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校舎からのお知らせ 

2022年 1月 15日 ★☆★【地理B】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

分量はマーク数が1つ減少。形式・構成は前年と同様。図表を読み取る技能がカギ。 第2問はSDGsを意識した資源利用と環境に関する出題となっている。 第4問では共通テスト移行によって姿を消していた「比較地誌」が部分的に復活した。

分量

大問5題、設問30・マーク数31。

 

出題形式

組合せ式の問題は19題で、前年より1つ減ったが、センター試験に比べて割合が高まっている。そのうち2題は8択式であった。また、単語を選ばせる4択式問題は姿を消し、4択式の文章正誤判定はやや増加した(5→7)。

図版(図、表、写真、資料※)の点数は39で、前年よりさらに多くなっており、1つの設問あたり平均1.3点の資料が与えられていることになる。

※ 図表・写真や短文などを組み合わせた複合的な図版。

 

出題内容

各大問の分野構成は2021年度と同様で、第1問は自然環境と自然災害、第2問は産業分野、第3問は村落・都市と人口、第4問は地誌、第5問は地域調査である。

 

第1問

世界の自然環境や自然災害について出題された。世界や日本の地域性の理解を前提とした地図などの資料の読み取りが中心で、難易度は高い。問4のオーストラリアにおける気温・降水量分布の季節変動に関する等値線図の判定には注意を要する。

 

第2問

資源と産業に関する大問である。大問全体のテーマとして「持続可能な資源利用」が設定されており、各設問が環境問題に関連づけられている。SDGsを意識した構成となっている。問4では、日本とアメリカ合衆国の人口規模に関する知識を必要とする。しかし、全体としては易しめの問題が並んでいる。

 

第3問

村落・都市と人口に関する大問である。標準的な難易度の大問である。ジェントリフィケーションがみられる地区を判読する問3では資料の年次に注意が必要である。ヨーロッパの空港における出発地域別旅客数の統計を判別する問4や、2か国の国全体および外国出身者の人口ピラミッドを判別する問5は難易度が高い。

 

第4問

地誌の大問では、ラテンアメリカが取り上げられた。Aではラテンアメリカの自然と社会、Bではチリとニュージーランドがテーマとなっている。旧センター試験で出題されていた比較地誌の大問は、共通テストへの移行によって姿を消していたが、Bではこれを復活させた形である。

 

第5問

北海道苫小牧市の周辺を題材とした地域調査の問題である(地理A第5問と共通)。知識なしで常識的に解ける設問もあるが、前年よりは減っており、逆に、問4の苫小牧市の製造品出荷額に関する統計問題など、やや判定に迷う設問が目立つ。

 

【設問別分析】

【第1問】世界の自然環境と自然災害

世界や日本の地域性の理解を前提とした地図などの資料の読み取りが中心で、難易度は高い。問4のオーストラリアにおける気温・降水量分布の季節変動に関する等値線図の判定には注意を要する。

 

問1 大陸棚は大陸プレート上の海洋部分に広がっている。火山列は海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む境界線に沿っている。

問2 xはエスチュアリー、yは沖積平野の説明。源がアルプスにあるのはB。アルプス山脈は高峻で、Bは水源から河口までの距離が短いため、勾配が急で土砂の運搬力も強く、堆積地形が形成される。

問3 EやFの流域は主に乾燥帯、Hの流域は熱帯→常緑広葉樹中心。

問4 「内陸が乾燥」「北部は夏に多雨のサバナ気候」、南半球は1月が夏。

問5 熱帯低気圧はインド洋のサイクロン、地震は大地溝帯と変動帯(新期造山帯)周辺。

問6 雪崩は春先にも発生、土砂災害を起こす集中豪雨は梅雨期に多い。

 

 

【第2問】資源と産業

大問全体のテーマとして「持続可能な資源利用」が設定されており、各設問が環境問題に関連づけられている。SDGsを意識した構成となっている。問4では、日本やアメリカ合衆国などの人口規模に関する知識を必要とする。しかし、全体としては易しめの問題が並んでいる。

 

問1 Aの世界最大の生産・消費国は中国、Bの特定の地域は中東。

問2 アフリカは人口の急増地域、アジアは経済・産業の急成長地域。

問3 aは工業化の始まった発展途上国、bは新興工業国、cは先進国。

問4 fの判定において、各国のおよその人口規模を把握しておきたい。

問5 熱帯林中心の発展途上国では、薪炭材としての自給的消費が大半。

問6 エビ養殖池の造成は、熱帯林減少の要因として頻出である。

 

 

【第3問】村落・都市と人口

標準的な難易度の大問である。ジェントリフィケーションがみられる地区を判読する問3では資料の年次に注意が必要である。ヨーロッパの空港における出発地域別旅客数の統計を判別する問4や、2か国の国全体および外国出身者の人口ピラミッドを判別する問5は難易度が高い。

 

問1 「~のほとんどが」のような表現に注意が必要である。

問2 市民ホールは各市の中心部に1つか2つしかない。悪臭などの公害が懸念されるごみ処理施設は人口の希薄な郊外に置かれることが多い。

問3 「2000年の居住者の貧困率」に注意。ここから2015年までにどう変化したか、を考えたい。

問4 パリ(フランス)→北アフリカに旧植民地、マドリード(スペイン)→中南米に旧植民地。

問5 ドイツの外国生まれはトルコなどからの工場労働者、シンガポールの外国生まれは工場労働者の他に、フィリピンなどからの家事労働者が多い。

問6 カナダは先進国、韓国は20世紀後半に先進国化、マレーシアは新興国、バングラデシュは発展途上国(近年経済成長)。先進国ほど出生率は低下。

 

【第4問】ラテンアメリカ

Aではラテンアメリカの自然と社会、Bではチリとニュージーランドがテーマとなっている。旧センター試験で出題されていた比較地誌の大問は、共通テストへの移行によって姿を消していたが、Bではこれを復活させた形である。 

 

問1 Dの流域はリャノ(サバナ)、Eの流域の一部はカーチンガ(ステップ)。

問2 コスタリカは再生可能エネルギーの優等生、ブラジル=水力は頻出。

問3 1971年と2019年では輸出総額が何十倍も違う。輸出割合が下がっても輸出額は増加している。

問4 大半が白人のアルゼンチンよりも、民族構成が複雑なブラジルの方が貧富の差が大きい。内陸国のボリビアは経済水準が低い。

問5 チリの首都サンティアゴ周辺は地中海性気候→ぶどう栽培→ワイン輸出。

問6 チリは銅鉱、NZは農畜産物を輸出。いずれも旧宗主国を含む地域との関係は弱くなり、中国をはじめとする東アジアとの関係を深めている。

 

 

【第5問】地域調査(北海道苫小牧市周辺)

北海道苫小牧市の周辺を題材とした地域調査の問題である(地理A第5問と共通)。知識なしで常識的に解ける設問もあるが、前年よりは減っており、逆に、問4の苫小牧市の製造品出荷額に関する統計問題など、やや判断に迷う設問が目立つ。

 

問1 右と左、東西南北がわかれば解ける。

問2 沿岸流は海岸線と平行に、潮汐は海岸線と垂直に作用する。

問3 第4問の問3と同様に、絶対量と割合の違いが決め手である。

問4 かつては地元資源による製紙・パルプ業に依存していたが、掘り込み港の建設でエネルギー関連産業が急拡大した。

問5 地区dは工場で働く壮年層とその子が入居するが、時期とともに入れ替わる。地区eでは造成時に入居した人々が一斉に高齢化を迎える。

問6 ほぼ常識レベルで処理できるだろう。

 

 

【新高3生へ】

◆大学入学共通テスト地理Bの特徴

2021年から始まった共通テスト地理Bですが、第1回(第1日程および第2日程)の出題をみる限り、過去のセンター試験と大きな違いはないものの、設問数が減った代わりに、やや長い問題文を伴う設問や、複雑な組み合わせ式の設問が増えています。また、知識そのものではなく、考える力を重視する傾向がみられます。

例えば、ある地点の気候に関するグラフを出題する場合、「この地点のグラフはどれか」ではなく、「この地点のグラフとしてXを選ぶ理由はどれか」と問われるのです。こうした問題は各地点の気候区分を暗記していても解けません。気候の成り立ちを理解する必要があります。

 

作問の方針として、事前に以下のことが打ち出されており、これに沿った出題となっています。

① 地理に関わることがらを題材にして、

② ことがらの持つ意味や役割、ことがらどうしの対比・関連づけ、ことがらに潜む問題点などを考えながら見抜く力や、

③ 知識の活用や資料の分析によって、「地理的な見方や考え方」を順序よく働かせる力を試す

 

実際の出題内容としては、おもに系統地理(自然環境・産業・社会などのテーマ別学習)の各分野がまんべんなく扱われています。また、世界地誌(大陸・国ごとの地域別学習)の大問は5問中1問だけですが、世界の国や地域に関する設問が他の大問中にバランス良く配置されています。いずれも知識(用語や地名)そのもののみを問うことは少なく、地図や写真、統計など各種資料の読み取りと関連付けた出題が多くなっています。ほとんどの設問に資料が与えられています。

 

共通テストでは、「情報処理、思考、判断」の能力を試す傾向がはっきりしており、加えて「表現力」も重視されています。記述式設問はありませんが、その代わりにさまざまな「場面設定」※が工夫されており、

「実際にその場面にいたら、どう読み取り、どう考察し、どう表現するか」

を考えさせようとしています。

したがって、地理的思考力や資料の読み取り技能を重視した問題の割合が多く、その結果、複数の判定を組合せた形式の設問が中心となっているのです。

用語や地名を詰め込むだけの学習では対応できません。

 

※ 場面設定として、以下の例が想定されています。

①  地理的な課題を探究し、その解決や将来を展望する場面

②  資料から事象を読み取り、地域の変容や構造を考察し、地域的特色などを説明する場面

③  新たな課題を設定し、情報の収集、整理・分析を行う場面

 

 

◆思考力が大事

こうしてみると、共通テストは丸暗記に終始するような詰め込み学習では対応できないことがわかります。「地理は暗記科目」と考えられがちですが、共通テストの地理Bでは思考力がものをいうのです。地理的な事象について「なぜそうなるか」を十分に理解した上で、「使える(=応用できる)基本的な知識」をこつこつ積み上げましょう。知識がネットワーク化すれば、1つの理解が2つにも3つにも応用できるようになります。もちろん、知識重視タイプの問題もゼロではありません。自然環境、産業、集落といった系統地理だけでなく、世界地誌の準備も早めにスタートすることで、情報量の面での遅れを招かないようにしたいものです。このような場面では、一問一答形式の問題集なども役に立つでしょう。

 

 

◆資料問題に強くなろう

共通テストにおける地理Bの顕著な特徴は、地図や図表、写真などの資料を使った出題の割合が高いことです。これらを読み取り、利用する技能が求められているのです。

自分が知らない地名が出てきた際には、必ず地図帳を開き、その位置を確認するようにしましょう。教科書や資料集を用いて、主題図(テーマのある地図)や写真などに見慣れておくことも重要です。また、統計についても、順位、数値の暗記ではなく、統計の背後にある地理的要因を読み取る意識をもって、最新の統計をこまめにチェックするようにしましょう。また、地歴連携を重視する方針から、歴史的背景や経緯を問う出題がみられるようになっています。

 

 

◆独特な出題形式に慣れておこう

独特な出題形式への慣れも欠かせません。組合せ式問題などがその典型です。問題の質や量と試験時間(60分)を見比べると、決して時間的な余裕はありません。5年分程度の過去問演習(センター試験も含む)や共通テスト試行問題の演習はもちろんですが、東進の共通テスト本番レベル模試を定期的に受験して、

(1)頻出項目をマスターし、最新の傾向をつかむ

(2)出題形式に慣れ、時間配分をトレーニングする

(3)解説を利用して、「どうしてそうなるのか」の考え方を鍛える

といった点の強化に利用してください。

 

【新高2生へ】

◆「地理B」という科目の特徴

 先に新高3生へのアドバイスを読んでみてください。なかなか大変なメニューが並んでいますね。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。共通テストについては、今回の問題と2021年の問題、他に2回の試行問題、さらに2020年までのセンター試験の出題も参考になります。過去問等で傾向をつかみ、模試で実力を測って弱点を補強する、受験生としてはそんな真っ当な対策を立てたいですね。しかし、過去問の演習にせよ、模試の受験にせよ、ひと通りの学習を済ませて、ある程度の実力をつけてからでなければ意味をなしません。「実力をつけてから」にこだわりすぎても時機を失しますが、準備ゼロでは「敵を知る」ことも「己を知る」ことも叶いません。高3になってから正しい対策を迷うことなく進めるためには、それなりの布石というものが必要です。

 

 

◆今のうちにやっておきたいこと

(1)一通りのことが書かれた本を読んで、地理という科目の「雰囲気」をつかんでおきます。いきなり教科書では難しいでしょうから、『山岡の地理B教室』(東進ブックス)のような入門書を利用してください。中学校で使った「地理的分野」の教科書も良いでしょう。中1当時の皆さんはまだ小学生の延長のようなものでした。だから、いま読むと「ああそういうことか」と納得できることが多いはずです。納得したことは頭に残りやすいのです。

 特に気候環境、人口、都市など、他の項目との関連が深い分野、理屈が重視される分野はていねいに見ておいてください。

 

(2)地図帳に慣れておきます。地理における地図帳は、英語における辞書のような存在です。各地方の並び順、地図上のさまざまな約束、索引の使い方、などを体で覚えておきましょう。知らない地名が出てくるたびに地図帳を開く習慣をつけてください。どんどん書き込んだり、付箋をつけたりするのもGOODです。

 

(3)できれば、さまざまなメディアも利用しましょう。TVの特集、クイズ番組、ニュースなどや、新聞の国際面の記事、インターネットで得られる情報などです。すべてが直接の試験対策になるわけではありませんが、世界各地に関する見識が広がることで、地誌学習が楽に進められるはずです。

 例えば、代表的な動画投稿サイトで「フィヨルド」と検索してみてください。数多くの映像によって、北欧ノルウェーなどの氷河によって形成された雄大な景観を実感できるはずです。味気ない教科書の本文が立体的に浮かび上がってきます。スマホでタブレットでも、せっかくのICT(情報通信技術)環境を有効に活用してください。

 

そして、最も大切なのは「地理は暗記科目ではなく、考える科目である」としっかり理解しておくことです。はじめはピンとこないでしょうが、上のような対策に続けて実際に問題演習を始めると、「考える科目」であることを実感できるはずです。

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2022年 1月 15日 ★☆★【日本史B】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

形式面で大きな変化はなかったが,読解を求める傾向がさらに強まった

読解を求める傾向が強まり、さらにその上で日本史の基本的な知識を把握していなければ判断しづらい設問も目立った。昨年の共通テスト日本史Bでは、原始(弥生時代の時期)に該当する問題が出題されたが、今年度は原始からの出題はみられなかった。昨年度の特筆点の一つに、地図の並び替えの問題が出題されたことがあげられるが、今年は出題されなかった。

昨年度は見られなかった年表を用いた形式の問題が出題された。会話文の形式をとる大問が、第1問だけでなく第3問・第5問でもみられ、第2問・第4問も,生徒のメモや発表スライドなどが素材として出題されていた点で、高校での学びを意識した大問が多く見られた。

 

(時代) 

昨年の共通テスト日本史Bでは、原始(弥生時代の時期)に該当する問題が出題されたが、今年度は原始からの出題はみられなかった。戦後については、1980年代までが対象とされていた(昨年度は1970年代までが対象とされていた)。

 

(分野)

政治・社会経済・外交・文化とバランスよく出題されていたが、昨年と同様に、社会経済からの出題が目立った。

 

(出題形式)

年代整序問題は、昨年度の共通テスト日本史Bでは4題出題されたのに対し、本年度は各大問に1つずつ計6題出題され、そのうちの1つは、史料を並べ替える問題だった。2文正誤の問題では、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が2題出題された。

 

(史資料)

第1問では、嵯峨天皇を中心とする略系図、1925年~1950年生まれ年別男性名ベスト3が、第2問では正倉院に残る計帳、憲法十七条・養老令・延喜式が、第3問では、絵画資料『石山寺縁起絵巻』、史料『朝鮮王朝実録』が、第4問では、史料『鴨の騒立』『蛛の糸巻』と「野非人之儀ニ付風聞書」旧幕府引継書が、第5問では、日本とハワイ王国との修好条約の条文の一部(『大日本外交文書』)、藤田敏郎の回顧録(『海外在勤四半世紀の回顧』)と山口県の分析(山口県「県政事務功程」)、第6問では1972年の改暦に関する詔書と同年に開通した新橋―横浜間の時刻表の一部(国立公文書館所蔵「汽車運転時限幷賃金表上達」、「太陽暦頒行ノ詔)、1885年から1930年までの鉄道(国鉄・民営鉄道)の旅客輸送と営業距離の推移表(近代日本輸送史研究会編『近代日本輸送史』)、買い出し列車と松川事件の写真、高度経済成長期以降の鉄道・自動車に関する統計と新幹線・高速道路の開通年表(矢野恒太記念会編『数字でみる日本の100年 改訂第6版』より)、が設問の素材として用いられた。

 

【設問別分析】

第1問:姓と名字

第1問では、人名から見た日本の歴史をテーマとした問題が出題された。小問数6問のうち、正誤を組み合わせる問題が3問、空欄補充問題、2つの文から正誤を組み合わせる問題、年代整序問題が、それぞれ1題ずつ出題された。第1問は昨年度同様、会話文形式での出題だった。図・表や会話文の読み取りが求められる問題が出題された。

 

問1 空欄に入る文の組合せを選択する問題。アは、会話文やメモから判断できる。イは、平民に苗字を名乗らせた理由が「近代国家の国民として把握する」ためであったかどうかを判断できなくても、明治初期には「華族・士族・平民の身分を撤廃」したのではなく、これらの族籍が新たに設けられたことを認識していれば、消去法で解答は導きだせる。

 

問2 人物が抽象化されているため、やや判断が難しかったかもしれない。Xは源義仲、Yは足利持氏について述べた文である。

 

問3  IIIの「ウィリアム=アダムズ」が徳川家康の顧問、Iの「近松門左衛門」が元禄文化期の文化人、IIの「江川太郎左衛門英竜」は幕末期の人物、というように、大まかな時期をとらえていれば、正答は導き出せただろう。

 

問4 嵯峨天皇を中心とする略系図を用いた問題。a・bの判別は「嵯峨天皇」の時期を中心とする、弘仁・貞観文化の基本的な知識があれば対応できたと思われる。

 

問5 表を用いた2つの文の正誤を判断する問題。X「アメリカ・イギリスに宣戦布告」したのは1941年。Y「天皇の代替わり」とは、1926年。基本的な年代を把握しておくことが前提とされる問題だった。

 

問6 a・bの判断はやや悩んだかもしれないが、ヒントは会話文・メモ・図の中にあった。c・dの判別は、基礎的な知識があれば、判断は容易だったと思われる。

 

 

第2問 古代の法整備と遣隋使、遣唐使

小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。昨年度は見られなかった年表を用いた形式の問題だった。年代整序の問題では、史料を並べ替える問題が出題された。

 

問1 「遣隋使」が倭の五王以来の中国への遣使であったこと、「曇徴」が高句麗僧だったことを認識していれば、判断できる。

 

問2  8世紀は天平文化期(奈良時代)、9世紀は弘仁・貞観文化期(平安時代初期、年表に「弘仁格式」「貞観格式」あり)であるため、文化史に関する基本的な情報を把握していれば、正答を導けただろう。

 

問3 史料にある「去年の計帳」の人数、「今年の計帳」の人数が表記されていることから、bの「計帳から年ごとの戸の人数の変動が分かる」は適当であると判断できる。dの「黒子の位置」は史料に表記されていることからも、「本人を特定するため」のものであったと考えられる。

 

問4 短文史料を用いた年代整序問題。Iが養老令、IIが憲法十七条、IIIが延喜式であるが、IとIIIの判断にやや戸惑ったと思われる。

 

問5 選択肢2は、年表の「養老律令」以降、律令が編纂されていないことが読みとれるため、「律令の編纂は、天皇の代替わりごとに行われた」は誤りと判断できる。

 

 

第3問:中世の海と人々

小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。第3問も会話文の形式をとる問題だった。

 

問1 会話文からの読み取りが求められた問題。正文となる選択肢1~3は会話文にヒントがあった。選択肢4は中国の海禁政策や応永の外寇の背景などを想起すれば、「倭寇は国家権力による保護」を得ていないと判断できる。

 

問2 IIIは平安時代、IIは鎌倉時代、Iは戦国~安土・桃山時代、であるため、判断しやすかったはずである。

 

問3 多くの教科書に掲載されている馬借の図。教科書のキャプションまで確認していた受験生は、すぐにどちらも正文だと判断できただろう。同様の図版は、2008年度のセンター試験日本史B・本試でも使用されている。

 

問4 a・bは、史料1行目に「日本国使、……多く商物を齎し、銀両八万に至る」とあることから判断できる。aは誤り。c・dは、史料3~6行目を丁寧に読めば判断できる。

 

問5 かつてのセンター日本史Bで見られたタイプの地図問題。Xは志苔館の説明。Yは「元軍や高麗軍」から蒙古襲来を想起できただろう。多くの受験生が、北海道南部や九州北部を選択できたと思われる。

 

 

第4問 近世の身分と社会

小問数5問のうち、正誤を組み合わせる問題、4つの文から正文を1つ選ぶ問題、4つの文から誤文を1つ選ぶ問題、2つの文の正誤を判断する問題、年代整序の問題がそれぞれ1問ずつ出題された。特筆点として、生徒のメモが素材として使われたことや、2文正誤の問題において、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が出題されたことがあげられる。

 

問1 「メモ」には、「居住地が区別された」非人がいたこと、「都市では、組織に属さない『野非人』と呼ばれる人々も増加し、その取締り」が行われていたことなどが記されていた。これらを参考にすれば、「総意により運営」は誤りと判断できる。

 

問2  IIは「出雲阿国」から桃山文化、IIIは「初代市川団十郎」から元禄文化、Iは東洲斎写楽から宝暦・天明期の文化について述べた選択肢だと判断できる。

 

 

問3  Xは史料1を対象とする選択肢で、正文であることは判断しやすかっただろう。Yは史料2の「天明」(18世紀の年号)を見逃さなければ、19世紀の「世直し一揆」は誤りだと判断できる。

 

問4 史料の読解問題。c・dの判別は、設問文の「1836年」から、天保の改革の政策を選択すればよいと判断できただろう。

 

問5 近世の身分と社会に関する4つの文から正文を選ぶ問題。「メモ」をヒントにしなくても、正答の選択肢1を選択できた受験生が多かったと思われるが、「メモ」には、「将軍に拝謁できる者」である「旗本」の語が記されていた。

 

 

第5問  幕末・明治期の日本とハワイ

 

第5問では、日本とハワイの関係をテーマとした問題が出題された。小問数4問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、2つの文の正誤を判断する問題と年代整序問題が、それぞれ1問ずつ出題された。昨年度の共通テスト日本史B第5問は、人物をテーマとした問題だったが、今年度は会話文の形式がとられた。第5問でも、複数の史料を読み取って正誤を判断する形式の問題が出題された。

 

 

問1  2つの文X・Yと、それに該当する用語を組み合わせる問題。地名や国籍などの把握が必要であった。

 

問2  a・bでは史料の読解が求められたが、史料を深く読み取らないと、判断がやや難しかったと思われる。判断に時間をかける必要のある選択肢だった。c・dは、前提知識として「日清修好条規」の内容や背景を把握している必要があった。

 

問3 「1885年から1894年までの10年間」と、やや短い期間の年代整序問題が出題された。ただし、日清戦争開戦にいたるまでの国際関係を把握していれば、前後関係を判断することは難しくはなかったはずである。

 

問4 史料の読解問題。史料文も短く、日本史に関する知識が十分でなかったとしても、史料を丁寧に読み取ることによって、正答を導くことができたと思われる。

 

 

第6問   鉄道の歴史とその役割

第6問では、日本における鉄道の歴史とその役割をテーマとした問題が出題された。小問数7問のうち、正誤を組み合わせる問題が2問、空欄補充問題、年代整序の問題、2つの文の正誤を判断する問題、4つの文から正文を選ぶ問題、4つの文から誤文を選ぶ問題がそれぞれ1問出題された。正誤を組み合わせる問題のうち、1問は写真を用いたものだった。史料や表から読み取る問題が計3題出題された。小問7問中、半分程度は史料・表・写真の判断を求める問題となっており、瞬間的に判断できる設問は少なく、ある程度の時間が必要だったと思われる。

 

問1 センター試験日本史Bでもみられた空欄補充問題。前後のキーワードから用語を導き出すのは容易だったはずである。

 

問2 読解が求められる問題だった。a・bの選択肢は、設問文・資料から1872年9月、太陽暦は明治五年(1872年)壬申十一月九日、に作成されたことが読み取れれば正誤の判定が可能であった。明治五年に戸惑ったかもしれないが、設問文の、時刻表と太陽暦が同年(1872年)に出された、という情報を見逃さなければ、正答を導くことができたと思われる。

 

問3  当然ながら、表を参照する必要があるが、正答を選択するためには、該当する時期の背景知識や用語の理解が不可欠だった。

 

問4  20世紀以降の日本の対外関係のなかで、鉄道に関わる諸政策・事件に関する6択の年代整序問題。「張作霖」「南満州鉄道株式会社」「段祺瑞」の語句に着目し、Iは昭和初期、IIは明治期、IIIは大正期と、各選択肢の時期が離れているため、正答に導きやすかったはずである。

 

問5 「買い出し」「ドッジ=ラインの影響」に関する問題は、センター日本史でも出題されたことがあるため、センター試験日本史Bの過去問までを対象にして演習を繰り返してきた受験生には解きやすかっただろう。この形式の設問は、a・b(もしくはc・d)のいずれかが正文または誤文であるため、2つの文を比較して判断すればよい。

 

問6 提示された表2の情報だけでなく、オリンピックの開催、第1次石油危機のそれぞれの時期を把握しておけば、正答を導き出すのは容易だった。

 

問7 中曽根康弘内閣に関するX・Yの2文の正誤を判定する問題。基本知識で十分対応できる問題であった。

 

【新高3生へ】

◆日本史の実力そのものを向上させ、読解力を養おう!

大学入学共通テストは今回で2度目の実施となりますが、傾向や形式が未だ定まっていないテストといえます。未知の部分が多いとはいえ、センター試験と比べた場合、共通テストでは、事件や政策などを多面的・多角的に考察する過程が特に重視され、歴史的事象の意味や意義、特色や相互の関連など、総合的に考察する力が求められる傾向にあるといえそうです。具体的には、教科書で扱われていない初見の資料であっても、そこから得られる情報と授業で学んだ知識を関連づけて判断することを求める問題、仮説に対する根拠として適当なものを選択させる問題、歴史の展開を考察させる問題、特定のテーマを考察させる問題などが増加していくと考えられます。従来のセンター試験日本史Bより、思考力・判断力が求められるといえるため、史資料読解型の問題に対する演習量を増やしておく必要があるでしょう。ただし、読解力が求められるとはいえ、日本史の問題であるため、日本史の実力がともなっていなければ、史資料を読みとることは困難な場合が少なくありません。日本史の実力そのものを高める努力を怠らないようにしましょう。共通テスト日本史Bの問題形式には不明な点が多いと言われれば、多くの不安を感じるのは当然のことです。しかし、恐れる必要はありません。共通テスト日本史Bの問題構成は、センター試験日本史Bと同じで、第1問はテーマ史、第2問は原始・古代、第3問は中世というように、第2問~第6問は時代ごとに大問が構成されていました。そのため、通史学習と問題演習をうまく組み合わせて学習を進めることが可能です。学習の進度にあわせて、第2問、第3問というように、演習に取り組んでみましょう。とはいえ、共通テストは導入されて2年目であるため、過去問も多くは存在せず、試行調査をあわせても演習に適した問題は不足してしまうでしょう。そこで、東進ブックス共通テスト実戦問題集日本史をお勧めします。この問題集は、すべてがオリジナル問題で、2021年度・2022年度で実施された共通テストよりもやや複雑な、試行調査型の問題もあえて含める形にしています。さまざまな形式の良問に取り組めば、通史の学習の際にどのようなことを意識したらよいのかがみえてくるはずです。日常の学習においては、教科書に掲載されているグラフ・表・絵画などを「ただ眺める」のではなく、「そこからどのような情報を導けるのか」を考察する習慣をつけるとよいでしょう。

 

◆「考えながら」覚える習慣をつけよう!

教科の性質上、日本史に暗記的要素が強いことは間違いありません。とはいえ、単純な暗記だけでは、知識は定着しづらく、入試問題への対応も危うくなります。日本史の学習において、最良のバイブルは教科書です。そのことを認識していても、教科書を精読する習慣を身につけている受験生はそれほど多くはありません。単純な作業のように思えてしまい、教科書を精読することが継続できないとすれば、それは、「考える」ことをしていないからだといってよいでしょう。共通テスト日本史Bでは、限られた時間内で正確に解答する力が求められます。そのためにも、「考える」日本史学習を習慣にしていきましょう。文化史(仏像彫刻)を例にとれば、仏像彫刻を把握していく際に、(1)ほかの時代で扱う仏像彫刻と比較する、(2)写真で確認してその特徴を考える、(3)当時の仏教はどのような性格をもっていたのかを把握する、(4)政治・外交・社会など他の分野との関連性を確かめる、など複数の視点で歴史を捉えることを意識して、読み方を変えてみましょう。そうして考えてみたことを自分でノートにまとめれば、立派なサブノートができあがっていきます。

 

◆模試を有効に活用しよう!

学習の習慣をつけるのは、容易ではありません。そこで勧めたいのが模試の受験です。東進の「共通テスト本番レベル模試」は、「全国統一高校生テスト」も含めると年間全6回実施されます。過去問が実質的に存在しない共通テストにおいて、試行調査を軸に共通テストの出題を想定して作成された東進の共通テスト本番レベル模試は、本番の共通テストで高得点を得るための不可欠なツールといってよいです。また、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」も、それぞれ全5回、実施されます。また、直近の東進模試では、第1回共通テスト本番レベル模試(2022年2月20日実施)や、記述式の高2レベル記述模試(2022年3月13日実施)などが新高3生を対象としています。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されています。学習のペースメーカーとするためにも、これらを受験しましょう。

 

【新高2生へ】

◆歴史に興味をもとう!

2022年1月、2回目の大学入学共通テストが実施されました。他の教科と同様に、日本史でも、「考える」学習の重要性が高まっています。2022年度に新課程で新設される新たな教科「歴史総合」でも、数多くの「問い」が設定されています。現在・未来を考える上で「過去」の認識は不可欠です。コロナ禍のなかで、人類が直面した過去の感染症に注目が集まっています。また、近年では、中国、韓国、北朝鮮など近隣諸国と日本との緊張がニュースになることも少なくありません。こうしたニュースを見聞きする際に、「どのような歴史的背景から、緊張が生じているのか」といった問題意識をもてば、歴史を学ぶことの意味や重要性を認識できるのではないでしょうか。「歴史なんて学ぶ意味がない」「過去のことを考えるのは面倒」などと否定的にとらえてしまえば、日本史は当然つまらない教科になってしまいますし、得点も伸びていきません。大学入学共通テストでは、史料文、表・グラフ、写真・図などの資料を分析させたり、これらの理解を求めたりする出題が増加すると考えられます。まずは歴史に興味をもち、考察する姿勢を養いましょう。

 

◆教科書を重視しよう!

まずは教科書を軸に学習を進めましょう。本文の精読が不可欠なのはもちろんですが、史料文や図、グラフなども重視して下さい。ただし、眺めるだけでは実力はつきません。そうした資料から何が導けるかなどについて、考察するようにしましょう。これまでのセンター試験に比べ、共通テストの出題形式は複雑になりました。限られた時間内で正確に解答する力が必要です。その力を養うためには、日常から多くの素材に触れておくことが不可欠です。歴史上の出来事は評価の難しいものが少なくありませんが、教科書には、日本の歴史が簡潔かつ客観的に記述されています。国際化が顕著となっている今日において、主観を排除した日本史の把握は、受験のためだけではなく、みなさんが社会人となったとき、ビジネスの場面で大きな役割を果たすことになるはずです。ただ、どうしても教科書を精読する習慣がつかない方もいるでしょう。その場合は、一度に多くのページを読もうとするのではなく、「今日は奈良時代の政治を把握する」、「明日は飛鳥文化を理解する」など、自らテーマを設定して読む部分を絞って精読し、教科書を閉じたあと、そこには何が書いてあったのかをノートにメモするようにしてみてください。こうした習慣は、やがて大きな力になっていきます。

 

◆模試を有効に活用しよう!

2021年・2022年に実施された大学入学共通テストは、過去問がほとんど存在しない試験です。高得点をめざすのであれば、多様な出題形式に慣れておくために、共通テスト本番レベル模試だけでなく、さまざまな模試の受験を検討しましょう。与えられた資料を分析して論述する問題を含む早慶上理・難関国公立大模試、基本的な日本史の知識を確認できる全国有名国公私大模試などの受験は、共通テストを含めて、日本史の得点力を確実に高める役割を果たすでしょう。東進では、「共通テスト本番レベル模試」と「全国統一高校生テスト」をあわせると全6回、「早慶上理・難関国公立大模試」「全国有名国公私大模試」はそれぞれ全5回実施されます。これらは、受験日本史に精通した作題者によって作成されており、近年出題が増加している、読解タイプの問題が数多く含まれています。また、『解答解説』では、初学者でも理解しやすいように、(1)図や表を用いる、(2)ルビを多くふる、(3)理解を深めてもらうための【参考】や【整理】を設ける、といった工夫が施されています。受験会場の雰囲気にふれたり、成績がどのような状態にあるのかを把握したりすることは、モチベーションの向上につながります。学習のペースメーカーとするためにも、ぜひ、東進の模試を受験しましょう。

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2022年 1月 15日 ★☆★【世界史B】大学入学共通テスト 解答速報

【解答速報】

【全体概観】

昨年度と同様、資料を多用した「思考力を問う問題」が多く、出題形式がある程度固まってきたと言える。

 

 大問は5問、設問数は34問と初めての実施であった2021年度の共通テストから変化は無かった。出題形式に関しても、資料(地図、絵画、写真、史料、グラフ・表)の数が13と昨年の17よりもやや減少したが、センター試験と比較すると大幅に増加している。また、資料を読解しつつ世界史的な知識を連動させないと解答にたどり着けない「思考力」を問う問題も昨年と同様に多く出題されており、全ての問題を解き終わるまでに要する時間は、センター試験と比べると大幅に増加した。今年度で2回目となった共通テストであるが、出題形式はある程度固まってきたと言えるだろう。

 

 出題形式の変化としては、正文選択の問題が2021年の10問から19問へと大幅に増加した一方、誤文選択の問題は1問も出題されなかった。また、センター試験から継続して出題されていたグラフ問題が出題されなかった一方、昨年度には見られなかった、表中の数値を用いて考察させる問題が1問出題された。

 

 全体として、時代、地域、分野ともにバランスのとれた出題であったがリード文を読まずに解ける問題が少なく、資料を読解しなければ解けない問題が多かったため、曖昧な知識だと試験時間内に余裕をもって解き終わることは難しかったであろう。しかし、解答を導くために細かい知識が必要なわけではなく、センター試験と同様、あくまでも基本的な知識のみで解答できる。模試などを活用して共通テスト型の出題形式に慣れていたかどうかが、高得点へのカギとなるだろう。平均点は昨年並みと予想される。

 

【設問別分析】

【第1問】世界史上の学者や知識人

Aはシーボルトについての文章、Bはハサン=ブン=イーサーの伝記記事の資料を、Cは王国維が著した論文を用いたリード文であった。Aでは中国についての設問を中心に、文化史や地図問題が出題された。Bではイランについての設問を中心に、古代から近代まで幅広く出題された。Cでは中国周辺史を中心に、解答を導くために資料の読解が不可欠である問題が出題された。全体的に、文化史や地図など幅広い知識が定着しているかが求められた。

 

【第2問】ある出来事の当事者の発言や観察者による記録

Aはウィンストン=チャーチルの『偉大な同時代人たち』を、Bはアメリカ合衆国大統領の演説を用いたリード文であった。Aでは資料の読み取りと地図の知識を連動させる設問が出題された。Bでは現代史についての設問を中心に幅広い知識が問われた。全体的に、戦後史や地図の知識など受験生が手薄になりがちな知識が求められた。

 

【第3問】世界史上の人々の交流や社会の変化

Aは明治期の政治小説に描かれた国際情勢についての会話文を、Bは世界の各地域の人口推移についての会話文を、Cはオセアニアの先住民についての会話文を用いてのリード文であった。Aは19世紀の世界についての幅広い知識が問われた。Bでは昨年見られなかった表中の数値を用いて考察させる問題が出題された。Cでは読解力を問われる問題が出題された。全体的に、資料を読解しなければ解けない問題が多く、解答するのに時間を要したであろう。

 

【第4問】歴史評価の多様性

Aはイギリス人作家ジョージ=オーウェルの書物を、Bは絵画を基にした会話文を用いてのリード文であった。Aでは日本の近現代史を中心に、資料の読解に加えて考察力を問う問題が出題された。Bは地域・時代共に幅広い出題であった。全体的に、20世紀を中心とした世界史の基礎的な知識に基づく考察力が求められた。

 

【第5問】世界史上の墓や廟

Aはサン=ドニ大修道院付属聖堂内の墓棺群の配置推定復元図を、Bは写真を基にした会話文を用いてのリード文であった。Aでは中世ヨーロッパについての設問を中心に資料の読解力を試す問題が出題された。Bでは人の移動をテーマに地図問題も含めた幅広い知識が問われた。全体的に、歴史的事項がどの時代に起こったのかという、君主や王朝ごとの事績についての正確な知識が求められたと言える。

 

【新高3生・新高2生へ】

◆大学入学共通テストの基本は教科書

大学入学共通テストでは、資料を読解しつつ世界史的な知識を連動させないと解答にたどり着けない「思考力」を問う問題が多く出題されます。リード文・素材文・資料には一見すると難解な内容が含まれていることもありますが、各設問・選択肢は教科書の内容から出題されています。つまり、授業をしっかりと受けて、基礎を固めることができれば容易に問題を解くことができるのです。

 

◆歴史の基本の流れを押さえ、基礎を固めよう

大学入学共通テストは幅広い地域・分野から出題されます。それぞれの地域・時代の基本事項を押さえることが学習の出発点となります。教科書をしっかりと読み、太字の部分を中心に歴史の大きな流れをつかみましょう。一度に全てを覚えようとするのは無理なので、何度も読み込んで知識を深めていきましょう。同時に資料集を利用して、地理的な理解を含め、視覚的に捉えることも効果的です。自分の頭の中に当時の様子がイメージできるようにしましょう。

単に語句を暗記するのではなく、歴史のタテ(時間的な前後関係)・ヨコ(同時代の異なる地域の出来事)の関係に注目して学習を進めることが大切です。大学入学共通テストでは同時代(世紀)の異なる地域の出来事について問う問題が複数ありますので、年表を読み世界全体の動きについて把握し、さらに自分でノートにまとめ直してみましょう。また、周辺地域史や文化史のような教科書では簡潔に述べられている部分についての出題の可能性もあります。苦手意識をつくらず、広い分野に関心を向けましょう。基本事項を1つ1つ確認し、そこから派生した学習を進めることで広い知識を身に着けることができれば、高得点が期待できます。

普段から新聞・テレビ・インターネットなど各メディアのニュースを見て、世界の出来事について関心を持つようにしましょう。民族紛争・地域紛争など世界史上の事件が原因であるものもあります。「世界史B」は試験直前まで得点の伸びが期待できる科目です。継続して学習し、最後まで粘り強く取り組みましょう。

 

◆写真、年表、グラフ、史料などを意識して見よう

大学入学共通テストは、センター試験以上に写真、年表、グラフ、史料などが使用され、それらをもとにした出題があります。日ごろの学習の際に、資料集などを使用して、この出来事はどのような時系列で起きたのかを年表で確認する、掲載されているグラフを歴史的な視点で読み解く練習をするなど、資料に親しむ習慣をつけていきましょう。

 

◆問題演習の積み重ねが大切

大学入学共通テストでは、限られた時間内に正確に解答する力が求められます。出題形式は正誤判定問題のほか、年代整序問題、空欄に補充する適語・適文の組合せ問題など様々な種類があり、選択肢は4つないし6つです。教科書には記載のない事項を使った選択肢が出題される場合もありますが、他の選択肢についての正確な理解があれば、消去法で正解にたどり着くことも可能です。問題に慣れておくためには、あらゆる過去問に触れておきましょう。2021年度の第1日程と第2日程問題、2017年・2018年の試行調査、2020年度以前のセンター試験、さらには東進の「共通テスト本番レベル模試」を継続して受験することが重要です。過去問や模擬試験を通して時間配分や問題を解く感覚をつかみ、本番に備えましょう。はじめのうちは思ったような得点が取れないと思いますが、結果だけにこだわらず、不正解の部分をしっかりと復習して苦手分野を1つずつ解消していきましょう。

 

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