校舎からのお知らせ
2022年 1月 15日 ★☆★【政治・経済】大学入学共通テスト 解答速報
【解答速報】

【全体概観】
マーク数は30。図表を使用した問題は11問で、論理的思考力を問う姿勢が顕著。

第1問は資料文や会話文から解答を読み取る問題もあるが、知識を問う問題がやや多めであった。第2問は問題文と図を十分に理解していないと答えられない問題が多く、解答に時間がかかる大問になっている。第3問は、政治分野の問題は難しくないが、経済分野(国際経済分野を含む)について深い理解を求める問題が多い。第4問は資料の読み取りが主だが、複数の資料を示すなど即答ができない仕組みになっている。全体を通して見ると、昨年と同様に問題のテーマは基本的ではあるが、単に知識を使うだけでは解答に至るのは難しく、知識と知識を組み合わせて解答したり、論理的に思考したりして粘り強く解答にたどり着くことが強く求められている。
【設問別分析】
【第1問】まちづくり
全体的に問題文や資料文の文章が長く、解くのに時間がかかる問題が多い。問1は一見難解な文章が並んでいるが、「結合」と「分離」の使われ方を読み取れば解くことができる。問4や問6を解くには、空欄の前後または資料文をしっかり読み取って考える必要がある。問5は空欄の多さに惑わされがちであるが、単に食料・農業・農村基本法の内容を答えるだけである。
【第2問】経済主体
巣ごもり需要や災害時の供給曲線のような、時事的要素を取り入れた大問である。問2は外部不経済への対策を問う問題で、しかも会話文の内容を踏まえて考えなければならず、難しい。問3は機会費用の問題で、教科書の経済分野の最初で述べられていることが多いが、理解しにくい概念なので苦戦した受験生が多かったと思われる。問5のバランスシートに関する問題は2年連続の出題であった。
【第3問】新聞の1面
ほぼすべての問題が思考力を必要としており、短時間で解答することが困難である。問1の模式図は教科書に載っているものであるが、フローとストックの概念を正確に理解していないと解くことができない。問5は数値を用いた問題で、逆進性の意味を理解したうえで取り組む問題形式になっている。問7はアジア通貨危機に関する問題であった。通貨危機前後のタイの経済情勢を資料文から考えさせる形のもので、為替レートや国際収支についての深い理解が解答の前提になっている。
【第4問】地方自治
地方自治に関する知識を問うものや図表の読み取りなど、基本的な問題が多い。ただし、問3から問5は、会話文に適合する資料を探させたり、計算を求めたりと、一筋縄ではいかない仕組みがとられている。(第1問から順に説いている場合)残り時間の少ない中で落ち着いて解けるかどうかが問われている。
【新高2・新高3生へ】
「大学入学共通テスト」は、「思考力」や「判断力」を測る「考えさせる問題」が中心であり、設問形式や構成、資料の使われ方などもセンター試験とは大きく変わりました。
その特徴として、第一に、各設問中に長・短の文章を設け、文章内容の把握力・要約力を問う設問や、関連性・因果関係を判断させる設問が見られます。従って、文章を多く読み内容を早く掴めるかが勝負となります。これは普段から文章を読みこなし、早く内容を理解する国語力を測定しているともいえます。
第二に、空欄問題において、空欄に当てはめるものが、語句だけでなく文章など多岐にわたっています。しかも複数の空欄すべてを適切に埋めることで正解になるので、断片的・部分的理解では得点できない仕組みになっています。
以上の特徴を持つ「共通テスト」の対策としては、教科書を読むことに加えて、現在に至る歴史(主に戦後史)的つながりと、グローバル化の結果としての地理的広がりとを理解する必要があります。さらに、それらに加えて人間社会の現象(文化的・宗教的あるいは倫理的な側面)の理解も欠かせません。つまり、現在の社会問題を広い視野で総合的に考える習慣を身につけることが必要です。また、文章を読んでその趣旨を把握する訓練をしなければなりません。難度は高いですが、今このような力が求められているため「共通テスト」が生まれたと言えます。
そのような力を身につけるためには、まず、類題や演習問題を多数経験するとともに、模擬試験などを受け実践力を養うことです。また、新聞を読み時事ニュースにも関心を持ち、そのニュースが教科書のどの分野に関連する事項かも意識をすることも大事です。さらに、多数の資料を駆使した設問が必ず出るので、資料集やネット検索などで資料の見方・利用の仕方に慣れておくとよいでしょう。
「共通テスト」は、設問が複雑に構成されていて、文章量や資料がたいへん多く、相当に訓練していないと解答に時間がかかる内容になっています。このため、中途半端で断片的な知識では太刀打ちできない恐れがあります。早く準備をスタートし、まずはこの傾向の問題に早く慣れることが大切です。東進の「共通テスト本番レベル模試」は2か月に一度、共通テスト本番と同じ形式、レベルで実施されます。定期的に受験して、自分の学習進度を確認しましょう。
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2022年 1月 15日 ★☆★【倫理】大学入学共通テスト 解答速報
【解答速報】

【全体概観】
出題形式・分量ともに昨年とほぼ同様。

大問は4題、マーク数は33で、昨年と同じであった。設問数は1問増加した。昨年と同じく、2018年の試行調査にみられた「二つ選べ」「過不足なく選べ」といったタイプの設問もなかった。従来のセンター倫理では、各大問の冒頭に1ページ分のリード文があり、その趣旨を読解させる設問があったが、昨年はリード文が大問1題だけに配置され(趣旨読解問題はなし)、今回はついにリード文を配置した大問は一切なくなった。その他、センター試験型の短文正誤問題が昨年よりやや多くなった。出題内容としては、過去に一度だけ出題された明恵の宗派が問われたほか、安部磯雄についての知識の必要な設問が出題された。その他、ゴルギアスやレオポルドといった比較的扱われることの少ない人物も登場した。西洋の現代思想で目新しい人物が問われることはなかった。昨年と同様に易しかったので平均点は高いことが見込まれる。
【設問別分析】
【第1問】源流思想
生徒の会話文と資料をもとにした大問。最初の5題は伝統的なセンター試験に近い形式で、残る3題はいずれも知識がなくても読解力で解答できる形式であった。問8でゴルギアスが登場したが、とくにその知識は必要ない。目新しい思想家もなく、受験生は対応しやすかったであろう。
【第2問】日本思想
昨年と同様に3パートに分割され、古代・中世、近世、近代について会話文をもとに設問が設けられていた。問3では明恵の宗派についての知識が求められた。過去に一度出題されたことがあるとはいえ、受験生には厳しかったであろう。また問6では安部磯雄の知識が必要とされ、消去法も使い難い設問なので、やや難しい。その他は古代日本人の意識、聖徳太子、本居宣長、安藤昌益、西田幾多郎、親鸞と定番の思想家ばかりなので難しくなかった。
【第3問】西洋近現代思想
昨年は冒頭にリード文が配置されていたが、今回は他の大問と同様の会話文をもとにした形式であった。問2と問8は、共通テスト全体で重視されている知識不要の思考力を求める設問であるが、受験生の多くは難なく正答を見つけられるであろう。問7は、デューイについての知識と根気強く文章を読解することが求められる良問である。時間をかけなければ正答できないであろう。
【第4問】青年期・現代社会分野
問4では環境倫理でレオポルドの名前が問われた。かなり細かい人名なので受験生の多くは知らないと思われるが、すでに何度も出題されているメルロ=ポンティさえ判断できれば、選択肢の組合せから消去法的に解答できるだろう。その他、目新しい思想家の知識を問う設問はなかったが、問8でコールバーグの理論をもとにした思考力問題は判断に時間がかかる。なおコールバーグについては2018年の共通テスト試行調査で似た趣旨の設問が出題されているので、これを学習している受験生は解きやすかったであろう。
【新高3生へ】
◆倫理を甘く見ないこと
倫理に限らず、公民科目の選択者には、世界史や日本史は負担が大きいからという消極的理由で科目選択する者が少なくありません。たしかに教科書の厚さからもわかるとおり、世界史B・日本史Bと比べれば、押さえるべき事項は少ないです。しかし倫理で学ぶ内容は、普段はあまり考えることもない思想や哲学が中心となっています。きわめて難解な現代思想分野からの出題もあります。それに、学習期間の短い人が多いという現実もあります。きちんと学習すれば確実に点をとることができますが、安易な気持ちで選択し、まじめに取り組まないのであれば、到底高得点は望めないでしょう。
◆倫理で必要なのは深い内容理解
倫理はけっして暗記科目ではありません。過去問を眺めてもらえればすぐにわかるはずですが、そこでは人名とキーワードの結びつきなどの断片的な知識だけで解ける単純な設問は少ししかありません。それぞれの思想家がどんな問題意識でどんな課題に取り組み、どんな分析や方向性を提案したのかが深く問われているのです。思想家の名前を暗記できないなどとこぼしているようでは、倫理攻略の入り口にも立っていないと言わざるを得ません。まずは学校の教科書を腰をすえてじっくり読みましょう。それから用語集をこまめに引きながら、一つ一つの概念について深く理解してください。
◆問題演習で実戦を重ねる
自分ではいちおう理解したつもりなのに、いざ問題を解く段階になると、選択肢の正誤がうまく判定できないという受験生の声を毎年聞きます。そうした受験生は過去問演習が不足しているはずです。倫理では、思想の理解においてありがちな誤解をしていないかという点を確認する形の誤文が多いです。したがって、そうした「誤解」をつぶすために、実際の過去問にあたって、誤文の誤文たるゆえんをひとつひとつ理解していく作業が大切になります。過去問の少ない共通テスト対策として、年間6回実施される「東進の共通テスト本番レベル模試」は、年間を通して共通テストと同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。
【新高2生へ】
◆思考力重視の共通テスト倫理
共通テスト倫理の問題は決して易しくありません。思想の本質的な理解を問う問題、具体的事例を用いて考えさせる問題、現代社会の知識が問われる問題、文章や図表の読解問題と、出題形式もバラエティに富んでいます。難解な現代思想分野からも多く出題されますので、単なる暗記科目のつもりでいると、高得点は望めません。ただし、重箱の隅をつつくような悪問が出題されることはありませんから、基本事項をきちんと理解していれば確実に得点を重ねることができるでしょう。共通テストになって以降、センター試験のときから出題形式に変化はありましたが、思想の本質理解および思考力重視という基本は変わっていません。2年生のうちから教科書をじっくりと読んで、思想の大きな流れをつかんでおきましょう。
◆倫理は私たちの生き方や社会について考える科目です
倫理という科目は、古今東西の哲学や宗教などの様々な思想を扱うほか、青年期の問題や心理学、現代社会の課題と特質といった広範な主題について学ぶ科目です。これらに共通するのは、私たちの生きている社会がどのようなものなのか、そして私たちはどのように生きるべきなのかという大きなテーマです。したがって、倫理という科目は受験科目であると同時に、大人になる前に誰もが深く考えておくべきテーマについて検討する機会を与えてくれる科目でもあります。
2年生のうちには、倫理をあまり受験科目として意識する必要はないでしょう。自分でいろいろと考える習慣を身につけることが大切な時期です。したがって、いきなり参考書や問題集などに取り組むのではなく、鷲田清一『じぶん・この不思議な存在』(講談社現代新書)・池田晶子『14歳からの哲学』(トランスビュー)といった、若者向けに書かれた本を読むことをお勧めします。そうした本を読んでおけば、思考の「核」のようなものができ、受験勉強にも必ず生きてくることでしょう。
合わせて、東進の共通テスト本番レベル模試は、年間のカリキュラムでセンター試験と同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返しますので、これを定期的に受験することにより、自らの学習到達度を測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。
◆1/15(土)申込開始!【最大4講座】東進柏校の新年度特別招待講習開申込開始!
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2022年 1月 15日 ★☆★【倫理・政治・経済】大学入学共通テスト 解答速報
【解答速報】

【全体概観】
すべて「倫理」、「政治・経済」と共通の問題。設問数、マーク数は1つ減って32に。大問数は前年と同じ。

大問数は昨年同様、7題構成となった。第1~4問が「倫理」の第1~4問からそれぞれ抜粋、第5~7問が「政治・経済」の第1・2・4問からそれぞれ抜粋されている。マーク数は1つ減っているが、昨年同様に会話文や資料文を読ませる設問が多く、解答に時間がかかるため、全体としては時間的に楽になったとは言えない。試行調査でみられた正解の組合せが複数存在する連動型タイプの設問は本年もなかった。リード文が置かれた出題はなく、ほぼすべての大問で会話文ベースで出題が行われた。
第2問や第3問は、与えられた資料文の内容を十分に理解しないと答えられない問題が出るなど、分量の割に解答に時間がかかる大問になっている。一方第6問では、資料やグラフなどが多く出ているが、メモとして解答への誘導があるなど、オーソドックスな知識があれば極端に時間がかからない出題になっている。全体を通して見ると、問題のテーマは基本的なものが多いが、単に知識を使うだけでは解答を出すのは難しい出題だった。知識と知識を組み合わせて解答したり、論理的に思考して粘り強く解答にたどり着くことが強く求められている設問も存在しており、時間内に解答するためには、どちらのタイプの設問かの見極めが重要となっている。
【設問別分析】
【第1問】源流思想
生徒の会話文を基として、資料文や先生との会話からの設問というスタイルであった。内容自体はオーソドックスなもので、小問4問中1問はセンター型の四択問題であった。問3・4は資料読解をベースとした出題だが、一定の知識が要求されるタイプの設問であった。
【第2問】日本思想
3部に分割され、それぞれ生徒および先生の会話、および資料文という形がとられた。オーソドックスな四択問題は2題であった。問4は阿部次郎『三太郎の日記』を資料文に用いた出題が特徴的だが、この設問については求められているのは読解力であり、知識は必要とされない。それ以外の問題は繰り返し問われてきたものばかりである。
【第3問】西洋近現代思想
昨年と異なり、リード文がない形式になっている。会話文などの空欄補充を求める設問が4問中3問であった。絵画も含めた資料文の読解問題が1題置かれていたが、他の設問は倫理分野の知識がないと正答にたどりつきにくい出題であった。
【第4問】青年期・現代社会分野
問4は推理小説作家であり、独自の社会洞察を持つP.D.ジェイムズの作品が資料文として使われており、読解力による対応が必要な斬新な素材であった。他の設問は青年期・現代社会分野の出題として頻出の事項であった。難易度が高い出題ではなかったが、会話文・資料文の量が多かったため、時間が圧迫された受験生が発生した可能性が高い。
【第5問】まちづくり
民泊など時事的な要素をちりばめた会話文を基にしており、年表も出てくるなど文字量の割に読み取りのスピードが求められる出題形式となっている。その中で問3は日本農業に関する知識が要求されるなど、時事的内容よりも基本的事項の理解が問われる内容であった。また問4・5は扱っている事項を知らなくても解答できるが、法律に関する理解を問う内容となっている。
【第6問】経済主体
昨年よりも基本的な知識を問う問題の比率が上がっている。その中で問5はバランスシートに関して出題された。メモによる誘導で知識がなくても落ち着いて思考すれば正解にたどり着ける内容になっており、同様にバランスシートについて出題された昨年よりも易しくなった。写真・イラスト・グラフなどが豊富な大問だが、出題内容としては頻出の事項を押さえておくことで時間をかけずに解答できた。
【第7問】地方自治
地方自治に関する出題を中心とした、基本的な問題である。ただし、問3は「自主財源」「依存財源」「一般財源」「特定財源」という用語を正確に理解したうえで選択肢を吟味しないと正答にたどり着けない、知識と思考力を両方試す出題であった。下線部に示された意見の根拠を問うという問題、問4は憲法の知識と文章の流れの理解を問うという問題で、ともに知識だけでは解けない仕組みになっている。
【新高3生へ】
◆思考力重視の共通テスト
前回から始まった「大学入学共通テスト」は、基本方針として「思考力」「判断力」を測る「考えさせる問題」が中心となり、設問形式や構成、資料の使われ方などもセンター試験とは大きく変わりました。本年も、知識により解くタイプの設問はやや増えていますが、この基本的傾向は変わっていません。
その特徴として、第一に、各設問中に長・短の文章を設け、文章内容の把握力・要約力を問う設問や、関連性・因果関係を判断させる設問が見られます。従って、文章を多く読み、内容をいかに早く掴めるかが勝負となります。これは普段から文章を読みこなし、内容を理解する国語力を測定しているとも言えます。
第二に、空欄問題において、空欄に当てはめるものが、語句だけでなく文章など多岐にわたっています。しかも複数の空欄すべてを適切に埋めることで正解になるので、断片的・部分的理解では得点できない仕組みになっています。
以上の特徴を持つ「大学入学共通テスト」の対策としては、教科書を読むことに加えて、現在に至る歴史(主に戦後史)的つながりと、グローバル化の結果としての地理的広がりとを理解する必要があります。さらに、それらに加えて人間社会の現象(文化的・宗教的あるいは倫理的な側面)の理解も欠かせません。つまり、現在の社会問題を広い視野で総合的に考える習慣を身につけることが必要です。また、文章を読んでその趣旨を把握する訓練をしなければなりません。難度は高いですが、今このような力が求められているため「大学入学共通テスト」が生まれたと言えます。
◆問題演習で実戦を重ねる
自分では一応理解したつもりなのに、いざ問題を解く段階になると、選択肢の正誤がうまく判定できないという受験生の声を毎年聞きます。そうした受験生は過去問演習が不足しているはずです。「倫理、政治・経済」では、思想や制度の理解におけるありがちな誤解が中心になって誤文がつくられています。したがって、そうした「誤解」をつぶすために、実際の過去問にあたって、誤文の誤文たるゆえんをひとつひとつ理解していく作業が大切になります。過去問の少ない共通テスト対策として、年間6回実施される東進の「共通テスト本番レベル模試」は、年間を通して共通テストと同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度および思考力の深まりを測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください
【新高2生へ】
「大学入学共通テスト」の基本方針は「思考力」「判断力」を測る「考えさせる問題」が中心となっており、構成が複雑なため、設問の意図や全体構成を把握するのに手間取ることが多くなることが想定されます。さらに、文章量も多いため、腰をすえて内容把握をしていかなければなりません。普段から長文を辛抱強く読みこなすことに慣れておきましょう。
公民科目は、現在の社会事象の理解・把握が求められており、それには現在に至る歴史(主に戦後史)的つながりと、グローバル化の結果としての地理的広がりとを理解する必要があります。さらに、それらに加えて人間社会の現象(文化的・宗教的あるいは倫理的な側面)の理解も欠かせません。したがって、学習して知識を持つこと自体は極めて重要ですが、その際に細部の断片的知識より全体像を把握することを心掛け、その社会事象が教科書のどの部分に関連する事項なのかを意識することが大切になります。つまり、社会事象に対する「問題意識を強く持つこと」、これが公民科目に求められています。
それには普段から、ニュースや新聞などのメディアを通じて社会問題に関心を持つことが重要です。とくに新聞の記事を読みこなすことは必須になります。また、用語集などをそばに置いて必要に応じて語句の理解に努めれば、知識定着のチャンスが増えるだけでなく自然に全体像が見えてきます。年間6回実施される東進の「共通テスト本番レベル模試」は、年間を通して共通テストと同一レベル・同一形式の問題演習を繰り返します。定期的な受験により、自らの学習到達度および思考力の深まりを測る物差しともなります。積極的に受験して、ライバルに差をつけてください。
◆1/15(土)申込開始!【最大4講座】東進柏校の新年度特別招待講習開申込開始!
◆【定員次第〆切】武藤一也先生!大学入学共通テスト英語 特別解説授業!受付中!
2022年 1月 15日 ★☆★【地理B】大学入学共通テスト 解答速報
【解答速報】

【全体概観】
分量はマーク数が1つ減少。形式・構成は前年と同様。図表を読み取る技能がカギ。 第2問はSDGsを意識した資源利用と環境に関する出題となっている。 第4問では共通テスト移行によって姿を消していた「比較地誌」が部分的に復活した。

分量
大問5題、設問30・マーク数31。
出題形式
組合せ式の問題は19題で、前年より1つ減ったが、センター試験に比べて割合が高まっている。そのうち2題は8択式であった。また、単語を選ばせる4択式問題は姿を消し、4択式の文章正誤判定はやや増加した(5→7)。
図版(図、表、写真、資料※)の点数は39で、前年よりさらに多くなっており、1つの設問あたり平均1.3点の資料が与えられていることになる。
※ 図表・写真や短文などを組み合わせた複合的な図版。
出題内容
各大問の分野構成は2021年度と同様で、第1問は自然環境と自然災害、第2問は産業分野、第3問は村落・都市と人口、第4問は地誌、第5問は地域調査である。
第1問
世界の自然環境や自然災害について出題された。世界や日本の地域性の理解を前提とした地図などの資料の読み取りが中心で、難易度は高い。問4のオーストラリアにおける気温・降水量分布の季節変動に関する等値線図の判定には注意を要する。
第2問
資源と産業に関する大問である。大問全体のテーマとして「持続可能な資源利用」が設定されており、各設問が環境問題に関連づけられている。SDGsを意識した構成となっている。問4では、日本とアメリカ合衆国の人口規模に関する知識を必要とする。しかし、全体としては易しめの問題が並んでいる。
第3問
村落・都市と人口に関する大問である。標準的な難易度の大問である。ジェントリフィケーションがみられる地区を判読する問3では資料の年次に注意が必要である。ヨーロッパの空港における出発地域別旅客数の統計を判別する問4や、2か国の国全体および外国出身者の人口ピラミッドを判別する問5は難易度が高い。
第4問
地誌の大問では、ラテンアメリカが取り上げられた。Aではラテンアメリカの自然と社会、Bではチリとニュージーランドがテーマとなっている。旧センター試験で出題されていた比較地誌の大問は、共通テストへの移行によって姿を消していたが、Bではこれを復活させた形である。
第5問
北海道苫小牧市の周辺を題材とした地域調査の問題である(地理A第5問と共通)。知識なしで常識的に解ける設問もあるが、前年よりは減っており、逆に、問4の苫小牧市の製造品出荷額に関する統計問題など、やや判定に迷う設問が目立つ。
【設問別分析】
【第1問】世界の自然環境と自然災害
世界や日本の地域性の理解を前提とした地図などの資料の読み取りが中心で、難易度は高い。問4のオーストラリアにおける気温・降水量分布の季節変動に関する等値線図の判定には注意を要する。
問1 大陸棚は大陸プレート上の海洋部分に広がっている。火山列は海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む境界線に沿っている。
問2 xはエスチュアリー、yは沖積平野の説明。源がアルプスにあるのはB。アルプス山脈は高峻で、Bは水源から河口までの距離が短いため、勾配が急で土砂の運搬力も強く、堆積地形が形成される。
問3 EやFの流域は主に乾燥帯、Hの流域は熱帯→常緑広葉樹中心。
問4 「内陸が乾燥」「北部は夏に多雨のサバナ気候」、南半球は1月が夏。
問5 熱帯低気圧はインド洋のサイクロン、地震は大地溝帯と変動帯(新期造山帯)周辺。
問6 雪崩は春先にも発生、土砂災害を起こす集中豪雨は梅雨期に多い。
【第2問】資源と産業
大問全体のテーマとして「持続可能な資源利用」が設定されており、各設問が環境問題に関連づけられている。SDGsを意識した構成となっている。問4では、日本やアメリカ合衆国などの人口規模に関する知識を必要とする。しかし、全体としては易しめの問題が並んでいる。
問1 Aの世界最大の生産・消費国は中国、Bの特定の地域は中東。
問2 アフリカは人口の急増地域、アジアは経済・産業の急成長地域。
問3 aは工業化の始まった発展途上国、bは新興工業国、cは先進国。
問4 fの判定において、各国のおよその人口規模を把握しておきたい。
問5 熱帯林中心の発展途上国では、薪炭材としての自給的消費が大半。
問6 エビ養殖池の造成は、熱帯林減少の要因として頻出である。
【第3問】村落・都市と人口
標準的な難易度の大問である。ジェントリフィケーションがみられる地区を判読する問3では資料の年次に注意が必要である。ヨーロッパの空港における出発地域別旅客数の統計を判別する問4や、2か国の国全体および外国出身者の人口ピラミッドを判別する問5は難易度が高い。
問1 「~のほとんどが」のような表現に注意が必要である。
問2 市民ホールは各市の中心部に1つか2つしかない。悪臭などの公害が懸念されるごみ処理施設は人口の希薄な郊外に置かれることが多い。
問3 「2000年の居住者の貧困率」に注意。ここから2015年までにどう変化したか、を考えたい。
問4 パリ(フランス)→北アフリカに旧植民地、マドリード(スペイン)→中南米に旧植民地。
問5 ドイツの外国生まれはトルコなどからの工場労働者、シンガポールの外国生まれは工場労働者の他に、フィリピンなどからの家事労働者が多い。
問6 カナダは先進国、韓国は20世紀後半に先進国化、マレーシアは新興国、バングラデシュは発展途上国(近年経済成長)。先進国ほど出生率は低下。
【第4問】ラテンアメリカ
Aではラテンアメリカの自然と社会、Bではチリとニュージーランドがテーマとなっている。旧センター試験で出題されていた比較地誌の大問は、共通テストへの移行によって姿を消していたが、Bではこれを復活させた形である。
問1 Dの流域はリャノ(サバナ)、Eの流域の一部はカーチンガ(ステップ)。
問2 コスタリカは再生可能エネルギーの優等生、ブラジル=水力は頻出。
問3 1971年と2019年では輸出総額が何十倍も違う。輸出割合が下がっても輸出額は増加している。
問4 大半が白人のアルゼンチンよりも、民族構成が複雑なブラジルの方が貧富の差が大きい。内陸国のボリビアは経済水準が低い。
問5 チリの首都サンティアゴ周辺は地中海性気候→ぶどう栽培→ワイン輸出。
問6 チリは銅鉱、NZは農畜産物を輸出。いずれも旧宗主国を含む地域との関係は弱くなり、中国をはじめとする東アジアとの関係を深めている。
【第5問】地域調査(北海道苫小牧市周辺)
北海道苫小牧市の周辺を題材とした地域調査の問題である(地理A第5問と共通)。知識なしで常識的に解ける設問もあるが、前年よりは減っており、逆に、問4の苫小牧市の製造品出荷額に関する統計問題など、やや判断に迷う設問が目立つ。
問1 右と左、東西南北がわかれば解ける。
問2 沿岸流は海岸線と平行に、潮汐は海岸線と垂直に作用する。
問3 第4問の問3と同様に、絶対量と割合の違いが決め手である。
問4 かつては地元資源による製紙・パルプ業に依存していたが、掘り込み港の建設でエネルギー関連産業が急拡大した。
問5 地区dは工場で働く壮年層とその子が入居するが、時期とともに入れ替わる。地区eでは造成時に入居した人々が一斉に高齢化を迎える。
問6 ほぼ常識レベルで処理できるだろう。
【新高3生へ】
◆大学入学共通テスト地理Bの特徴
2021年から始まった共通テスト地理Bですが、第1回(第1日程および第2日程)の出題をみる限り、過去のセンター試験と大きな違いはないものの、設問数が減った代わりに、やや長い問題文を伴う設問や、複雑な組み合わせ式の設問が増えています。また、知識そのものではなく、考える力を重視する傾向がみられます。
例えば、ある地点の気候に関するグラフを出題する場合、「この地点のグラフはどれか」ではなく、「この地点のグラフとしてXを選ぶ理由はどれか」と問われるのです。こうした問題は各地点の気候区分を暗記していても解けません。気候の成り立ちを理解する必要があります。
作問の方針として、事前に以下のことが打ち出されており、これに沿った出題となっています。
① 地理に関わることがらを題材にして、
② ことがらの持つ意味や役割、ことがらどうしの対比・関連づけ、ことがらに潜む問題点などを考えながら見抜く力や、
③ 知識の活用や資料の分析によって、「地理的な見方や考え方」を順序よく働かせる力を試す
実際の出題内容としては、おもに系統地理(自然環境・産業・社会などのテーマ別学習)の各分野がまんべんなく扱われています。また、世界地誌(大陸・国ごとの地域別学習)の大問は5問中1問だけですが、世界の国や地域に関する設問が他の大問中にバランス良く配置されています。いずれも知識(用語や地名)そのもののみを問うことは少なく、地図や写真、統計など各種資料の読み取りと関連付けた出題が多くなっています。ほとんどの設問に資料が与えられています。
共通テストでは、「情報処理、思考、判断」の能力を試す傾向がはっきりしており、加えて「表現力」も重視されています。記述式設問はありませんが、その代わりにさまざまな「場面設定」※が工夫されており、
「実際にその場面にいたら、どう読み取り、どう考察し、どう表現するか」
を考えさせようとしています。
したがって、地理的思考力や資料の読み取り技能を重視した問題の割合が多く、その結果、複数の判定を組合せた形式の設問が中心となっているのです。
用語や地名を詰め込むだけの学習では対応できません。
※ 場面設定として、以下の例が想定されています。
① 地理的な課題を探究し、その解決や将来を展望する場面
② 資料から事象を読み取り、地域の変容や構造を考察し、地域的特色などを説明する場面
③ 新たな課題を設定し、情報の収集、整理・分析を行う場面
◆思考力が大事
こうしてみると、共通テストは丸暗記に終始するような詰め込み学習では対応できないことがわかります。「地理は暗記科目」と考えられがちですが、共通テストの地理Bでは思考力がものをいうのです。地理的な事象について「なぜそうなるか」を十分に理解した上で、「使える(=応用できる)基本的な知識」をこつこつ積み上げましょう。知識がネットワーク化すれば、1つの理解が2つにも3つにも応用できるようになります。もちろん、知識重視タイプの問題もゼロではありません。自然環境、産業、集落といった系統地理だけでなく、世界地誌の準備も早めにスタートすることで、情報量の面での遅れを招かないようにしたいものです。このような場面では、一問一答形式の問題集なども役に立つでしょう。
◆資料問題に強くなろう
共通テストにおける地理Bの顕著な特徴は、地図や図表、写真などの資料を使った出題の割合が高いことです。これらを読み取り、利用する技能が求められているのです。
自分が知らない地名が出てきた際には、必ず地図帳を開き、その位置を確認するようにしましょう。教科書や資料集を用いて、主題図(テーマのある地図)や写真などに見慣れておくことも重要です。また、統計についても、順位、数値の暗記ではなく、統計の背後にある地理的要因を読み取る意識をもって、最新の統計をこまめにチェックするようにしましょう。また、地歴連携を重視する方針から、歴史的背景や経緯を問う出題がみられるようになっています。
◆独特な出題形式に慣れておこう
独特な出題形式への慣れも欠かせません。組合せ式問題などがその典型です。問題の質や量と試験時間(60分)を見比べると、決して時間的な余裕はありません。5年分程度の過去問演習(センター試験も含む)や共通テスト試行問題の演習はもちろんですが、東進の共通テスト本番レベル模試を定期的に受験して、
(1)頻出項目をマスターし、最新の傾向をつかむ
(2)出題形式に慣れ、時間配分をトレーニングする
(3)解説を利用して、「どうしてそうなるのか」の考え方を鍛える
といった点の強化に利用してください。
【新高2生へ】
◆「地理B」という科目の特徴
先に新高3生へのアドバイスを読んでみてください。なかなか大変なメニューが並んでいますね。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。共通テストについては、今回の問題と2021年の問題、他に2回の試行問題、さらに2020年までのセンター試験の出題も参考になります。過去問等で傾向をつかみ、模試で実力を測って弱点を補強する、受験生としてはそんな真っ当な対策を立てたいですね。しかし、過去問の演習にせよ、模試の受験にせよ、ひと通りの学習を済ませて、ある程度の実力をつけてからでなければ意味をなしません。「実力をつけてから」にこだわりすぎても時機を失しますが、準備ゼロでは「敵を知る」ことも「己を知る」ことも叶いません。高3になってから正しい対策を迷うことなく進めるためには、それなりの布石というものが必要です。
◆今のうちにやっておきたいこと
(1)一通りのことが書かれた本を読んで、地理という科目の「雰囲気」をつかんでおきます。いきなり教科書では難しいでしょうから、『山岡の地理B教室』(東進ブックス)のような入門書を利用してください。中学校で使った「地理的分野」の教科書も良いでしょう。中1当時の皆さんはまだ小学生の延長のようなものでした。だから、いま読むと「ああそういうことか」と納得できることが多いはずです。納得したことは頭に残りやすいのです。
特に気候環境、人口、都市など、他の項目との関連が深い分野、理屈が重視される分野はていねいに見ておいてください。
(2)地図帳に慣れておきます。地理における地図帳は、英語における辞書のような存在です。各地方の並び順、地図上のさまざまな約束、索引の使い方、などを体で覚えておきましょう。知らない地名が出てくるたびに地図帳を開く習慣をつけてください。どんどん書き込んだり、付箋をつけたりするのもGOODです。
(3)できれば、さまざまなメディアも利用しましょう。TVの特集、クイズ番組、ニュースなどや、新聞の国際面の記事、インターネットで得られる情報などです。すべてが直接の試験対策になるわけではありませんが、世界各地に関する見識が広がることで、地誌学習が楽に進められるはずです。
例えば、代表的な動画投稿サイトで「フィヨルド」と検索してみてください。数多くの映像によって、北欧ノルウェーなどの氷河によって形成された雄大な景観を実感できるはずです。味気ない教科書の本文が立体的に浮かび上がってきます。スマホでタブレットでも、せっかくのICT(情報通信技術)環境を有効に活用してください。
そして、最も大切なのは「地理は暗記科目ではなく、考える科目である」としっかり理解しておくことです。はじめはピンとこないでしょうが、上のような対策に続けて実際に問題演習を始めると、「考える科目」であることを実感できるはずです。
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2022年 1月 15日 ★☆★【日本史B】大学入学共通テスト 解答速報
【解答速報】

【全体概観】
形式面で大きな変化はなかったが,読解を求める傾向がさらに強まった

読解を求める傾向が強まり、さらにその上で日本史の基本的な知識を把握していなければ判断しづらい設問も目立った。昨年の共通テスト日本史Bでは、原始(弥生時代の時期)に該当する問題が出題されたが、今年度は原始からの出題はみられなかった。昨年度の特筆点の一つに、地図の並び替えの問題が出題されたことがあげられるが、今年は出題されなかった。
昨年度は見られなかった年表を用いた形式の問題が出題された。会話文の形式をとる大問が、第1問だけでなく第3問・第5問でもみられ、第2問・第4問も,生徒のメモや発表スライドなどが素材として出題されていた点で、高校での学びを意識した大問が多く見られた。
(時代)
昨年の共通テスト日本史Bでは、原始(弥生時代の時期)に該当する問題が出題されたが、今年度は原始からの出題はみられなかった。戦後については、1980年代までが対象とされていた(昨年度は1970年代までが対象とされていた)。
(分野)
政治・社会経済・外交・文化とバランスよく出題されていたが、昨年と同様に、社会経済からの出題が目立った。
(出題形式)
年代整序問題は、昨年度の共通テスト日本史Bでは4題出題されたのに対し、本年度は各大問に1つずつ計6題出題され、そのうちの1つは、史料を並べ替える問題だった。2文正誤の問題では、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が2題出題された。
(史資料)
第1問では、嵯峨天皇を中心とする略系図、1925年~1950年生まれ年別男性名ベスト3が、第2問では正倉院に残る計帳、憲法十七条・養老令・延喜式が、第3問では、絵画資料『石山寺縁起絵巻』、史料『朝鮮王朝実録』が、第4問では、史料『鴨の騒立』『蛛の糸巻』と「野非人之儀ニ付風聞書」旧幕府引継書が、第5問では、日本とハワイ王国との修好条約の条文の一部(『大日本外交文書』)、藤田敏郎の回顧録(『海外在勤四半世紀の回顧』)と山口県の分析(山口県「県政事務功程」)、第6問では1972年の改暦に関する詔書と同年に開通した新橋―横浜間の時刻表の一部(国立公文書館所蔵「汽車運転時限幷賃金表上達」、「太陽暦頒行ノ詔)、1885年から1930年までの鉄道(国鉄・民営鉄道)の旅客輸送と営業距離の推移表(近代日本輸送史研究会編『近代日本輸送史』)、買い出し列車と松川事件の写真、高度経済成長期以降の鉄道・自動車に関する統計と新幹線・高速道路の開通年表(矢野恒太記念会編『数字でみる日本の100年 改訂第6版』より)、が設問の素材として用いられた。
【設問別分析】
第1問:姓と名字
第1問では、人名から見た日本の歴史をテーマとした問題が出題された。小問数6問のうち、正誤を組み合わせる問題が3問、空欄補充問題、2つの文から正誤を組み合わせる問題、年代整序問題が、それぞれ1題ずつ出題された。第1問は昨年度同様、会話文形式での出題だった。図・表や会話文の読み取りが求められる問題が出題された。
問1 空欄に入る文の組合せを選択する問題。アは、会話文やメモから判断できる。イは、平民に苗字を名乗らせた理由が「近代国家の国民として把握する」ためであったかどうかを判断できなくても、明治初期には「華族・士族・平民の身分を撤廃」したのではなく、これらの族籍が新たに設けられたことを認識していれば、消去法で解答は導きだせる。
問2 人物が抽象化されているため、やや判断が難しかったかもしれない。Xは源義仲、Yは足利持氏について述べた文である。
問3 IIIの「ウィリアム=アダムズ」が徳川家康の顧問、Iの「近松門左衛門」が元禄文化期の文化人、IIの「江川太郎左衛門英竜」は幕末期の人物、というように、大まかな時期をとらえていれば、正答は導き出せただろう。
問4 嵯峨天皇を中心とする略系図を用いた問題。a・bの判別は「嵯峨天皇」の時期を中心とする、弘仁・貞観文化の基本的な知識があれば対応できたと思われる。
問5 表を用いた2つの文の正誤を判断する問題。X「アメリカ・イギリスに宣戦布告」したのは1941年。Y「天皇の代替わり」とは、1926年。基本的な年代を把握しておくことが前提とされる問題だった。
問6 a・bの判断はやや悩んだかもしれないが、ヒントは会話文・メモ・図の中にあった。c・dの判別は、基礎的な知識があれば、判断は容易だったと思われる。
第2問 古代の法整備と遣隋使、遣唐使
小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。昨年度は見られなかった年表を用いた形式の問題だった。年代整序の問題では、史料を並べ替える問題が出題された。
問1 「遣隋使」が倭の五王以来の中国への遣使であったこと、「曇徴」が高句麗僧だったことを認識していれば、判断できる。
問2 8世紀は天平文化期(奈良時代)、9世紀は弘仁・貞観文化期(平安時代初期、年表に「弘仁格式」「貞観格式」あり)であるため、文化史に関する基本的な情報を把握していれば、正答を導けただろう。
問3 史料にある「去年の計帳」の人数、「今年の計帳」の人数が表記されていることから、bの「計帳から年ごとの戸の人数の変動が分かる」は適当であると判断できる。dの「黒子の位置」は史料に表記されていることからも、「本人を特定するため」のものであったと考えられる。
問4 短文史料を用いた年代整序問題。Iが養老令、IIが憲法十七条、IIIが延喜式であるが、IとIIIの判断にやや戸惑ったと思われる。
問5 選択肢2は、年表の「養老律令」以降、律令が編纂されていないことが読みとれるため、「律令の編纂は、天皇の代替わりごとに行われた」は誤りと判断できる。
第3問:中世の海と人々
小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。第3問も会話文の形式をとる問題だった。
問1 会話文からの読み取りが求められた問題。正文となる選択肢1~3は会話文にヒントがあった。選択肢4は中国の海禁政策や応永の外寇の背景などを想起すれば、「倭寇は国家権力による保護」を得ていないと判断できる。
問2 IIIは平安時代、IIは鎌倉時代、Iは戦国~安土・桃山時代、であるため、判断しやすかったはずである。
問3 多くの教科書に掲載されている馬借の図。教科書のキャプションまで確認していた受験生は、すぐにどちらも正文だと判断できただろう。同様の図版は、2008年度のセンター試験日本史B・本試でも使用されている。
問4 a・bは、史料1行目に「日本国使、……多く商物を齎し、銀両八万に至る」とあることから判断できる。aは誤り。c・dは、史料3~6行目を丁寧に読めば判断できる。
問5 かつてのセンター日本史Bで見られたタイプの地図問題。Xは志苔館の説明。Yは「元軍や高麗軍」から蒙古襲来を想起できただろう。多くの受験生が、北海道南部や九州北部を選択できたと思われる。
第4問 近世の身分と社会
小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。特筆点として、生徒のメモが素材として使われたことや、2文正誤の問題において、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が出題されたことがあげられる。
問1 「メモ」には、「居住地が区別された」非人がいたこと、「都市では、組織に属さない『野非人』と呼ばれる人々も増加し、その取締り」が行われていたことなどが記されていた。これらを参考にすれば、「総意により運営」は誤りと判断できる。
問2 IIは「出雲阿国」から桃山文化、IIIは「初代市川団十郎」から元禄文化、Iは東洲斎写楽から宝暦・天明期の文化について述べた選択肢だと判断できる。
問3 Xは史料1を対象とする選択肢で、正文であることは判断しやすかっただろう。Yは史料2の「天明」(18世紀の年号)を見逃さなければ、19世紀の「世直し一揆」は誤りだと判断できる。
問4 史料の読解問題。c・dの判別は、設問文の「1836年」から、天保の改革の政策を選択すればよいと判断できただろう。
問5 近世の身分と社会に関する4つの文から正文を選ぶ問題。「メモ」をヒントにしなくても、正答の選択肢1を選択できた受験生が多かったと思われるが、「メモ」には、「将軍に拝謁できる者」である「旗本」の語が記されていた。
第5問 幕末・明治期の日本とハワイ
第5問では、日本とハワイの関係をテーマとした問題が出題された。小問数4問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、2つの文の正誤を判断する問題と年代整序問題が、それぞれ1問ずつ出題された。昨年度の共通テスト日本史B第5問は、人物をテーマとした問題だったが、今年度は会話文の形式がとられた。第5問でも、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が出題された。
問1 2つの文X・Yと、それに該当する用語を組み合わせる問題。地名や国籍などの把握が必要であった。
問2 a・bでは史料の読解が求められたが、史料を深く読み取らないと、判断がやや難しかったと思われる。判断に時間をかける必要のある選択肢だった。c・dは、前提知識として「日清修好条規」の内容や背景を把握している必要があった。
問3 「1885年から1894年までの10年間」と、やや短い期間の年代整序問題が出題された。ただし、日清戦争開戦にいたるまでの国際関係を把握していれば、前後関係を判断することは難しくはなかったはずである。
問4 史料の読解問題。史料文も短く、日本史に関する知識が十分でなかったとしても、史料を丁寧に読み取ることによって、正答を導くことができたと思われる。
第6問 鉄道の歴史とその役割
第6問では、日本における鉄道の歴史とその役割をテーマとした問題が出題された。小問数7問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、空欄補充問題、年代整序の問題、2つの文の正誤を判断する問題、4つの文から正文を選ぶ問題、4つの文から誤文を選ぶ問題がそれぞれ1問出題された。正誤を組み合わせる問題のうち、1問は写真を用いたものだった。史料や表から読み取る問題が計3題出題された。小問7問中、半分程度は史料・表・写真の判断を求める問題となっており、瞬間的に判断できる設問は少なく、ある程度の時間が必要だったと思われる。
問1 センター試験日本史Bでもみられた空欄補充問題。前後のキーワードから用語を導き出すのは容易だったはずである。
問2 読解が求められる問題だった。a・bの選択肢は、設問文・資料から1872年9月、太陽暦は明治五年(1872年)壬申十一月九日、に作成されたことが読み取れれば正誤の判定が可能であった。明治五年に戸惑ったかもしれないが、設問文の、時刻表と太陽暦が同年(1872年)に出された、という情報を見逃さなければ、正答を導くことができたと思われる。
問3 当然ながら、表を参照する必要があるが、正答を選択するためには、該当する時期の背景知識や用語の理解が不可欠だった。
問4 20世紀以降の日本の対外関係のなかで、鉄道に関わる諸政策・事件に関する6択の年代整序問題。「張作霖」「南満州鉄道株式会社」「段祺瑞」の語句に着目し、Iは昭和初期、IIは明治期、IIIは大正期と、各選択肢の時期が離れているため、正答に導きやすかったはずである。
問5 「買い出し」「ドッジ=ラインの影響」に関する問題は、センター日本史でも出題されたことがあるため、センター試験日本史Bの過去問までを対象にして演習を繰り返してきた受験生には解きやすかっただろう。この形式の設問は、a・b(もしくはc・d)のいずれかが正文または誤文であるため、2つの文を比較して判断すればよい。
問6 提示された表2の情報だけでなく、オリンピックの開催、第1次石油危機のそれぞれの時期を把握しておけば、正答を導き出すのは容易だった。
問7 中曽根康弘内閣に関するX・Yの2文の正誤を判定する問題。基本知識で十分対応できる問題であった。
【新高3生へ】
◆日本史の実力そのものを向上させ、読解力を養おう!
大学入学共通テストは今回で2度目の実施となりますが、傾向や形式が未だ定まっていないテストといえます。未知の部分が多いとはいえ、センター試験と比べた場合、共通テストでは、事件や政策などを多面的・多角的に考察する過程が特に重視され、歴史的事象の意味や意義、特色や相互の関連など、総合的に考察する力が求められる傾向にあるといえそうです。具体的には、教科書で扱われていない初見の資料であっても、そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連づけて判断することを求める問題、仮説に対する根拠として適当なものを選択させる問題、歴史の展開を考察させる問題、特定のテーマを考察させる問題などが増加していくと考えられます。従来のセンター試験日本史Bより、思考力・判断力が求められるといえるため、史資料読解型の問題に対する演習量を増やしておく必要があるでしょう。ただし、読解力が求められるとはいえ、日本史の問題であるため、日本史の実力がともなっていなければ、史資料を読みとることは困難な場合が少なくありません。日本史の実力そのものを高める努力を怠らないようにしましょう。共通テスト日本史Bの問題形式には不明な点が多いと言われれば、多くの不安を感じるのは当然のことです。しかし、恐れる必要はありません。共通テスト日本史Bの問題構成は、センター試験日本史Bと同じで、第1問はテーマ史、第2問は原始・古代、第3問は中世というように、第2問~第6問は時代ごとに大問が構成されていました。そのため、通史学習と問題演習をうまく組み合わせて学習を進めることが可能です。学習の進度にあわせて、第2問、第3問というように、演習に取り組んでみましょう。とはいえ、共通テストは導入されて2年目であるため、過去問も多くは存在せず、試行調査をあわせても演習に適した問題は不足してしまうでしょう。そこで、東進ブックス共通テスト実戦問題集日本史をお勧めします。この問題集は、すべてがオリジナル問題で、2021年度・2022年度で実施された共通テストよりもやや複雑な、試行調査型の問題もあえて含める形にしています。さまざまな形式の良問に取り組めば、通史の学習の際にどのようなことを意識したらよいのかがみえてくるはずです。日常の学習においては、教科書に掲載されているグラフ・表・絵画などを「ただ眺める」のではなく、「そこからどのような情報を導けるのか」を考察する習慣をつけるとよいでしょう。
◆「考えながら」覚える習慣をつけよう!
教科の性質上、日本史に暗記的要素が強いことは間違いありません。とはいえ、単純な暗記だけでは、知識は定着しづらく、入試問題への対応も危うくなります。日本史の学習において、最良のバイブルは教科書です。そのことを認識していても、教科書を精読する習慣を身につけている受験生はそれほど多くはありません。単純な作業のように思えてしまい、教科書を精読することが継続できないとすれば、それは、「考える」ことをしていないからだといってよいでしょう。共通テスト日本史Bでは、限られた時間内で正確に解答する力が求められます。そのためにも、「考える」日本史学習を習慣にしていきましょう。文化史(仏像彫刻)を例にとれば、仏像彫刻を把握していく際に、(1)ほかの時代で扱う仏像彫刻と比較する、(2)写真で確認してその特徴を考える、(3)当時の仏教はどのような性格をもっていたのかを把握する、(4)政治・外交・社会など他の分野との関連性を確かめる、など複数の視点で歴史を捉えることを意識して、読み方を変えてみましょう。そうして考えてみたことを自分でノートにまとめれば、立派なサブノートができあがっていきます。
◆模試を有効に活用しよう!
学習の習慣をつけるのは、容易ではありません。そこで勧めたいのが模試の受験です。東進の「共通テスト本番レベル模試」は、「全国統一高校生テスト」も含めると年間全6回実施されます。過去問が実質的に存在しない共通テストにおいて、試行調査を軸に共通テストの出題を想定して作成された東進の共通テスト本番レベル模試は、本番の共通テストで高得点を得るための不可欠なツールといってよいです。また、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」も、それぞれ全5回、実施されます。また、直近の東進模試では、第1回共通テスト本番レベル模試(2022年2月20日実施)や、記述式の高2レベル記述模試(2022年3月13日実施)などが新高3生を対象としています。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されています。学習のペースメーカーとするためにも、これらを受験しましょう。
【新高2生へ】
◆歴史に興味をもとう!
2022年1月、2回目の大学入学共通テストが実施されました。他の教科と同様に、日本史でも、「考える」学習の重要性が高まっています。2022年度に新課程で新設される新たな教科「歴史総合」でも、数多くの「問い」が設定されています。現在・未来を考える上で「過去」の認識は不可欠です。コロナ禍のなかで、人類が直面した過去の感染症に注目が集まっています。また、近年では、中国、韓国、北朝鮮など近隣諸国と日本との緊張がニュースになることも少なくありません。こうしたニュースを見聞きする際に、「どのような歴史的背景から、緊張が生じているのか」といった問題意識をもてば、歴史を学ぶことの意味や重要性を認識できるのではないでしょうか。「歴史なんて学ぶ意味がない」「過去のことを考えるのは面倒」などと否定的にとらえてしまえば、日本史は当然つまらない教科になってしまいますし、得点も伸びていきません。大学入学共通テストでは、史料文、表・グラフ、写真・図などの資料を分析させたり、これらの理解を求めたりする出題が増加すると考えられます。まずは歴史に興味をもち、考察する姿勢を養いましょう。
◆教科書を重視しよう!
まずは教科書を軸に学習を進めましょう。本文の精読が不可欠なのはもちろんですが、史料文や図、グラフなども重視して下さい。ただし、眺めるだけでは実力はつきません。そうした資料から何が導けるかなどについて、考察するようにしましょう。これまでのセンター試験に比べ、共通テストの出題形式は複雑になりました。限られた時間内で正確に解答する力が必要です。その力を養うためには、日常から多くの素材に触れておくことが不可欠です。歴史上の出来事は評価の難しいものが少なくありませんが、教科書には、日本の歴史が簡潔かつ客観的に記述されています。国際化が顕著となっている今日において、主観を排除した日本史の把握は、受験のためだけではなく、みなさんが社会人となったとき、ビジネスの場面で大きな役割を果たすことになるはずです。ただ、どうしても教科書を精読する習慣がつかない方もいるでしょう。その場合は、一度に多くのページを読もうとするのではなく、「今日は奈良時代の政治を把握する」、「明日は飛鳥文化を理解する」など、自らテーマを設定して読む部分を絞って精読し、教科書を閉じたあと、そこには何が書いてあったのかをノートにメモするようにしてみてください。こうした習慣は、やがて大きな力になっていきます。
◆模試を有効に活用しよう!
2021年・2022年に実施された大学入学共通テストは、過去問がほとんど存在しない試験です。高得点をめざすのであれば、多様な出題形式に慣れておくために、共通テスト本番レベル模試だけでなく、さまざまな模試の受験を検討しましょう。与えられた資料を分析して論述する問題を含む早慶上理・難関国公立大模試、基本的な日本史の知識を確認できる全国有名国公私大模試などの受験は、共通テストを含めて、日本史の得点力を確実に高める役割を果たすでしょう。東進では、「共通テスト本番レベル模試」と「全国統一高校生テスト」をあわせると全6回、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」はそれぞれ全5回実施されます。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されており、近年出題が増加している、読解タイプの問題が数多く含まれています。また、『解答解説』では、初学者でも理解しやすいように、(1)図や表を用いる、(2)ルビを多くふる、(3)理解を深めてもらうための【参考】や【整理】を設ける、といった工夫が施されています。受験会場の雰囲気にふれたり、成績がどのような状態にあるのかを把握したりすることは、モチベーションの向上につながります。学習のペースメーカーとするためにも、ぜひ、東進の模試を受験しましょう。
◆1/15(土)申込開始!【最大4講座】東進柏校の新年度特別招待講習開申込開始!
◆【定員次第〆切】武藤一也先生!大学入学共通テスト英語 特別解説授業!受付中!








