習進度を確認しましょう。

2023年 1月 14日 ★☆★【倫理】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】


【全体概観】

出題形式・分量ともに昨年とほぼ同様。

大問は4題、マーク数は33で、昨年と同じであった。また昨年と同じく、従来存在した大問冒頭のリード文がなくなり、大問の導入はすべて会話文の形式であった。昨年はセンター試験型の短文4択正誤問題が15題あったが、今回は7題に減った。その他、正誤組合せ問題で8択の形式が復活した(2018年以降は4択または6択)。出題内容では、例年と比べて目新しいものは少なかったが、西田幾多郎の絶対矛盾的自己同一が初めて問われたほか、シェリングの文章が素材として初めて扱われ(知識は不要)、一度だけ問われたことのあるマッキンタイアの名を挙げつつ、その説明がドゥルーズ(初出題)になっている設問が出た。また倫理としては初めてモノカルチャー経済についての知識が問われた。全体に、会話文の読解が例年よりやや難しかった。

 


【設問別分析】

【第1問】源流思想
 生徒の会話文と資料をもとにした大問。これまでの共通テストの形式を踏襲し、出題内容もほぼオーソドックスなものばかりであった。ただ問4では、2017年センター試験を最後になくなっていた8択の正誤組合せ問題が出題された。わずかとはいえ正答率を引き下げる要因にはなるだろう。問われた内容としてもアートマンの正しい理解を必要としており、やや難しい。なお、問5のパウロの資料問題は2021年にほぼ同趣旨の問題があり、過去問を研究していれば容易に対処できた。

【第2問】日本思想
 昨年、一昨年と同様に3パートに分割され、古代・中世、近世、近現代について会話文をもとに設問が設けられた。問2はセンター試験型の単純な4択問題であったが、イザナミとイザナミの国生み、天つ神、「祀るとともに祀られる神」、スサノヲの誓約に関する突っ込んだ内容が問われたので、難しい。また問3は、これまでの共通テストでみられた資料をもとにした空欄補充だが、従来2箇所だった空欄が3箇所になっているので、難しくなっている。西田哲学はそもそも難しいものだが、今回初めて絶対矛盾的自己同一が出題され、受験生は戸惑ったと思われる。

【第3問】西洋近現代思想
 難しい資料読解問題がなく、その他の設問でも比較的平易な標準的な事項が多く問われた。ただ、出題頻度の高まっているレヴィナスについての問6は、選択肢のすべてでキーワード「顔」を用いており、判断の難しい問題となっていた。あとはパスカルについての問5でやや細かい知識が問われたほか、初めてシェリングの文章が素材として扱われた点が注目できるが、問題としては難しくなかった。

【第4問】青年期・現代社会分野
 例年、目新しい事項の出題が目立つ分野だが、今回は比較的保守的な出題であった。問4ではセンの「潜在能力」についての正確な理解が求められたほか、倫理として初めてモノカルチャー経済についての理解が問われたので、正答率は低かったであろう。また問8はマッキンタイアとドゥルーズの二人についての知識がないと正誤判断できない。


【新高3生へ】

公民科目を甘く見ないこと
公民科目の選択者には、社会科の中では世界史や日本史と比べて負担が小さいだろうからという消極的な理由で選択する人が少なくありません。たしかに学ばなければならない情報量だけをみれば、世界史や日本史よりも公民科目のほうが少ないです。とはいえ、世界史や日本史を選択する受験生のほとんどは高校1年生あたりから一通り学んだうえで受験対策をしているのに対し、公民科目の選択者の場合は、受験準備期間がきわめて短く、しかも独学の割合が多いという特徴もあります。つまり習得すべき情報量の少なさというメリットは、学習に当てられる時間の短さというデメリットでかなり相殺されてしまうのです。甘く見ていては痛い目にあうでしょう。

倫理は特殊な科目
他の社会科科目と比べて、また政治・経済や現代社会と比べても、倫理は特殊な科目です。というのも、人名や著作名といった断片的な知識だけで対処できる問題はきわめて少ないからです。そこで主に求められるのは、古今東西の思想家たちが長い時間をかけて取り組んできた思想的課題についての理解です。これは単語を暗記するような学習では、とうてい習得できない事柄です。思想家の名前を暗記できないなどとこぼしているようでは、倫理攻略の入り口にも立っていないと言わざるを得ません。それなりの時間をかけなければ身につくものではありません。まずは腰を据えて教科書をじっくりと読みましょう。それから用語集をこまめに引きながら、一つ一つの概念について深く理解してください。

問題演習が成否を分ける
ひと通りの学習が済んだら、あとは問題演習あるのみです。なかなか点が伸びないと訴える受験生に話を聞くと、ほとんどは圧倒的に問題演習が不足しています。倫理では、思想の理解においてありがちな誤解をしていないかという点を確認する形の誤文が多いです。したがって、そうした「誤解」をつぶすために、実際の過去問にあたって、誤文の誤文たるゆえんをひとつひとつ理解していく作業が大切になります。過去問の少ない共通テスト対策として、年間6回実施される「東進の共通テスト本番レベル模試」は、年間を通して共通テストと同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。

【新高2生へ】

新課程・「公共、倫理」とは
 皆さんは、いよいよ始まる新課程での共通テストを受験する最初の学年ということになります。まったく過去問の存在しない状態での受験に不安感も多いかもしれません。新課程入試の「公共、倫理」は、これまでの「倫理」に加えて「公共」にも取り組まなければなりません。その内容は、教科書および2022年の試作問題から判断するに、おおむねこれまでの「現代社会」と同様のものとなりそうです。出題形式としては、これまでの旧課程「共通テスト」を踏襲するものになるでしょう。大きな方向性としては、知識よりは思考力重視というものになることでしょう。

学習の進め方
 「公共」では、広く社会のあり方について問われることになります。いまの段階では、細かい出題傾向や解法上のテクニックのようなことはあまり意識することなく、テレビの報道番組や新聞などにできるだけ気を配るようにするといいでしょう。ネット上でも政治・経済・社会について様々な情報や意見が飛び交っていますが、匿名掲示板サイトや動画サイトなどでは、事実無根のデマや無責任な放言も多いので、そうしたものに惑わされないようにすることも大切です。あとは学校教科書をよく読み、用語集などで主体的に調べていく姿勢も大切です。政治についても経済についても、正解のない問題について考える姿勢が求められますが、まずは事実をよく確認するという姿勢を何より大事にしたいところです。「倫理」では、古今東西の哲学や宗教などの様々な思想を扱うほか、青年期の問題や心理学、現代社会の課題と特質といった広範な主題について学びます。これらに共通するのは、私たちがどのような時代に生きており、どのように生きるべきなのかという大きなテーマです。したがって、倫理という科目は受験科目であると同時に、大人になる前に誰もが深く考えておくべきテーマについて検討する機会を与えてくれる科目でもあります。いまの段階では、各種の新書などの若者向け哲学入門のような本を読むことをおすすめします。

2023年 1月 14日 ★☆★【現代社会】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】


【全体概観】

文字数は従来ほど多くなく、会話文も見られるなど、読み易い設問が多い。身近な具体的例示も多く、普段からの問題意識が大切である。

大問5、小問30は昨年と同じ。図表・グラフは昨年昨年より減少した。身近な例示も多く、基本的な問題が多いが、やや深く考えさせる問題も散見される。全体として、基本的知識を確実に身につけ、常識的判断も働かせれば解答できる問題が多かった。会話文やカード形式で、文の中にヒントや思考の方向が示されている場合があり、しっかりとポイントをつかむことも求められている。また、理論的事項はあまり多くはないが、国際経済の取り引きを比較生産費説で解釈する設問も出題された。教科書の理論的内容も含めた事項をしっかり身につけ理解していないと、正答が難しい問題もあった。 また、設問方式が多様であり、慣れておく必要がある。さらに、総合的判断力が必要で、単なる知識のみでは対処できない問いも多い。要求されている解答を早く察知する能力も必要とされるため、時間切れに終わる危険性がある。したがって、類題の演習を多く経験したものが有利な状況となったと言える。


【設問別分析】

【第1問】海外研修
2週間の海外研修という設定で、国際経済を中心として出題された。問1は海外取引を身近な例で理解させる出題であった。問2~4はオーソドックスな4択問題。問5は誘導に乗って思考すれば難しくはない。問6・7も平易な読解問題だが、やや硬く、長い文章を読みこなす必要がある。

【第2問】将来の目標
演劇を見て、将来の目標について考えるという場面設定から、青年期を中心に出題された。問1は青年期についてのオーソドックスな4択問題。問2は知識を必要としない資料読解問題だが、解答は平易。問3は企業に関する穴埋め問題だが、これも難しくない。問4は戦後日本経済の歴史的展開が問われた。問5は今回唯一の思想史問題であった。問6は財政に関するオーソドックスな4択問題である。問7はマズローに関して、単純な知識ではなく本質的理解が問われている。

【第3問】体験講義
大学の経済学部の体験講義という設定から、経済分野を中心に出題された。問1は名目GDPと実質GDPについて問われており、ややひねった問われ方なので、落ち着いて考えないと逆に見えてしまう。問2は込み入った導入だが、問題自体はオーソドックスな4択問題である。問3も国際経済に関する4択問題。問4はサービスの定義と具体例を問う珍しい問題。多くの受験生にとっては予想外の問題だっただろう。問5はプラットフォームという現代的な内容だが、問題自体は市場機構についての理解を問う基本問題である。問6は国家と経済について幅広く問うオーソドックスな4択問題である。

【第4問】裁判の傍聴
裁判の傍聴とその感想文という場面設定から、司法制度を中心に問われた。問1は司法制度についてのオーソドックスな4択問題。問2は刑罰についての理論を資料から判断する問題で、読解がやや難しい。問3は会話文の穴埋めであり、文脈を論理的に追わなければ正解できない問題となっている。問4~6は政治分野についてのオーソドックスな4択問題。問7も会話文の穴埋めで、論理的思考が求められる。

【第5問】子どもの貧困
「子どもの貧困」をテーマとした探究学習という設定から出題された。設問数は3問だが、それぞれの設問の文字数が多く、ボリュームのある出題となっている。問1はメモと二つの資料を読解し、数的処理を行う問題。問2は図を穴埋めする問題であり、難しくはないが、設問文が長文であり、当てはまる取組みをすべて選ぶという9択問題なので、見逃しがないか注意が必要である。問3は会話文の穴埋めであり、経済についての知識も必要とされる。8択問題なので、一つ一つしっかり吟味する必要がある。最後の大問に時間のかかる問題がそろっており、時間切れになった受験生もいただろう。


【新高3生へ】

 主体的に考え、社会参加の意識を持とう
 選挙権年齢が18歳以上になり、国の方向を決める選挙が皆さんにとっても身近なものになっています。一方、年齢構成がますます高齢者中心になっているため、若者の意思が政治に反映されにくくなっています。現代では情報化・グローバル化の進展で、海外のニュースがリアルタイムに飛び込んできます。それを理解するためには、それぞれの社会の政治・経済の制度と、その時代的背景や地理的要件の理解が必要になってきます。したがって、歴史・地理・倫理の総合的理解があって初めて現在の社会事象を把握できると言えます。

時事問題に注意し、問題意識をもつこと
 日常のニュースと教科書との関連性を絶えず注視し、総合的に社会事象を考え、問題意識を持つことが求められます。それには教科を学び・知ることが問題意識の入り口です。また、文章の読解に加えて様々な図表・統計などの現実の資料を手早く把握し、処理する能力を普段から意識的に養成する必要があります。国語力を基礎として、時事問題等に興味を持ち、自己の考えを養うことが肝心です。現代はマスメディアや情報機器などを通じて大量の情報が入手できる時代。これからの社会では、主体的に調べて判断することが求められるため、情報の処理能力が必須でもあります。

新形式の出題形式に慣れる必要がある
 まず、「大学入学共通テスト」になって導入された、新形式の出題形式の設問に慣れることから始めましょう。それには過去問(センター試験も含む)に数多く当たり、様々な設問形式を経験しておくことが必要です。そうすれば、本番でも展開を予測することができ、設問の意図を早く察知できて時間短縮を図ることができます。

長文や諸資料の内容から、設問の要求を読み取る
 教科書の基礎知識を前提に、長文や諸資料の内容を概観し、設問の要求する解答の方向をすばやく予測して、総合的に判断する訓練を普段から身につけるように心がけてください。東進の「共通テスト本番レベル模試」は2か月に一度、共通テスト本番と同じ形式、レベルで実施されます。定期的に受験して、問題形式や時間配分などの実践的訓練を通じて、自分の学習進度を確認しましょう。

 

2023年 1月 14日 ★☆★【地理B】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

 

【全体概観】

第4問の地誌で、インド・中国2カ国を広域的に取り上げる問題が復活した。

分量
前年と同じ。大問数は5題である。設問数は30、マーク数は31である。
形式
組合せ式問題のマーク数は18で、前年より1つ減ったが全体の6割を占める。2021・22年度に出題された8択式は出題されなかった。図表選択式問題のマーク数が8と前年より増加したが、うち2つは5地域から2つを選ぶ形式であった。
図版(図、表、写真、資料※)の点数は38で、前年より1つ減ったものの、多用の傾向は続いている。 
※ 図表・写真や短文などを組み合わせた複合的な図版。

構成
各大問の分野構成は過去2年と同様で、第1問は自然環境と自然災害、第2問は産業分野、第3問は都市と人口、第4問は地誌、第5問は地域調査である。

内容
第1問
世界の自然環境や自然災害について出題された。知識で処理できる設問は少なく、高い考察力を必要とする。なかでも、時間的・空間的スケールから現象を判別させる問1は新傾向である。問2・問3・問5なども、初見の受験生を苦しめたであろう。

第2問
資源と産業に関する大問である。問1を除いて、統計データの読み取りが決め手となる設問が並んだ。遺伝子組み換え作物を題材とした問3では、注意深い正誤判定が求められる。

第3問
都市と人口に関する大問である。例年と異なり、日本に限定した出題となった。標準的なレベルの設問が中心であるが、第2問と同様に統計の処理が重要となる。問5では「従属人口指数」の意味を的確に読み取って判断する必要がある。

第4問
地誌の大問では、インドと中国が取り上げられた。比較地誌というよりも、2か国を広域的に扱ったユニークな問題である。問2では、グループ設定基準の意味が分かれば、主要な稲作地域・小麦地域の分布から判断できる。

第5問
利根川下流域を題材とした地域調査の問題である(地理A第5問と共通)。常識的に処理できる問題が多く含まれるが、会話文の分量や資料点数が多いうえ、やや深い考察を必要とする設問も目立つため、落ち着いて対応できたかが分かれ目となった。


【設問別分析】

【第1問】世界の自然環境と自然災害

知識で処理しうる設問は少なく、高い考察力を必要とする。なかでも、時間的・空間的スケールから現象を判別させる問1は新傾向である。問2・問3・問5なども、初見の受験生を苦しめたであろう。

問1 時間スケールだけでも判別可能。モンスーン=季節風だから、数カ月間の事象。
問2 サンゴ礁は、温暖で透明度高い海域。海流は北半球で時計回り、南半球でその逆。
問3 南半球パースは1月が夏、亜寒帯ヤクーツクは年較差大、高山ラパスは常春。
問4 Jは変動帯=プレート境界周辺に、Kはハリケーン来襲する北米南東岸に対応。
問5 沈み込み帯に沿った深震源と、地殻内部の浅震源。Rは2つの沈み込み帯を横断。
問6 短時間に内水氾濫が生じる都市型水害の特徴を想起。人工被覆との関係が重要。


【第2問】資源と産業

問1を除いて、統計データの読み取りが決め手となる設問が並んだ。基本的な知識を十分に活用して考察したい。遺伝子組み換え作物を題材とした問3では、注意深い正誤判定が求められる。

問1 中世に発達した三圃式農業の圃場。短冊状の分割は農民ごとの割り当てを示す。
問2 東アジアの水田耕作は灌漑が前提のうえ、二期作などの集約的農業により単収大。
問3 上位5か国にはインドが含まれる。EU諸国は遺伝子組み換え作物の規制厳格。
問4 生産量ではなく輸出比であることに注意。水牛を含むためインドも牛肉輸出国。
問5 ポルトガルは陸路ではスペインのみ隣接。フランスはエアバス社の航空機輸出国。
問6 大市場の米国、市場の小さいカナダとも森林資源が豊富なためパルプ割合が高い。


【第3問】日本の都市と人口

例年と異なり、日本に限定した出題となった。標準的なレベルの設問が中心であるが、第2問と同様に統計の処理が重要となる。問5では「従属人口指数」の意味を的確に読み取って判断する必要がある。

問1 この期間に東京一極集中が強まる。四国は関西と結合。遠隔の九州は東京へ。
問2 地価はバブル期に急騰、のち暴落。産業空洞化で町工場は海外移転。街は高層化。
問3 駅前中心部Dは空洞化、周囲が農地のEは宅地開発、Fは郊外の幹線道路沿い。
問4 地方圏では人口全体が減少しており、高齢化率が上がっても老年人口は増えない。
問5 従属人口指数が低い=生産年齢人口の割合高い=高度経済成長の条件。
問6 ポーランドのEU加盟は2004年だから、西側諸国への移住はその後。


【第4問】インドと中国

センター試験時代、中国地誌は2017年、2020年(比較地誌の一方)など、インド地誌は2008年、2016年(比較地誌の一方)などで出題されている。本問は、比較地誌というよりも、2か国を広域的に扱ったユニークな問題である。問2では、グループ設定基準の意味が分かれば、主要な稲作地域・小麦地域の分布から判断できる。

問1 やや難。森林割合が決め手になるが、Cだけでなく、4地域とも判定する習慣を。
問2 アは稲作=華南・東北やインド東岸、ウは小麦地帯=華北やパンジャブ地方など。
問3 インド政府による家族計画プログラムは、不妊手術などが国民の反発に合い失敗。
問4 工業化は中国先行、農業割合高いインドではICT関連産業の発達で通信業が成長。
問5 移民=労働力は途上国から先進国へ、オーストラリアの資源は工業国・中国へ。
問6 Sではシベリア内陸から海洋へ吹く季節風の影響。土壌はほとんど移動しない。


【第5問】地域調査(利根川下流域周辺)

地理A第5問と共通の問題だが、過去問と比べると利根川下流域という舞台設定はユニーク。常識的に処理できる問題が多く含まれるが、会話文の分量や資料点数が多いうえ、やや深い考察を必要とする設問も目立つため、落ち着いて対応できたかが分かれ目となった。

問1 Aから下流に辿ると東京湾。取手-佐原間は約40km=40000m、1万分の1は?
問2 Fは交通の便が良く、中心地機能が高いため、建物が密集しているであろう。
問3 aは鉄道敷設後に発達。裁判所・税務署などはbに集中。道路交通は利便性重視。
問4 「利根川の支流への逆流」を防ぐ場所を考える。低平な下流域では決壊が怖い。
問5 近年、中国産などの輸入が急増。天然の鰻には海から遡るための魚道が必要。
問6 常識的に処理しやすいタイプだが、やや悩ましい。目的と手段の関係に留意。


【新高3生へ】

◆共通テスト地理Bの特徴
 2021年から始まった共通テスト地理Bですが、これまで3年間の出題傾向を端的にまとめると、「知識の多少ではなく、分析し、考える力を重視している」ということになります。また、そのためにやや長い問題文を伴う設問や、複雑な組み合わせ式の設問が多くなっています。例えば、ある地点の気候グラフを題材とする場合、従来のような「A地点のグラフはどれか」といった単純な形式ではなく、「A・B2地点のグラフとして、それぞれX・Yが選ばれる理由を述べた文の正しい組合せはどれか」と問われるのです。各地点の気候区分を暗記していても解けません。気候の成り立ちを理解する必要があります。また、込み入った構成の問題内容を短時間で処理する手際の良さも欠かせません。
 なお、共通テストは2025年から新課程テストに移行し、「地理総合、地理探究」および「地理総合、歴史総合、公共(うち2科目選択)」が実施されます。ただし、新高3生が浪人を決断した場合、25年に限り経過措置として「旧地理B」での受験が可能となります。
共通テスト地理Bの出題のポイントは、以下のように考えられます。
① 地理に関わることがらを題材にして、
② ことがらの持つ意味や役割、ことがらどうしの対比・関連づけ、ことがらに潜む問題点などを考えながら見抜く力や、
③ 知識の活用や資料の分析によって、「地理的な見方や考え方」を順序よく働かせる力を試す

実際の出題内容としては、おもに系統地理(自然環境・産業・社会などのテーマ別学習)の各分野がまんべんなく扱われています。また、世界地誌(大陸・国ごとの地域別学習)の大問は5問中1問だけですが、世界の国や地域に関する設問が他の大問中にバランス良く配置されています。いずれも知識(用語や地名)そのものを問うことは少なく、地図や写真、統計など各種資料の読み取りと関連付けた出題が多くなっています。ほとんどの設問に資料が与えられています。

共通テストでは、「情報処理、思考、判断」の能力を試す傾向がはっきりしており、加えて地理的な事象を多面的・多角的に考察した過程や結果を、理由や根拠に基づいてまとめることができる「表現力」も重視されています。記述式設問はありませんが、その代わりにさまざまな「場面設定」※が工夫されており、「実際にその場面にいたら、どう読み取り、どう考察し、どう表現するか」を考えさせようとしています。
したがって、地理的思考力や資料の読み取り技能を重視した問題の割合が多く、その結果、複数の判定を組合せた形式の設問が中心となっているのです。用語や地名を詰め込むだけの学習では対応できません。

※ 場面設定として、以下の例が想定されます。
①  地理的な課題を探究し、その解決や将来を展望する場面
②  資料から事象を読み取り、地域の変容や構造を考察し、地域的特色などを説明する場面
③  新たな課題を設定し,情報の収集,整理・分析を行う場面


◆思考力が大事
 丸暗記に終始するような詰め込み学習では対応できません。「地理は暗記科目」と考えられがちですが、共通テストの地理Bでは思考力がものをいいます。地理的な事象について「なぜそうなるか」を十分に理解した上で、「使える(=応用できる)基本的な知識」をこつこつ積み上げましょう。知識がネットワーク化すれば、1つの理解が2つにも3つにも応用できるようになります。もちろん、知識重視タイプの問題もゼロではありません。自然環境、産業、集落といった系統地理だけでなく、世界地誌の準備も早めにスタートすることで、情報量の面での遅れを招かないようにしたいものです。このような場面では、一問一答形式の問題集なども役に立つでしょう。


◆資料問題に強くなろう
 共通テストにおける地理Bの顕著な特徴は、地図や図表、写真などの資料を使った出題の割合が高いことです。これらを読み取り、利用する技能が求められているのです。自分が知らない地名が出てきた際には、必ず地図帳を開き、その位置を確認する学習を徹底するようにしましょう。教科書や資料集を用いて、主題図(テーマのある地図)や写真などに見慣れておくことも重要です。また、統計についても、順位、数値の暗記ではなく、統計の背後にある地理的要因を読み取る意識で、最新の統計をこまめにチェックするようにしましょう。また、地歴連携の重視から、歴史的背景や経緯を問う出題がみられるようになっています。

◆独特な出題形式に慣れておこう
独特な出題形式への慣れも欠かせません。組合せ式問題などがその典型です。問題の質や量と試験時間(60分)を見比べると、決して時間的な余裕はありません。過去問演習(センター試験も含む)や共通テスト試行問題などの演習はもちろんですが、東進の共通テスト本番レベル模試を定期的に受験して、
(1)頻出項目をマスターし、最新の傾向をつかむ
(2)出題形式に慣れ、時間配分をトレーニングする
(3)解説を利用して、「どうしてそうなるのか」の考え方を鍛える
といった点の強化に利用してください。

【新高2生へ】

◆「地理B」という科目の特徴

 先に新高3生(地理B)へのアドバイスを読んでみてください。なかなか大変なメニューが並んでいますね。
 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。共通テストは、2025年から新課程テストに移行し、「地理総合、地理探究」および「地理総合、歴史総合、公共(うち2科目選択)」が実施されます。すでに大学入試センターから試作問題が公表されていますが、例えば「地理総合、地理探究」については、地理探究と似た現行の「地理B」の内容に、「防災」など地理総合の特徴的単元を組み合わせた構成となっています。よって、上記の試作問題だけでなく、2021〜23年の「地理B」の問題や2020年までのセンター試験の出題も十分に参考になります。過去問等で傾向をつかみ、模試で実力を測って弱点を補強する、受験生としてはそんな真っ当な対策を立てたいですね。
 しかし、過去問の演習にせよ、模試の受験にせよ、ひと通りの学習を済ませて、ある程度の実力をつけてからでなければ意味をなしません。「実力をつけてから」にこだわりすぎても時機を失しますが、準備ゼロでは「敵を知る」ことも「己を知る」ことも叶いません。高3になってから正しい対策を迷うことなく進めるためには、それなりの布石というものが必要です。

◆今のうちにやっておきたいこと
 (1)一通りのことが書かれた本を読んで、地理という科目の「雰囲気」をつかんでおきます。いきなり教科書では難しいでしょうから、『山岡の地理B教室』(東進ブックス)のような入門書を利用してください。中学校で使った「地理的分野」の教科書も良いでしょう。中1当時の皆さんはまだ小学生の延長のようなものでした。だから、いま読むと「ああそういうことか」と納得できることが多いはずです。納得したことは頭に残りやすいのです。
 特に気候環境、人口、都市など、他の項目との関連が深い分野、理屈が重視される分野はていねいに見ておいてください。

 (2)地図帳に慣れておきます。地理における地図帳は、英語における辞書のような存在です。各地方の並び順、地図上のさまざまな約束、索引の使い方、などを体で覚えておきましょう。知らない地名が出てくるたびに地図帳を開く習慣をつけてください。どんどん書き込んだり、付箋をつけたりするのもGOODです。

 (3)できれば、さまざまなメディアも利用しましょう。TVの特集、クイズ番組、ニュースなどや、新聞の国際面の記事、インターネットで得られる情報などです。すべてが直接の試験対策になるわけではありませんが、世界各地に関する見識が広がることで、地誌学習が楽に進められるはずです。
 例えば、代表的な動画投稿サイトで「フィヨルド」と検索してみてください。数多くの映像によって、北欧ノルウェーなどの氷河によって形成された雄大な景観を実感できるはずです。味気ない教科書の本文が立体的に浮かび上がってきます。スマホでタブレットでも、せっかくのICT(情報通信技術)環境を有効に活用してください。

 そして、最も大切なのは「地理は暗記科目ではなく、考える科目である」としっかり理解しておくことです。はじめはピンとこないでしょうが、上のような対策に続けて実際に問題演習を始めると、「考える科目」であることを実感できるはずです。皆さんに期待しています。

2023年 1月 14日 ★☆★【日本史B】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

8択など新傾向の設問がみられ、一方で、昨年度から引き続き史料を引用した設問が目立った

高校生による「探究」を想定した場面が6大問中5大問で設定され、生徒のメモや先生の説明、劇の台本を作成する会話などが素材として出題された。図・地図などの資料は減少したものの、史料を引用した問題が増加した。大問数6問・小問数32問は昨年度と同じで、全体的には、読解を必要としない設問も目立った。また今年度は会話文の形式をとる大問が4問(昨年度は3問)、メモを素材とした問題が2問(昨年度も2問)出題された。

(時代) 
昨年度の共通テスト日本史Bでは原始からの出題は見られなかったが、今年度は縄文時代や弥生時代を対象とした設問がみられた。また戦後については、今年度は1970年代までが対象とされた(昨年度は1980年代までが対象)。

(分野)
政治・社会経済・外交・文化とバランスよく出題されていたが、社会経済からの出題が目立ち、昨年度に比べ、文化史の割合がやや増加した。

(出題形式) 
年代整序の問題が昨年度の共通テスト日本史Bでは6題出題されたのに対し、今年度は第1問から第5問に1題ずつ、計5題出題された。また、昨年度見られた史料を並べ替える問題は出題されなかった。加えて、経済の動きを模式的にあらわした図を用いた問題、組合せを8つの選択肢から選ぶ問題、3人のそれぞれの発言の正誤を判断する問題が出題された。

(史料)
第1問では、仁和寺所蔵、金沢文庫所蔵の「日本図」、『常陸国風土記』、『日本書紀」(天武13年10月)、『続日本紀』(養老2年5月)、「元禄常陸国絵図」、第2問では、暦に関する『朝野群載』、「九条殿遺誡」、第3問では、酒屋の税額を示した山田邦和『京都都市史の研究』の資料、1500年の室町幕府の撰銭令『建武以来追加』、1485年の大内氏の撰銭令『大内氏掟書』、第4問では、1860年刊行の『安政文雅人名録』の一部、漂流した日本船が1751年に中国に漂着した件をまとめた『長崎実録大成』、第5問では、1884年『自由燈』9号掲載の岸田(中島)俊子の文章の一部、第6問では、1896年の長崎商業学校海外修学旅行生の上海体験記(『長商卒業生の生活と意見』)、1938年5月実施の大阪府女子師範学校修学旅行行程表(「子どもたちが見た満州」)、炭鉱就労者の出身地別・勤続年数別の比率の表(『鉱夫待遇事例』より)、山本作兵衛「入坑(母子)」、沖縄国際海洋博覧会に関する複数の新聞記事の見出し、が設問の素材として用いられた。

【設問別分析】

第1問 地図から考える日本の歴史
第1問では、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、空欄補充問題、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。第1問は昨年・一昨年同様、会話文形式での出題だった。特筆点として、史資料が計6点(史料3・資料3)用いられた点があげられ、3つの史料を読み取って正誤を判断する問題は複雑に感じられたのではないかと思われる。

問1 3つの史料の読解が求められた問題。選択肢と史料の該当部分をそれぞれ照らし合わせて解答を導きたい。誤文の選択肢は史料や史料の注釈から誤りと判断できる。注釈など問題文に示された情報は、選択肢の正誤を判断するヒントとされている可能性が高いと考えるべきである。

問2 中世における東アジアの出来事について述べた年代整序問題。IIが13世紀、Iが14世紀、IIIが15世紀、というように、時期が離れていたため、正答を導きやすかった。

問3 古代・中世の境界に対する意識について述べた2文正誤問題。「先生の説明」を熟読する作業さえ怠らなければ、X・Yの正誤は判断しやすかった。

問4 空欄に入る文の組合せを選択する問題。アは、地図の「酒寄村八百八十一石余」から判断できる。イは、「幕府が東蝦夷地を直轄地としたこと」の時期を特定できなくても、「ロシアとの間で国境が定められた」のは日露和親条約の締結(1854)によるものであることを想起すれば、消去法によって正答を選択することができたはずである。

問5 近代日本における測量や海図に関する事例について述べたX・Yの文と、それに該当するa・bの語句を選択する問題。明治時代の日朝関係に関わる情報や、大正時代の大戦景気など、基本的な情報を掌握していれば容易に対応できる問題だった。

問6 大問の全体像を把握できなければ対処しにくい問題。ヒントは会話文・地図や、問3の先生の説明の中にあった。共通テストでは、問題文だけでなく、各小問がヒントになるような形式の問題が出題されると考えておくべきである。


第2問 日本古代の陰陽道
第2問では、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。教科書に軸足を置いた学習によって解答可能な問題が多かったものの、2つの史料などに向き合う必要のある問4や、大問全体の把握を求める問5には、一定の時間を要したと思われる。

問1 陰陽道が成立する以前の、日本列島の信仰のあり方について述べた正誤問題。土偶や卑弥呼など、昨年はみられなかった原始を対象とする設問だった。

問2 陰陽寮に関して述べたX・Yとその説明に該当する語句をそれぞれ選択する問題。「天皇の詔書作成」→中務省、「天皇のそばに仕えて機密文書を扱う役所」→蔵人所など、用語を特定する情報を見逃さなければ、正答を導くのは容易だった。

問3 死後に怨霊となって祟りをなしたと言われている人物に関する年代整序問題。IIが長屋王(8世紀前半)、IIIが早良親王(長岡京造営の際、藤原種継を殺害したと疑われ流刑、8世紀後半)、Iが菅原道真(9世紀)、をそれぞれ対象にしている選択肢だった。

問4 古代社会における暦の影響に関する史料読解問題。史料だけでなく、問題文を熟読する必要があった。

問5 a・bは、文章A・Bや史料1・2を踏まえて判断する必要があった。c・dの判断には、国風文化期の貴族の生活に関する基礎的な情報も必要とされていた。

第3問 中世の京都
第3問では、正誤を組み合わせる問題が3問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。誤文を選択する問題や年代整序問題は、いずれも基本的な知識で対応できる問題だった。特筆点として、経済の動きを模式的にあらわした図を用い、かつ組合せを8つの選択肢から選ぶ問題(問5)が出題されたことがあげられる。

問1 戦国時代の京都における商業の中心地を調べる方法に関して述べた文と、その調査対象に該当する語句の組合せを選択する問題。Xは会話文と図1から解答の手掛かりを探す必要があった。Yは設問文の「戦国時代」の条件設定を見逃さなければ、正答を導くことは容易だった。また、『洛中洛外図屛風』などを確認したことがあれば、有利だったと思われる。

問2 平安京の周辺に作られた寺院に関して述べた年代整序問題。IIは国風文化、Iは院政期の文化、IIIは鎌倉文化に関わる寺院について述べたものであり、判断はしやすかったはずである。

問3 室町幕府と大内氏が出した撰銭令の史料を比較する読み取り問題。史料は現代語訳されているものの、史料の情報と選択肢文をじっくりと比較する必要があった。永楽通宝が標準貨幣とされたこと、最も流通したことなどの先入観にしたがって選択肢を判断しようとすると、正答を判断するのが困難になったと思われる。

問4 中世の芸術や文化に関する問題。『瓢鮎図』は「大和絵」ではなく、水墨画である。『瓢鮎図』は、多くの教科書に掲載されており、教科書のキャプションまで確認しておくことが大切である。

問5 選択肢が8つ用意された、新傾向の問題。一見しただけでは複雑そうにみえるが、問われている知識は基本的なものだった。試行調査にも、図と矢印を用いた設問が含まれており、中世の流通経済は従来のセンター日本史Bでも頻出だったため、準備を怠っていなければ、取り組みやすかったと思われる。


第4問 江戸時代における人々の結びつき
正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。大問の全体像を把握したうえで最も適当なものを選ぶことが求められる問題(問5)が出題されていたものの、多くの問題は教科書を中心とした学習で対応可能と思われるものであり、史料の読み取りが求められた問題も、かつてのセンター試験に近い形式の問題だった。

問1 会話文中の2つの空欄に入る文を選択する問題。選択肢の内容や、選択肢に該当する時期を意識すれば、正答を導くのは容易だった。

問2 江戸時代の商人や職人の仲間・組合やそれに関わる政策に関して述べた年代整序問題。Iの糸割符制度は17世紀前半(1604)、IIの十組問屋の結成は17世紀後半(1694、徳川綱吉の治世)、IIIの株仲間の積極公認や幕府専売制は18世紀後半(田沼時代)、と判断できれば正答を導けた。ただし、IIの判断にやや迷ったかもしれない。

問3 史料1とその解説を読んで判断する2文正誤問題。Xは史料1の「津山藩」(美作国、現在の岡山県)、「備前藩」(備前国、現在の岡山県)などを手掛かりにすれば判断でき、Yは史料1の「蘭学」に注目できれば判断することが可能だった。

問4 a・bは、史料を丁寧に検討すれば、正答を導くことができる、読解力・分析力が求められていた。dは、設問文の、「1751年」、という情報を見逃さず、貿易を制限する海舶互市新例(1715)を想起できるかがポイント。

問5 江戸時代における人々の結びつきに関する4つの文から正文を選択する問題。誤文である選択肢1は会話文を、選択肢3は問3をヒントにするべきだった。選択肢4は、江戸時代後期の関東の農村の状況や寄場組合(改革組合村)に関する基本的な知識があれば、判断できたと思われる。


第5問 幕末から明治にかけての日本
小問数は4問で、内訳は正誤を組み合わせる設問、4つの文から正文を1つ選ぶ設問、2つの文の正誤を判断する設問、年代整序問題がそれぞれ1問ずつ出題された。特筆点としては、発言の正誤を判断する設問(問4)が出題されたことがあげられるが、全体的には昨年度に比べてシンプルな設問が多く、解答を出すのに多くの時間を必要としなかったのではないかと思われる。

問1 牧野りんの生没年の間に起きた出来事に関して述べた文と単語の組合せ問題。牧野りんの生没年はメモに記されていたが、選択肢だけでも基本知識で十分に対処できる問題だった。

問2 幕末から明治期にかけての服装や身なりに関わる出来事に関して述べた年代整序問題。IIIは幕末期、Iは1870年代、IIは1880年代、とおおよその時期を特定できれば正答を導けた。

問3 史料の読解問題。Xは、史料文も短く、日本史に関する知識が十分でなかったとしても、史料を丁寧に読み取ることによって判別できたと思われる。明治時代の教育史に関する設問は、2021年度・共通テスト本試・第1日程の第5問・問3でも出題されていたため、設問文の、「史料は、岸田が1884年に発表した」という情報を見逃さなければ、国定教科書制度は1903年以降の制度であるため、容易に判断できたはずである。

問4 波線部についての正誤判定問題。2021年度・共通テスト本試・第2日程の第2問・問3に近い形式で、基本的な年代を把握しておくことが前提とされていた。


第6問 旅
小問数7問のうち、正誤を組合せる問題が2問、4つの文から正文を選ぶ問題が2問、2つの文の正誤を判断する問題が2問、空欄補充問題が1問出題された。史資料を用いて読解が求められる問題が複数出題されており、解答を選択するまでにある程度の時間が必要だったと思われる。

問1 空欄に入る文や語句の組合せを選択する問題。学制(1872)と教育令(1879)の内容を把握していないと解答を導き出せなかった。

問2 史料の内容に関して述べたX・Yの2文正誤問題。Xでは知識が、Yでは読解が求められた。Yの正誤を判断する際には、提示された資料から下線部bが1896年(日清戦争後)であることを確認する必要があった。

問3 表を利用した読み取りを含む問題。「釜山・京城」→朝鮮、「奉天・撫順」→満州、など地名がどこの国(地域)を指しているか判断する必要があった。選択肢2は表の「17~18日」の「奉天・撫順」の部分だけを見ても判断がつかないが、「22日」の訪問地に「奉天」とあるため、こちらも「17~18日」と同地域を指していることが分かれば判断できた。

問4 表と史料の読解問題。史料文も短く、表と史料を丁寧に読み取ることによって、正答を導くことができる設問だった。

問5 4つの文から正文を選ぶ問題。メモ中にある「1912年」を見逃さないことが重要。「地方改良運動」「ファシズム」「産業革命」「民族自決原則に基づく独立運動」の時期や、各用語に関する情報を習得しておく必要があった。

問6 提示された見出し一覧の情報だけでなく、沖縄返還の時期を特定しておく必要があった。この形式の設問は、a・b(もしくはc・d)のいずれかが正文または誤文であるため、2つの文を比較して判断すればよい。

問7 第二次世界大戦後の日本とアジアの関係に関するX・Yの2文の正誤を判定する問題。Xでは「北大西洋条約機構(NATO)」、Yでは「アジア・アフリカ会議」に直接的・間接的に関わる情報の理解が不可欠であり、受験生には盲点だったかもしれないが、来年度からの歴史総合を意識した設問とも考えられる。なお、アジア・アフリカ会議については、2013年度のセンター本試・日本史Bでも出題されていた。

【新高3生へ】

日本史の実力そのものを向上させ、読解力を養おう!
共通テストは、事件や政策などを多面的・多角的に考察する過程が特に重視され、歴史的事象の意味や意義、特色や相互の関連など、総合的に考察する力が求められる傾向にあるといえます。具体的には、教科書で扱われていない初見の資料を使って、そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連づけて判断することを求める問題、仮説に対する根拠として適当なものを選択させる問題、歴史の展開を考察させる問題、特定のテーマを考察させる問題などが増加していくと考えられます。従来のセンター試験日本史Bより、思考力・判断力が求められるため、史資料読解型の問題に対する演習量を増やしておく必要があるでしょう。ただし、読解力が求められるとはいえ、日本史の問題であるため、日本史の実力がともなっていなければ、史資料を読みとることが困難となります。そのため、日本史の実力そのものを高める努力を怠らないようにする必要があります。また、共通テスト日本史Bの問題構成は、センター試験日本史Bと同じで、第1問はテーマ史、第2問は原始・古代、第3問は中世というように、第2問~第6問は時代ごとに大問が構成されています。そのため、通史学習と問題演習をうまく組み合わせて学習を進めることが可能です。学習の進度にあわせて、第2問、第3問というように、演習に取り組んでみましょう。とはいえ、共通テストは導入されて3年目であるため、過去問も多くは存在せず、試行調査をあわせても演習に適した問題は不足してしまうでしょう。そこで、東進ブックス共通テスト実戦問題集日本史をお勧めします。この問題集は、すべてがオリジナル問題で、2021~2023年度で実施された共通テストよりもやや複雑な、試行調査型の問題もあえて含める形にしています。さまざまな形式の良問に取り組めば、通史の学習の際にどのようなことを意識したらよいかが見えてくるはずです。日常の学習においては、教科書に掲載されているグラフ・表・絵画などを「ただ眺める」のではなく、「そこからどのような情報を導けるのか」を考察する習慣をつけるとよいでしょう。

「考えながら」覚える習慣をつけよう!
教科の性質上、日本史に暗記的要素が強いことは間違いありません。とはいえ、単純な暗記だけでは、知識は定着しづらく、入試問題への対応も危うくなります。日本史の学習において、最良のバイブルは教科書です。そのことを認識していても、教科書を精読する習慣を身につけている受験生はそれほど多くはありません。単純な作業のように思えてしまい、教科書を精読することが継続できないとすれば、それは、「考える」ことをしていないからだといってよいでしょう。共通テスト日本史Bでは、限られた時間内で正確に解答する力が求められます。そのためにも、「考える」日本史学習を習慣にしていきましょう。文化史(仏像彫刻)を例にとれば、仏像彫刻を把握していく際に、(1)ほかの時代で扱う仏像彫刻と比較する、(2)写真で確認してその特徴を考える、(3)当時の仏教はどのような性格をもっていたのかを把握する、(4)政治・外交・社会など他の分野との関連性を確かめる、など複数の視点で歴史を捉えることを意識して、読み方を変えてみましょう。そうして考えてみたことを自分でノートにまとめれば、立派なサブノートができあがっていきます。

模試を有効に活用しよう!
学習の習慣をつけるのは、容易ではありません。そこで勧めたいのが模試の受験です。東進の「共通テスト本番レベル模試」は、「全国統一高校生テスト」も含めると年間全6回実施されます。試行調査、今までに実施された共通テスト日本史Bや日本史Aのほか、共通テストに類似したセンター試験日本史Bの過去問も参考にしながら、多くの出題スタッフによって作成された東進の共通テスト本番レベル模試は、本番の共通テストで高得点を得るための不可欠なツールといってよいです。なお、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」も、それぞれ全5回、実施されます。新高3生を対象とした、直近の東進模試としては、第1回共通テスト本番レベル模試(2023年2月19日実施)や、記述式の高2レベル記述模試(2023年3月12日実施)などがあげられます。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されています。学習のペースメーカーとするためにも、これらを受験しましょう。

 

【新高2生へ】

歴史に興味をもとう!
2023年1月、3回目の大学入学共通テストが実施されました。他の教科と同様に、日本史でも、「考える」学習の重要性が高まっています。新学習指導要領で新設された教科「歴史総合」でも、考えさせる「問い」が数多く設定されています。その背景にあるのは、現在・未来を考える上で「過去」を考え、認識することが不可欠である、という点です。コロナ禍のなかで、人類が直面した過去の感染症に注目が集まっています。また、近年では、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、中国、韓国、北朝鮮などの近隣諸国と日本との緊張がニュースになることも少なくありません。こうしたニュースを見聞きする際に、「どのような歴史的背景から、緊張が生じているのか」といった問題意識をもてば、歴史を学ぶことの意味や重要性を認識できるのではないでしょうか。「歴史なんて学ぶ意味がない」「過去のことを考えるのは面倒」などと否定的にとらえてしまえば、歴史総合や日本史探究は、当然つまらない教科になってしまいますし、得点も伸びていきません。大学入学共通テストでは、史料文、表・グラフ、写真・図などの資料を分析させたり、これらの理解を求めたりする出題が増加すると考えられます。まずは歴史に興味をもち、考察する姿勢を養いましょう。とはいえ、歴史に関心をもっていたとしても、みなさんは新課程入試の1年目にあたる受験生であり、「歴史総合+日本史探究」という、過去に出題例のないテストに取り組むことになるため、不安を払拭できないのではないでしょうか。そこで、次に具体的な学習法について触れておくことにします。

教科書を重視しよう!
まずは教科書を軸に学習を進めましょう。本文の精読が不可欠なのはもちろんですが、史料文や図、グラフなども重視して下さい。ただし、眺めるだけでは実力はつきません。そうした資料から何が導けるかなどについて、考察するようにしましょう。これまでのセンター試験に比べ、共通テストの出題形式は複雑になりました。限られた時間内で正確に解答する力が必要です。その力を養うためには、日常から多くの素材に触れておくことが不可欠です。歴史上の出来事は評価の難しいものが少なくありませんが、教科書には、日本の歴史が簡潔かつ客観的に記述されています。国際化が顕著となっている今日において、主観を排除した日本史の把握は、受験のためだけではなく、みなさんが社会人となったとき、ビジネスの場面で大きな役割を果たすことになるはずです。ただ、どうしても教科書を精読する習慣がつかない方もいるでしょう。その場合は、一度に多くのページを読もうとするのではなく、「今日は奈良時代の政治を把握する」、「明日は飛鳥文化を理解する」など、自らテーマを設定して読む部分を絞って精読し、教科書を閉じたあと、そこには何が書いてあったのかをノートにメモするようにしてみてください。こうした習慣は、やがて大きな力になっていきます。ただし、みなさんにとって悩ましいのは、歴史総合と日本史探究というように、対象となる教科書が2冊になっている点ではないでしょうか。特に、歴史総合の教科書にどう取り組むべきか、疑問を抱いている方が少なくないのではないかと思われます。世界の歴史を把握しつつ、日本の歴史を理解しようとすることには重大な意味があります。一方で、日本史探究の情報だけでもかなりの量があるため、歴史総合の教科書まで詳細に把握することは、困難とも考えられます。そこで、歴史総合の教科書は、中学歴史で学んだ情報の上に構成されているという点をふまえ、世界史的性格をもつ情報については、中学歴史でふれたことのある知識を中心に、理解を深めるといった姿勢で取り組むとよいでしょう。未実施の試験であるため、断定的なことはいえないものの、2022年11月に発表された歴史総合+日本史探究の試作問題では、世界史的な情報については、中学歴史のレベルで対処できるものがほとんどでした。早い時期から基本的な知識を正確に身に着けるようにし、本番で十分に得点できるように準備していきましょう。

模試を有効に活用しよう!
2021~2023年に実施された大学入学共通テスト日本史Bは、過去問がほとんど存在しない試験です。また、みなさんが受験する共通テスト歴史総合+日本史探究は、過去問が全く存在しません。しかし、東進の共通テスト本番レベル模試は、2022年11月に発表された歴史総合+日本史探究の試作問題などをふまえ、出題される問題を想定しながら作成されているため、早い段階から受験しておけば、そうした不安を払拭できるはずです。また、高得点をめざすのであれば、多様な出題形式に慣れておくために、共通テスト本番レベル模試だけでなく、さらにさまざまな模試の受験を検討しましょう。与えられた資料を分析して論述する問題を含む早慶上理・難関国公立大模試、基本的な日本史の知識を確認できる全国有名国公私大模試などの受験は、共通テストを含め、日本史の得点力を確実に高める役割を果たすでしょう。東進では、「共通テスト本番レベル模試」と「全国統一高校生テスト」をあわせると全6回、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」はそれぞれ全5回実施されます。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されており、近年出題が増加している、読解タイプの問題が数多く含まれています。また、「解答解説」では、初学者でも理解しやすいように、(1)図や表を用いる、(2)ルビを多くふる、(3)理解を深めてもらうための【参考】や【整理】を設ける、といった工夫が施されています。受験会場の雰囲気にふれたり、成績がどのような状態にあるのかを把握したりすることは、モチベーションの向上につながります。学習のペースメーカーとするためにも、東進の模試を受験しましょう。